怖い、苦しい、辛い、できるわけがない。
僕たちの心の中には、さまざまな「怖れ」が巣食っている。
怖れを手放せば、そこにワクワクが流れ込んでくる
その怖れは僕たちの過去と未来を接続することで生きている。
「あの時上手くできなかったから」という過去と、
「だから次回も上手くいかないに決まっている」という未来を接続して、
僕たちの怖れは生きている。
過去と未来の合間に揺れる僕たちは、「イマココ」にいない。
怖れに支配された僕たちは、過去と未来を往復して、イマココを空にしてしまう。
怖れには理屈がない。根拠がない。感情の波に飲み込まれてしまい、怖れに支配された僕たちは完全に無力になる。
できるわけがない。上手くいくわけがない。自分なんかには無理だ。早く逃げ出したい。このまま消えてなくなりたい。
僕たちはパニックになり血液が逆流し、自分を否定する言葉を呪いのように呟き続ける。
そして怖れに飲み込まれた僕たちは、絶対に本来持っている力をMAXで発揮することはできない。
なぜなら、僕たちは頑なに信じているからだ。
「上手くできるわけがない」と。
上手くできるわけがないと信じ込んでいる人は、上手くいっては困るのだ。
なぜなら、「上手くいかない」というのは、その人の世界観であり価値観になっている。
「いつも上手くいかないダメ男」という世界観・価値観、つまりキャラ設定をしている人が、ばんばん上手くいったら、キャラ設定がおかしくなってしまう。
「上手くいかないワールド」の住民は、怖れをベースに「上手くいかないワールド」を自分の中に作り上げ、わざわざ上手くいかないようにやってみたり、そもそも上手くいかないからと、やらなかったりして、上手くいかない世界を実現させていく。
そしてこう呟くのだ。「ほらみろ、やっぱり私がやったって、上手くなんかいかないのだから」
自分が上手くいかないことを証明することで、自分の世界観を成立させていく。
さらに言うと、怖れに支配されている僕たちの心は、過去と未来に飛んでしまっていて、「イマココ」にいない。
イマココにある問題、課題を解決するのに、肝心の自分の心がイマココにいない。
それでは問題に正面から取り組めるはずがない。
しかし、そんな「上手くいかないワールド」から脱出する方法がある。
それは、感情の波に飲み込まれることを拒否することだ。
感情の波がやってきたときに、「自己客観視」をする。
そのための魔法のキーワードは、「それって本当?」だ。
「私なんかに上手くできるわけがない」という波が来た時に、飲み込まれてしまう前に、「それって本当?」と問いかける。
今まで1回も上手くできたことがないのか?
絶対に上手くいかないと断言できるのか?
神に誓って上手くいかないと言い切れるのか?
自分に向かって問いかけよう。
自己客観視は、自分と感情の間にスペースを空ける訓練だ。
「怒りに飲み込まれる自分」ではなく、「自分の中に怒りの感情があることを感じる」のだ。
自分と怒りが分離していれば、飲み込まれることはない。
そして、その怒りの感情の製造元、出所を感じていくのだ。
感情の出所を感じるとはつまり、過去の「怖れ」の発生源を見つける、ということだ。
何十年も前の、自分の子供時代に感じた恐怖、怖れ、無力感。
そういった怖れがあなたの世界観に根付いていて、あなたの勇気を奪い取っていることに気づこう。
もしあなたが過去の怖れの発生源に辿り着いたなら、良く目を凝らして見るといい。
そこには、子供のころに、必死に頑張って怖いことから身を守ろうとしている、小さくてまだ力がないあなたが泣きながら独り闘っている。
その、小さくて無力で、でも頑張っている小さいころの自分に、いまのあなたが会いに行くのだ。
そして言ってあげよう。
「もう大丈夫だよ」
「いまの私は大人で強い。もう安心していいからね」と。
過去の自分の怖れを癒せるのは、いまの自分だけだ。
心の中で泣いている子供を癒して、抱きしめてあげよう。
過去の怖れが癒されれば、あなたはもう怖れの波に飲み込まれることはなくなっていく。
怖れがなくなると、その空いたスペースに、ワクワクが流れ込んでくる。
それが本来のあなたの無敵のエネルギーだ。
同じチャレンジでも、以前のあなたは「怖い」「できるわけがない」「どうせ無理」と感じてしまっていた。
それが、怖れがなくなると、「ドキドキする」「怖いけど楽しみ!」「絶対やり遂げたい!」と、心の底から感じるワクワクと躍動感に包まれるようになる。
「どうせ無理」と思って挑戦する人と、「絶対やり遂げられる!」と自分を信じている人。
どちらが強いかは、一目瞭然だろう。
怖れを手放して、そこにワクワクを流れ込ませる。
そのためには、感情に飲み込まれそうなときに、自分に問いかけよう。
「それって本当?」と。
自分と感情の間にスペースがあることを、「冷静になる」ともいう。
自分の未来を信じることができれば、自分の未来はどんどん変わっていく。
信じる者は救われる。
誰を?
自分を。
自分の未来を信じる力を持つ者は、強い。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。