今の家で一人暮らしを始めて4年がたった。
生まれてから50歳になるまで、一度も一人暮らしをしたことがなかったので、始める当初は不安が大きかった。
26歳まで実家で暮らし、一人暮らしを始めたと思ったら当時付き合っていた恋人が転がり込んできて同棲となり、その相手とそのまま結婚。
1回目の離婚と同時に2回目の結婚相手と暮らし始めて離婚するまで同居していたから50年間ずっと家族がいる人生だった。
今振り返ると、若いころというか40歳ぐらいまでの僕は家族に依存していて、極端に孤独を怖れる人間だった。
夜の飲食店に一人で入るのが怖くてできなかった。
周囲は会社の同僚や家族連れ、カップルなどで賑わっているのに自分だけが一人なのが耐えられなかった。
ホテルの朝食会場や大浴場にも一人で行けなかった。自分だけが孤独だと感じて怖かったのだ。
だから離婚を機に一人暮らしを始めるときも、孤独はさぞかし怖くて寂しいだろうと怯えていたけれど、実際4年一人暮らしをやってみて思うことは、孤独は悪いものじゃない、ということ。
もともと僕は執筆の仕事をしている時間が長いから、その間はどうしたって一人になる必要がある。
多分物書きの仕事をしている人は、多少なりとも孤独には強い性質を持っているのではないかと思う。
一人暮らしの最大のメリットは、時間に対する制約がほぼ何もなくなること。
家族がいればどうしても「家族と時間を揃える」必要が色々な場面で出てくる。
食事、お風呂、外出、そして寝る時間などを調整しないといけない。
当然譲り合い、持ちつ持たれつなわけだけど、それらがストレスになる場合もある。
一人暮らしだとその制約が何もない。
特に僕のような完全自由業だと、24時間全部が自分の時間という日も出てくる。
個人コンサルやセミナーの仕事がない日、誰かと遊びに行く予定がない日がまさに100%自由時間の一日だ。
今日がまさにそういう自由な一日なわけだが、この自由度の高さは家族がいたら実現できないように思う。
何時に起きようが、何時まで仕事をしようが、何時に寝ようが自由な生活。
逆にいうと、人と一緒じゃないと寂しくて摩耗してしまうタイプの人にはこの生活は合わないだろう。
自由を謳歌できる人、孤独を楽しめる人じゃないと辛くなるのかもしれない。
僕は現段階(4年たった時点)では孤独な自由を謳歌していると思う。
もちろん家族や仲間、パートナーは大切だと思う。
でも4年ですっかり一人に慣れてしまい、誰かと同居する自分は今はちょっと想像できない。
それを思うと、50年間ずっと家族がいる生活をしてきたことが、何だかちょっと不思議な感じすらしている。
孤独な時間て、じっくりものを考えたり想いを馳せて感情や思考を言語化していくのに不可欠なんだと思う。
イヤでも自分と向き合う時間が圧倒的に長いから、自己客観視も進むことになる。
自分と向き合うのが辛い人は無理な生活かもしれない。
自分一人の時間がしっかりあって、その上で仲間や家族、パートナーとの楽しい時間が過ごせるのがベストかな、と最近特に思う。
孤独は悪いものじゃない。
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。