ブログで情報発信をしていくときに、一つ決めておかなければならない大切なことがあります。
それは「ブログに何を書くか」です。
言い方を変えると、「ブログで扱う内容は何にするのか」を決める必要があります。
特に重要になるのは、「一つの分野に絞った専門ブログを作るのか」。
それとも「多彩な分野について書く総合ブログを作るのか」という点です。
専門ブログと総合ブログそれぞれのメリットとデメリット
ご存知のとおり、僕のブログは完全な「総合ブログ」です。
2008年にブログをスタートさせるときから明確に「総合ブログ」を作ろうと思っていました。
当時は「総合ブログ」という言葉は思い付いていませんでしたが、イメージは明確でした。
ちなみに「総合ブログ」という言葉は僕が作った造語です。
尊敬する村上春樹さんがご自身の小説を「総合小説を目指す」と書かれていたのにインスパイヤされ、「総合ブログ」と名付けたのです。
ブロガーの方によっては「雑記ブログ」という呼び方をしている人もいますが、僕としてはちょっとイメージと違う感じで、「総合ブログ」の方が気に入っています。
セミナーや個人コンサルなどで良く受ける質問が、「専門ブログと総合ブログのどちらが良いんですか?」です。
答えをひと言で言ってしまうと、「あなたがどうなりたいかによって、どちらを選ぶべきかが変わる」のです。
専門ブログのメリットとデメリット
短期間でページビューを上げて広告収入を最大化したい、というのが目的地の場合は専門ブログの方が有利です。
たとえば1日1記事、1年で365記事書くと仮定して、365記事が全部同じカテゴリーの記事になります。
Googleの検索エンジンは一つのカテゴリー内の記事数、その記事の文字数やキーワードの使い方などをチェックしています。
同じジャンルの記事がどんどん増えていくと、「専門性が高い」と見なされ、検索順位が上がりやすくなります。
同じカテゴリー、同じジャンルの記事を量産することで、速く検索順位が上がり、ページビューを増やしていくことが比較的スムーズにできるのです。
ただ、専門ブログにはいくつかの弱点があります。
まず「ネタ切れ」を起こしやすいこと。
単一のジャンル、カテゴリーについて書き続けるわけですから当然のことながらネタは限定的になります。
たとえば「料理レシピに特化したブログ」を作る場合、1年間毎日更新するためには、毎日違うレシピを考え続けなければなりません。
しかも、1年たったら終わりではなく、5年、10年とブログを続けていくなら、その間ひたすら料理レシピを生み出し続けることは、相当大変なことです。
そしてもう一つの弱点は、専門ブログの場合、読者の多くはブログが持つ「コンテンツ」に集まってきます。
ブログの中に書かれている情報が欲しい人が来て、情報を得て満足して去っていく。
情報だけが求められていて、ブログ運営者、著者がブランディングされにくいという問題が生じやすいのです。
たとえばiPhoneやMacなどのアップル製品情報をひたすら発信している専門ブログが複数あります。
そのブログにはアップル製品情報しか掲載されていないので、運営者がどんな人となりで、どんな顔で、年齢はいくつで、何を食べていて、どんなライフスタイルを送っているのかが、表に出にくいのです。
専門ブログは情報価値は高まりやすいのですが、個人ブランディングを高めるのにかなり工夫が必要となります。
ただこれは、裏を返せば「顔出しや名前出しはしたくないサラリーマンがブログから副収入を得たい」というような場合には有効でもあるわけです。
だから、簡単にどちらが良いかというのは判断できないわけです。
総合ブログのメリットとデメリット
いっぽう「総合ブログ」は、強みと弱みが専門ブログの逆になります。
まず強みとしては、複数の分野にまたがって情報発信をするので「個性」が際立ちやすいのです。
たとえば僕がブログをスタートさせたときは、「ガジェット」「書評」「ランニングによるダイエット」を扱っていました。
そしてそこに「ブログで人生を変える」というキーワードが入ってきました。
