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鎌倉の海街に定住して3ヶ月半たって思うこと

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noteに有料の継続課金マガジンを持って1年半が経った。

個人的な想い、エッセイなどはnoteに書くことがすっかり習慣化されたが、その分本家のブログに現在進行形の想いやメッセージを書く回数がめっきり減ってしまった。

noteは有料媒体なので購読してくださっている方しか読めず、多くの人に届かないという問題もある。

なので、これからは少しずつ、本家ブログにも僕が思っていること、感じていることも書いていきたいと思っている。

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デュアルライフを終え鎌倉の海街に定住して3ヶ月半がたった

2019年7月29日と30日の2日間にかけて5拠点の引っ越しという荒技を潜り抜け、僕は麻布・六本木・鎌倉の多拠点生活を終え、鎌倉の海街に定住した。

今年は梅雨が延々と続き7月29日の引っ越しの日が、遅い梅雨明けの日だった。

あれから3ヶ月半。

一つの場所に住む、そして一人で暮らすことに徐々に慣れると同時に、消耗しきっていた心身もずいぶん復活して元気になってきた。

梅雨明けのタイミングで引っ越してまだ3ヶ月ちょっとなのに、もう暦は立冬を過ぎ、季節は晩秋から初冬へとコーナーを曲がり、今年も残すところあと一ヶ月半となった。

新居は海まで100メートルない。

徒歩1分で海に着く。

僕がいまこうして記事を書いているデスクの前の窓からも鎌倉の海がチラッとだけど見える。

ときどき僕はふざけて「地の果て」という言い方をするが、本当に僕の家の50メートル先が、地上の終わりで、そこからは海なのだ。

鎌倉には2016年10月からデュアルライフの拠点を持っていたわけで、暮らし始めてからは3年がたったわけだ。

でも、やはりデュアルライフで半分しかいないのと、住民票も移してしっかり定住するのでは、全然意識が違う。

3年やってみて思うけど、デュアルライフというか多拠点生活は、人間、特に日本人が土地の「氣」を吸収してエネルギーに変えるパワーを損なうライフスタイルな気がしている。

