理央周さん著、「なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?」という本を読んだのでご紹介。
本書では「タイムパフォーマンス(タイパ)」を最大化するための工夫が網羅的に解説されている。
日本人の仕事の生産性は先進国の中でも突出して低いといわれている。
短時間で最大の成果をあげることに意識がいかず、長時間働くことが美徳とされる悪しき風習があるのも事実だ。
僕は現在は独立して一人ビジネスを展開しているから、自分のタイパの善し悪しが自分のビジネスの売上に直結する。
「タイムリッチとキャッシュリッチの両立」を掲げ、日々いかに短時間で最大の成果を挙げられるかを追求している。
そんな僕にピッタリの一冊ということで手に取った。
さっそく紹介しよう。
一見仕事に見えない「サボる時間」こそが重要
本書のタイトルにある「サボる人」の定義が本書の冒頭でされている。
ガリガリとデスクに貼り付いて一生懸命仕事に打ち込み、夜も残業している人が必ずしも成果をあげているとは限らない。
むしろ逆で、オフィス内で雑談していたりランチに出ると2〜3時間戻って来なかったり、残業もせずサッサと帰る人の方が仕事ができることが多い。
それらの仕事ができる人は、サボっているように見える自由時間に成果につながるアイデアを得たりターゲットを観察したりしている。
このような一見仕事をしていないように見えるけれど成果につながる自由な時間を本書では「サボる時間」と呼んでいる。
著者の理央さんは積極的にサボる時間を作るようにしてから、おもしろいように成果が出せるようになったという。
サボる時間を確保するためには、タイパを上げるための工夫が必要になる。
その工夫を本書では101紹介している。
本書の中から僕が特に共感したポイントをご紹介したい。
「価業」に集中して成果を生み出す
本書で著者の理央周さんは仕事を「作業」と「価業」に分類することを推奨している。
「価業」とは、その仕事が産み出す価値が高いものを指し、単に手を動かせば良い誰にもできる仕事を「作業」に分類するのだ。
価業は成果に直結する重要な仕事で、理央さんの場合は「クライアントとの戦略のプランニング」「研修のための資料作成」「書籍の企画作り」などが当てはまるという。
いっぽう作業は郵送物の発送や単純な入力作業など、誰がやっても成果が大きく変わらない仕事だ。
タイパを最大化してサボる時間を作るためには、自分の仕事の内訳を価業を最大化し作業を最小化することが大切だ。
僕の場合、文章の執筆が価業にあたるが、ブログリンクのコピー・ペーストやキーボードのタイプは作業に当たる。
タイパを最大化するために、僕は音声入力と親指シフトを使って執筆の速度を最大化して、ボトルネックとなる「タイプスピードの限界値」を通常の人の4〜5倍にしている。
また、繰り返しのコピー・ペーストなどはクリップボード拡張ツールを使って時間を最小化するなどの工夫をして「価業」に集中するようにしている。
また、セミナーやコンサルのお申し込みのメールのやり取りも作業に当たるため、自動返信メールをカスタマイズして時間を最小化するなどの工夫をしている。
紙の書類でのやり取りを最小化して電子化すること、電話を使わずメッセージやメールでやり取りするなども作業時間を短縮するのに必須だ。
いずれにしても自分の1日は限られているので、いかに価業に集中できる環境を作るかが重要になる。
スケジュールに「余白」がある
スケジュールが予定で真っ黒になっている人は、集中して「価業」に取り組むまとまった時間が確保できない。
会議や外出、打ち合わせなどがびっしり入っていると、サボる時間を持つことが難しくなり、価業に集中できなくなる。
タイパが高い人は、スケジュールに余白を作るのが上手い。
週に2日はアポイントを一切入れないサボる日を作り、集中して価業に取り組むようにするのだ。
僕自身もスケジュールを管理しているiCloudカレンダーに「空き時間」というカレンダーを作り、二週間の予定を俯瞰している。
すべての日にコンサルティングやセミナーなどが入らないように、予定がない日が週に2日以下になりそうになったら「空き時間カレンダー」に終日の予定で「ブロック」という予定を入れて管理している。
対外予定が多くなり過ぎると書籍やセミナーの企画など、思考を中断したくない価業が滞る。
しっかり価業に取り組むためにも、スケジュールの余白は大切にしたい。
人に頼む仕事を先に進める
仕事には自分で完結する仕事と後工程が存在する仕事がある。
タイパが高い人は、後工程がある仕事を優先して先に進めていく。
予定よりも早く後工程の人に仕事を頼むことができれば、後工程の人にゆとりが出来、結果として高い精度の仕事ができるようになる。
僕の場合、ブログやメルマガ、YouTube動画などは自分で完結する仕事になる。
いっぽう書籍の出版は後工程がある仕事だ。
僕の原稿執筆が遅れたら後工程の編集やゲラの作成、さらには印刷などのスケジュールが圧迫され全体の工程に悪影響を与えることになる。
だから僕は常に編集者さんとの約束の期限よりも早い日程で原稿を書いて渡せるように工夫している。
「起業メンタル大全」は8ヶ月の納期のところを半分の4ヶ月で原稿を仕上げて編集者さんに渡すことができた。
そのために日程を俯瞰的に見て毎朝最優先でコツコツと執筆を続けた。
おかげで後工程もぐっと早まり、当初の予定よりも大幅に早く刊行することができた。
後工程の人は前工程が終わらないと仕事を始められない場合が多い。
だからこそ、後工程の人のことを考慮して優先的に仕事を進めることが大切だ。
まとめ
本書ではタイパの低い人とタイパの高い人の違いを101もの事例で徹底比較している。
短時間労働を実現するためにはタイムパフォーマンスの最大化が不可欠だ。
本書の内容には共感する点ばかりで、頷きっぱなしで読んだ。
これからもタイムリッチとキャッシュリッチの両立をこれからも追求し続けていきたい。
素敵な一冊でした。
オススメです!!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。