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オトナのFacebookの時間だぜ! 書評「ビジネスパーソンのためのFacebook活用術」 by 佐々木和宏

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どんなツールも使いこなすのは人間である。

SNSも同じ。どんなに便利なツールでも、使いこなすことができなければ宝の持ち腐れとなる。

そして、ツールは高機能になればなるほど、難易度が上がり,使いこなせない人が多発するという皮肉な側面を持つ。

 

 

SNSでいえば、Twitterはとてもシンプルで、日本人の特性とも合って大ブレイクした。

短い文章に想いを込めるのは俳句や短歌といった文化を持つ日本人がもっとも得意とするところだ。

しかも匿名OKで気軽となれば、誰でも気軽に始めることができる。

 

 

一方、Facebookが日本でなかなかキャズム越えに至らない理由として、実名登録・顔出し原則というポリシーが、「ネットは匿名」という日本人が今まで浸ってきたローカル・ルールから大きく逸脱する点が挙げられる。

だが、実名・顔出しは、個人的には「慣れ」の問題ではないかと感じている。

それよりもむしろ、問題は、Facebookの高機能さに、初心者の人々がなかなかついていけていないというのが問題ではないか、と感じることが多い。

 

 

アメリカでは50歳以下の人口の97%がFacebookユーザーだという統計を見た。

大げさではなく、欧米ではFacbookは完全にインフラなのだ。

だが、日本では、30代、40代でもネットに対する苦手意識を隠そうとしない人が多いと感じている。

 

 

グローバル化が加速しネットインフラがグローバル・スタンダードなFacebookやGoogle+に集約されるなか、日本人が情報でもガラパゴス化してしまうのではないかという危惧を持っている。

 

 

そんななか、Facebookを本気で使いこなしたいオトナのための素晴らしいガイドが登場した。

使い方のマニュアルを一歩超えた、完全に「活用」にフォーカスした中級本である。

その名は「ビジネスパーソンのためのFacebook活用術」。縦書きであるところにまず惚れた。

 

 

ビジネスパーソンのためのfacebook活用術 朝活からアフター5まで 

佐々木和宏 アスキー・メディアワークス 2011-07-28
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インフラなんだから一日中使い倒せ

 

 

本書の構成はユニークだ。

ビジネスパーソンの朝から夜まで、一日という時間軸を中心に、自宅、オフィス、外出先、そして夜の人との会合など、シーン別にFacebookの活用法を伝授してくれる。

この手の本はどうしても機能の説明が中心になりがちだが、SNSの中心はあくまでも「人間だ」という強いメッセージが伝わってきて気持ちがいい。

しかも、「時間がない時の活用法」や「いいね!をライフログ的に活用する」、「断りにくい友達申請への対処法」など、かなり現場として生々しく、そして実際すごく知りたい内容が網羅されている。

 

 

 

几帳面な人が多い日本人は、とかく情報が追い切れなくなると諦めてしまったり、一定以上の情報量になるとオーバーフローして規模を縮小してしまったりする。

だが、Facebookをきちんと活用すれば、それら押し寄せる情報をうまく「さばく」ことができるようになる。

インフラだからこそ、日々の生活に寄り添う形で活用したい。

 

 

 

プライベートもビジネスも、実名だから繋げられる時代

 

 

 

Facebookは原則として実名登録である。

実名登録に抵抗を感じ、Facebookへの登録をためらっている人も多いだろうし、僕の周りにはFacebookでもハンドル使用を続けている人もいる。

 

 

ハンドル使用の是非については一人ひとりの判断なので、僕は何も言うことはない。

ただ、終身雇用制が崩れ、フリーエージェントとして働く人も増えるとともに、副業禁止の規定がなくなり、堂々と副業できるようになったサラリーマンも多いだろう。

そのような人達にとって、仕事時間の「オン」、プライベート時間の「オフ」を明確に分け、行動を隠したりする必然性が、昔よりなくなってきていることは事実ではないだろうか。

 

 

 

 

そして、Facebookは、実名だからこそ、仕事でもプライベートでも使える、信頼性の高い人脈を構築できる、素晴らしいネットワーク網なのだ。

本書では、フリーランスのためのFacebook人脈術についてコーナーを設けて解説しているほか、Facebookを活用してのセルフ・ブランディングについても詳述している。

mixiやGREEとは一味違う活用ができる。それがFacebookの魅力なのだ。

 

 

 

夜のFacebook活用こそ、上級者の証

 

 

ネットで作った人脈が、リアルな仕事をもたらす。

ネットで知り合った異性と、お付き合いして、結婚に至る。

今では当たり前のことになった。特にこういったネットとリアルの融合には、実名登録のFacebookはとても有利だ。

 

 

 

 

本書では、実は皆が知りたいアフターファイブ、夜のFacebook活用術が充実しているのだ。

例えば、合コンの幹事になってしまった場合のFacebook活用法や、彼氏・彼女ゲット率をアップする方法など、今までのノウハウ本では語られてこなかった、でも実は皆が知りたい情報が満載だ。

合コン幹事としての下準備から出席率向上のコツ、そしてアフターケアの方法、さらには気に入った相手と近づいていくための工夫など、著者佐々木和宏氏のそちら方面のノウハウがすべて出し切られている。

 

 

まとめ

 

 

Facebookは世界に7.5億人以上のアクティブユーザーを持つ、巨大なSNSである。

なぜここまで大きく発展したかを考えると、世界的に進展するグローバル化に伴い、人々が自らをブランド化し、人脈を構築していく必然性が高まっているという時代の背景があるだろう。

 

 

ネット上で実名や顔写真を出すことに強い抵抗がある人もいるだろう。

その人達に、無理に「顔を出せ、実名を晒せ」と言うつもりは毛頭ない。各自が適切に判断すれば良い。

個人的にはネット上でのハンドルが一定以上の知名度を持てば、それはそれでOKなのではないかと思う。

いずれにしても、ネット上での人脈構築をビジネスに活かすのに、Facebookはとても強力だし有効なツールであることは間違いない。

 

 

だからこそ、「インターフェイスが分かりにくいから面倒」「どうやったらいいか分からない」という理由だけで、Facebookを使わずにいるのは、とてももったいないことだと思う。

トリセツ的本も世の中にたくさん出ているが、本書のような、徹底的に人間にフォーカスしたFacebook本を読むことで、今までよりも、さらに「インフラ」としてFacebookを使える人が多くなるのではないだろうか。

本当に楽しみな時代になってきたと実感している。

読んで損はない。オススメ!!

 

 

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