8. 安易に「居場所」を求めない
「安住の地」という言葉がある。
物理的にも、そして精神的にも、僕らは同じ場所にいることで安心する。
しかし、精神的な「安住」は、時として僕たちの成長の足枷になってしまう。
たとえば職場に派閥があったとしよう。
強い個性とリーダーシップを持った上司の下に入り、「僕はこの上司の派閥に属しています」という態度を明確にする。
短期的には、あなたの職場での居心地はとても良いだろう。
上司は仕事を優先的に与えてくれるかもしれないし、昇進にも目をかけてくれるだろう。
だが、それは安住と引き換えに、あなたが「人生の主役としての自分」を放棄したことを意味する。
だからこそ、安易に自分を安住させることなく、「個として生きて行くぞ」という独立宣言をする必要がある。
独立した個として自律的に働いていれば、上司が異動になっても慌てることはないし、自分自身で自律的に仕事をこなしていくことができる。
独立することに、最初は不安があるかもしれない。
裸で往来に放り出されたような気持ちになることもあるだろう。
でも、一度この「自由」を手に入れたら、あなたはきっと「二度と手放したくない」と感じるはずだ。
自由とはそれぐらい素晴らしいものなのだ。
9. ネガティブな感情に「居場所」を与えよう
真夜中にふと目覚め、心配事に心が押し潰されそうになり眠れなくなる。
「いつも朗らかに生きていたい」と願っても、自分が手に入れられないモノを、やすやすと手に入れる人を目の当たりにして、顔が引き攣るほど強い嫉妬を感じることもある。
「あの人を振り向かせたい」「あの人さえいなければ上手く行くのに」
考えずにいられないことがある。
ネガティブな感情が止めどなく湧いてくる時には、その想いを一度しっかりと顕在意識に引っ張り出してみよう。
紙に書き出してもいい、口にしてみてもいい。
感情にはカタチがない。潜在意識でモヤモヤしている想いは、そのままにすると、しつこくあなたの心に居座ってしまう。
ところがそのネガティブな感情をカタチにすると、今まで悩んでいたのが嘘のように、フワッと消えてしまうことが多い。
ネガティブな感情は、居場所を与えられると、霧散してしまうものなのだ。
感情の乱れをゼロにすることはできない。
でも、重要なのは、感情が乱れたままの状態を放置せず、いかに早く穏やかな状態を取り戻すかだ。
潜在意識にある悪いモノは表に出す。そして出てきたモノを削りとる。
これを繰り返すことで、心は徐々にポジティブに整っていくのだ。
10. そもそも、すべての人に好かれる生き方なんて、ない
僕たちは他人から嫌われること、批判されることを極度に恐れて生きている。
特にネット時代、ソーシャルの時代では、他人からテキストベースで攻撃されることもある。
常に誰かと繋がっていたい、そして皆から常に好かれていたい。
そう願う人が増えている。
しかし、そもそも、すべての人に好かれる生き方なんてものは存在しない。
極論を言えば、1%の権威ある人が「この人はダメだ」と言っただけで、99%の人がその発言を鵜呑みにしてしまうことだってあるのだ。
物事を鵜呑みにするすべての人に愛されようともがけば、必然的に自分を見失い、周囲をキョロキョロと見回すばかりの人になってしまうだろう。
僕が独立を決めた時に、応援してくれた人もいた反面、「絶対に失敗する」と言った人も少なからずいた。
やったことがないこと、試したことがないことを始めるのは不安だ。
そんな時に、否定的なことを、自分はやったこともない癖に言う人達を、僕は信用するのを止めた。
進むのは自分、自分が信じたことをするしかない。
その時、最初は応援してくれる人が少ないかもしれない。
でも、信じて応援してくれる人が少しでもいれば、その声を励みに進んでいくことができる。
応援してくれる人がたった一人、自分しかいなくても、自分の声援を頼りに進む。
自分の軸を作り、自分の声を信じて進めば、すべての人に好かれることなんて、重要ではなくなるのだ。
【次のページ 不安に押し潰されそうな真夜中のあなたを救う10の言葉 その11 & まとめ】
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。