尾花 2回目の訪問レポート 2011年7月
東京に鰻の名店は幾つもあるが、個人的には東の横綱が南千住の「尾花」、西の横綱が麻布飯倉の「野田岩」だと思っている。
尾花と野田岩は正反対の個性を持つお店で、どちらも凄く美味しくて雰囲気も良い。
うなぎが食べたくなるたびに、どちらの店に行くか、大いに迷うのだが、今回は「尾花」に行ってきた!多分1年ぶりくらい。
では、さっそくレポートしよう!
我々が到着したのは平日の午後5時前。
それなのに、すでに店内は満員で20人以上の人が並んでいる。尾花どんだけ人気なんだ。
ちなみに尾花は平日はランチのあと一旦閉店し、16時開店、19時30分閉店という、短時間営業なのだ。
うなぎ屋さんはどこも夜が早いが、ここ尾花は極端に早い。
ちなみにのれんは夏は白地に黒の文字。冬場は濃紺時に白抜きの文字と衣替えする。
並んでいる間にどんどん蚊に刺される。待っているお客さん皆あちこちをぼりぼり。
お店の建物の隣には稲荷神社もある。
ここは南千住駅から徒歩5分。小塚原である。小塚原といえば、江戸時代に刑場があった場所だ。
さて、結局40分ほど並んで入店。僕は過去に2時間半並んだことがあるので、今日は楽勝。
2時間半待ったのは土用の時期(丑の日ではなかった)。土用の時期はうなぎ屋さんには近づかないほうが良いような気がする。
お店はご覧のような「大広間」式で個室はなし。予約も受けない。実に潔い。
皆で大広間に座布団を敷いてずらっと並んでうなぎを食すのだ。
メニュー表麺。
どうも前回来た時よりも値段が高いように思う。今年はうなぎが不作で値段が高いと聞いたが、そのせいで値上げしているのかもしれない。
メニュー裏面。飲み物はシンプル。
さて、ビールで乾杯してのんびりとうなぎを待つ。この一時が至福なわけですよ。
昔から「うなぎをせかすのは野暮」と言うくらいで、うなぎは割いて蒸してタレ付けて焼いてと、手間がかかるので出てくるのに時間がかかる。
うな重を待っている間に登場するのがおつまみの品々。
まず最初に登場するのは「うざく」。うなぎの酢の物。
うざくの時点でこのうなぎの肉厚さにノックアウト!
甘めの三杯酢とうなぎが良く合う!
こちらは箸休め。お酒を頼むと出てくる。すごく細かくみじんに切ったお新香。
多分これも、うなぎが出てくるまでの時間を潰すために、わざと細かくしてあるのではないかと思う。
そして焼鳥!
おなかがいっぱいになりすぎるので、注文するのを自粛することが多いのですが、これがまたメチャクチャ美味い!
うなぎも焼鳥も炭火とタレは共通項。遠火の強火でカーッと焼くと、中がフワフワになるのですな!
素敵すぎます!!
お次は鰻巻き(うまき)の登場!
うなぎを細かく刻んだ「具」が玉子焼きの真ん中に入っているもの。
鰻巻きのスタイルはお店によってかなり違うのです。このようにうなぎがミンチ状態になっているものもあれば、原形を留めているものもあって、お店の個性を楽しめるアイテム。
この鰻巻き、かなりのボリューム感。もうちょっと小さくてもいいかなあ。でも醤油ベースの特性タレにつけて食べると、あっという間に完食できてしまう(^-^)
ビールの後は日本酒を冷で。
尾花には冷酒はこのお酒一種類しかない。もうちょっとバリエーションがあってもいいと思うんだけど(^_^;)。
まあ、このお酒も爽やかで嫌いではない。
冷酒をちびちび楽しみつつ、奥さんとあれこれ話をしていると、やってきましたよ!
うなぎの白焼き!きました!!
もうね、言葉にならないとはこのこと。
うっとりするほど肉厚でどっしりしたうなぎがどーんと丸ごと登場。
見て見て見て!この厚み。これぞ本物の凄み!2時間半行列ができる鰻やの本気ですよ!
たっぷりわさびを載せていただく。
にぎり寿司みたいに見えてるけど、肉厚すぎるうなぎですから!
そして、白焼きの後には,ついに、うな重の登場!