「会社を辞めて独立する」「自由に生きる」「若返る」「お金を稼げるようになる」「心を学ぶ」
これらのキーワードが、もともとのカテゴリーと融合していきました。
その結果、「ガジェットやツールを使いこなしてパフォーマンスを上げて好きなことをして生きる」や、
「ランニングによるダイエットで27kgダイエットに成功して出版する」とか、
「たくさんの本を読みそこから学んだことを実践して人生を劇的に変える」など、
僕の個性が際立つコンテンツが次々と生み出されていき、人気ブログになったわけです。
総合ブログを運営している人はたくさんいますが、僕と同じ切り口の人は世の中に一人もいません。
だから人気が出てしまえば「唯一無二の存在」になることができるわけです。
唯一無二の存在になれば、書籍を出版したりメディアに出たりすることもできるようになりますので、総合ブログは自分ブランディングには非常に強いわけです。
そのため、アフィリエイトでの副収入という限定的な稼ぎ方に留まらず、自分のビジネス、自分のメッセージを世界に届けることを仕事にすることがしやすいのも特徴です。
書籍の出版、セミナー・講座・講演会の開催、コンサルティング、企業研修などの仕事に進出することもできますので、稼ぎ方のバリエーションも広く豊かになっていきます。
いっぽう総合ブログの弱点はというと、人気が出るのに時間が掛かるという点です。
初心者の段階で扱うカテゴリーを多くしすぎると、焦点が絞られていない、何を伝えたいブログなのか分からないブログになってしまいます。
SEO的にも、たとえば10カテゴリーを最初から作って1記事ずつ順番に書いていったら、10記事書いても1カテゴリーあたりの記事数は1ですから、なかなか100記事、200記事に到達してGoogleから「専門性がある」と認識されるまでに至りにくい。
ブランディング的にも、周囲の人は「何らかの専門性がある人」のことを「凄い人」と見なし、それがブランディングになりますので、「雑多である」と「専門性がない人」と見なされてしまいやすい。
なので「総合ブログ」でブランディングしたい人は、何でもかんでもを扱うのではなく、自分の得意分野を3つくらいに絞って、その3つのカテゴリーをメインにして育てると良いと思います。
そのうえで、たまにそれ以外のことも書く「サブカテゴリー」があっても良いと思います。
3つのカテゴリーそれぞれが人気を得るようになったら、カテゴリーを増やすのも良いと思います。
専門家が作る専門ブログは例外
専門ブログに関して例外としては、もともと専門家として仕事をしている人が立ち上げる専門ブログは、「プロのブログ」なので別格になります。
たとえば税理士の人が立ち上げる「税務ブログ」とか弁護士の人の「法律相談ブログ」というのは、記事の内容と同時に読者は必ず「誰が書いたか」をチェックしています。
たとえば法律相談に関するブログの運営者が匿名でアイコンがイラストの場合より、実名顔出しで、事務所名も書いてある方が信頼性が高くなりますよね?
プロの専門家が書く専門ブログは、「専門家」としてのブランディングと記事の専門性が両立するので、人気を得やすいし本人のブランディングにもなりやすいのです。
この流れから、自分の専門分野に関する書籍の出版やテレビ出演などを目指すことは十分に可能です。
この形の理想は、専門家としての専門知識に関する記事に加えて、その人の人となりが分かり親近感を抱くような記事も交えた「総合ブログ」です。
まとめ
というわけで、自分は黒子になって情報価値を高め人気ブログを作りたい人は「専門ブログ」。
自分ブランドを確立して自分の価値と情報価値を両方高めブランディングしたい人は「総合ブログ」。
多くの人に認知される「専門家」を職業としている人は、専門知識を活かしつつ他の分野も網羅する「総合ブログ」。
このようなゴールを目指してブログを設計すると良いのではないかと思います。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。