デュアルライフの3年間は、鎌倉という土地にひょこっと顔は出すけど根を張らず、ひょいといなくなっていた。

そして本人も「あくまでも本拠地は麻布だ」くらいに思っているのだから、鎌倉という土地からのエネルギーを本格的に享受することはできなかったのだろう。

それが定住をするとなると、わずか3ヶ月ちょっとでも、ずいぶん鎌倉の地と仲良くなれた気がするし、逆にいうと、東京との付き合い方が大きく変わったように感じている。

海街に住んで住む場所に対する意識が変わった

僕のいまの家は、JR鎌倉駅から徒歩20分のところにある、本当に海岸のすぐ近くの場所にある。

僕は50年の人生のうち40年を東京の麻布・六本木地区で生きてきたし、残りの10年もすべて東京都の中で暮らしてきた。

麻布・六本木地区は東京の中でも都心のど真ん中。

首都高速と地下鉄が張り巡らされる中で僕はずっと生きてきた。

それが、いまでは自宅から麻布まで、公共交通機関だけで移動すると、1時間半近くかかる。

これだけ都心から離れたのは人生で初めてのことで、僕にとってはとても新鮮だし、大きく意識が変わりつつあることを感じる。

鎌倉に住んでいると、その空と海の広さ、三方を山に囲まれているため山もすぐ近くにあるので、自然の豊かさを毎日感じながら生きることになる。

空の青さも、たった3ヶ月鎌倉に住んだだけで、東京に出たときに空の色が濁っていることに気づくようになった。

鎌倉駅前を除けば高い建物もなく、あってもせいぜい3階建て。

広い道もほとんどなく、海沿いの国道と駅前の若宮大路くらい。

車の数も人の数も圧倒的に少なくて、みんなのんびりと生きているし,スーツを着ている人を日中はほとんど見かけない(朝晩の通勤の時間帯は見かける)。

車も電車も人もビルも少ないので、騒音もほとんどなく、都会に住んでいたとき常に感じていた「ごーー」という低音のノイズも一切感じない生活だ。

自宅からすぐのところにある絶景カフェで沈む夕陽を眺めながら一日の仕事を終えるのは最高の瞬間だ。

毎日同じ景色を見ているのに、季節によって日によって、時間帯によって見せてくれる景色は毎回変わり、どれだけ眺めていても飽きることがない。

僕は今回鎌倉に引っ越してみて、この自然の豊かさといろんな意味のノイズの少ない環境は、何物にも変えがたい宝物のように感じるようになってきた。

今日も午後から東京に出るが、都心には用事があるときに行けば良くて、住むのは自然が豊かな場所がいい。

都心は便利で刺激的であることは間違いなく、僕も都心に40年住んできたからその良さも良く分かっている。

でも、しばらくは都心には住まなくてもいいかな、というのが今の気持ち。

住む環境については、今までも利便性とか間取りとか日当たり、それにあまり騒音がひどくないところ、ぐらいは考えてきたつもりだった。

でも、去年まで住んでいた六本木の家は、首都高3号線と都心環状線に挟まれたエリアで、しかも繁華街が近くて夜中でも人がたくさんいて、夜通し遊ぶ場所だった。

それに比べると鎌倉だと、夜の9時にはお店も閉まり、みんな寝てしまうから夜は真っ暗だ。

六本木に住んでいるときも、「早寝早起きで夜遊びしないのにここに住んでいてもあんまり意味ないな」と思ったこともあった。

自然が豊かで静かで、でもちゃんと文化があって、そして都心にもそこそこの時間で行ける場所。

それがいまの僕の家がある街だ。

住む場所に対する感覚が、この3ヶ月で大きく変わったことは間違いない。

南関東エリア全体を俯瞰できるように視野が広くなった

六本木は便利な街だった。

六本木ヒルズ、ミッドタウン、アークヒルズ、国立新美術館などがどんどんできて、そのたびに便利さが増していった。

美味しいお店からショッピングモールから映画館からライブハウス、美術館、何でも揃っている。

何でも徒歩か自転車圏内で用が足りてしまうのは、便利ではあるが、同時に人を「極端な出不精」にさせる。

とにかく地元から出なくなるのだ。

買い物でも食事でも、全部徒歩圏内、自転車圏内で済ませようとする。

麻布に住んでいるときは六本木すら「遠い」と思ったし、六本木に住んだら麻布十番は遠くて面倒くさいと感じ行かなくなった。

しかもいまは通販が盛んだから、地元で買えないものは通販で買えば良いし、食べ物だってちょっと離れたお店からならUberEatsで届けてもらえばいい。

実際僕はこの5年くらい、ほとんど麻布と六本木の外で食事しない生活を送っていた。

それが鎌倉に定住すると、すっかり価値観が変わる。

どう変わるかというと、視野がぐっと広くなった感覚だ。

先日僕は真鶴にランチをしに行った。

東京からだと真鶴までは2時間くらいかかる。小田原の先、熱海の手前だから、小旅行という感じだ。

でも、僕の家からだと真鶴までは1時間ちょっとだから、東京に出るのと変わらない。

そして、東京に出かけるときにしても、今までと違って「どこに行くにもどうせ遠い」のだ。

麻布だろうが新宿だろうが渋谷だろうが銀座だろうがどうせ遠いし、湘南新宿ラインと横須賀線があるから、西側も東側もかかる時間は変わらない。

東京の手前には横浜や川崎といった大都市もあるわけで、お店選びの基準が南関東全域ぐらいに広くなったのだ。

だから今週も会食は真鶴、日本橋茅場町、西麻布、鎌倉とばらけるし、近々行くお店は蒲田だったり浅草・三ノ輪だったり広尾だったり横浜中華街だったりする。

そのように視野がぐーっと広くなって楽しいのと、あとは都心に出る機会を厳選するようになったのも大きな変化だ。

さっき書いたとおり、東京まで片道1時間半、往復3時間 かかるのだ。

夜が遅くなると駅から最寄りまでのバスが少なく、タクシーは大行列になる。駅から歩くと20分で、合計2時間近く掛かる。

そうなってくると、全部のお誘いを受けているとかなり大変なことになるので、お誘いを厳選するようになる。

それは誘う方も、誘われる方もだ。

そして一つの用事のために行って帰るのはもったいないから、複数の予定をくっつけて効率化しようとする。

南関東エリア全体を俯瞰でき、しかも出かけるタイミングを厳選して、出かけたら複数の予定をくっつけて、徹底的に楽しむ。

この感覚が僕にはすごく性に合っていて楽しいし楽だ。

鎌倉駅から東京まで横須賀線で約1時間。

グリーン車だとこの1時間もがっつり仕事ができるので、移動時間は無駄にならないのもありがたい。

デュアルライフ時代は車で移動していたので、移動時間は運転以外できなかったのが、いまは移動時間は仕事時間に変わった。

まとめ

都心はちょっと離れた場所から俯瞰的に眺め、必要なときに楽しみに行く。

そして日常生活は海と太陽と空と山に囲まれた自然豊かな場所で、ゆったりと静かに過ごす。

これがいまの僕のライフスタイル。

今のところ、このライフスタイルはとても気に入っている。

毎日のように講座を開催して会食も毎晩みたいなときには無理だったけど、今は執筆がメインで講座は月に2〜3日なので、全然問題ない。

そして、この生活をしてみたら、もっと自然が豊かでもっとゆったりした場所にも住んでみたいという気持ちが芽生えている。

まだ引っ越して3ヶ月だから、すぐに移るつもりはないけど、次の引っ越しのタイミングでちょっと冒険してみようかと思っていたりもする。

風が強かったり砂や潮が飛んで自転車がサビサビになったりはするけど、海街の暮らしはとても豊かで気持ちが良い。

これからは冬晴れが続く時期。

さらに楽しんで生きようと思っている。

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