僕らはつまみを頼んでいるので、一番小さいサイズのものに。それでもこの迫力!
寄ってみました(笑)。
さらに寄ってみました(笑)。
尾花のうな重は、タレが重くて甘辛い、東京下町のうなぎ、という感じ。
野田岩はキリッとスッキリした都会的なタレなのと対照的。どちらも美味い。本当に個性的。
見よ!この充実感!素晴らしい!!
忘れてはいけないのが、尾花も野田岩もご飯が物凄く美味しいということ。
ご飯の固さからタレの染み具合から、とにかく計算し尽くされている。凄い!
というわけで、大満足の尾花の鰻祭り。
食べ終わって店を出ても、まだ外は明るくて、「ああ、夏だなあ」と思わせる風情が素敵。
尾花 1回目の訪問レポート 2009年11月
美味しい鰻が食べたくなり、久し振りに南千住の尾花を訪れた。
個人的には東京で鰻といえば、東の横綱がこの尾花、西の横綱が飯倉の野田岩ということになる。
場所は南千住の回向院脇の常磐線沿いの寂しい道を5分ほど歩いたところ。江戸時代の小塚原刑場のすぐ近くである。
再開発が進んでいるとはいえ、今でも尾花周辺は決して賑やかではない、それどころかどちらかといえば寂しい一帯にある。
夏の土用の時期には長蛇の列となり、僕自身も最大で二時間以上並んだ経験があるが、立冬の日の午後5時には、さすがに行列は短く、僕らが到着した時には10人ほどが待っているだけで、5分程度で入店できた。
店内は大広間となっており、狭い間隔でお膳が並べられており、隣の会話は全部丸聞こえである。
この雰囲気もこの店独特のもので、特に日が暮れた後は、何とも言えない風情である。
客層は幅広いが、比較的年配客が多い。従業員の女性も年配の方が多いので、賑わってはいるものの、全体的なトーンは落ち着いている。
ビールは大瓶はアサヒ、キリン、サッポロから選べるが小瓶はアサヒのみ。小瓶のアサヒと、うざく、白焼き、そして鰻重の一番小さいサイズを注文。
本当は焼き鳥やうまきも食べたかったが、そこまでは入らないので我慢。
メニューを見ていて気付いたのだが、以前は「時価」とだけ書かれていた蒲焼きの大筏に値段が入っていたことだ。
「13,000円ぐらいより」、と書かれていて笑う。
一度は試してみたいが、まだ僕には分不相応という感じだ。
うざくをつまみつつビールを飲み干し、続いて冷酒に移行。
鰻が出てくるまでは45〜50分程度かかるので、お通しも食べてしまうと何もなくなってしまう。
やはり焼き鳥を頼んでおくべきだったと後悔しつつ鰻を待つ。
そして待望の鰻登場である。
以前は白焼きと鰻重でタイミングをずらしてくれたが、今回はほぼ同時に出てしまい残念。
10分でもずらしてくれると、両方あつあつで頂けるのだが、その辺りの心配りは復活させてもらいたいものだ。
だが、白焼きに山葵をつけて頬張ると、そんな文句もどこかへ飛んでいってしまうほど美味しい。
ふわふわに蒸し上げられた鰻にかりっとした焼き目がつき、まさに芳醇という感じである。
これが実に日本酒に合うのだ。
そして鰻重である。
これも至福という言葉がぴったりの高水準。
尾花の方が、飯倉の野田岩よりもたれがパワー系でハッキリしている印象である。
タレが濃いのだ。下町風という印象なのだが、これが実に美味い。
蒸し加減、焼き加減、そしてタレとのマッチング、全てが調和され、ハーモニーを奏でている。
そして忘れてはならないのが、ご飯の美味しさだ。
鰻の下に隠れてしまっているが、つやつやのご飯もとても美味しくて、普段丼物ではご飯を残す習慣にしている僕でも、残さず全部いただいてしまえる。
心も身体もすっかり満足して、お会計は12,000ちょっと。
前よりちょっと上がったかな?気のせいかな?いずれにしても大満足で、南千住を後にした。
いつまでもこの水準を保ってもらいたいものである。
変更履歴
2012年7月18日 コンテンツを公開しました。
2018年8月22日 2018年8月訪問レポートを追加し、全体をリニューアルしました。
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。