衝撃とともに受け入れよう "ガラクタ捨てれば自分が見える −風水整理術入門 −" by カレン・キングストン(田村明子訳) [Book Review]

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カレン・キングストン氏著、「ガラクタ捨てれば自分が見える−風水整理術入門 −」を読了。

衝撃を受けた。すごく良いというか、本当のことであるにも関わらず、日ごろあまり直視されていない事実について書かれていて、目から鱗が落ちる思いであったとともに、これからはこの本で著者のキングストン氏が述べている方法を自分なりに応用して、「ガラクタ」をため込まない人生を歩んでいきたいと強く感じた。

人によって程度の違いはあると思うが、誰でも家の中に長い間着ていない洋服や他人から記念品としてもらった置物、昔の恋人と写した写真、亡くなった人の遺品などを抱えていると思う。

そういったもののうち大部分は持ち主に愛されることもなく、かといって捨てられることもなく、延々と家の片隅に置かれたまま放置されることになるわけだが、著者は勇気を持ってこれらの品を「ガラクタ」と呼んでいる。

著者の定義によると「ガラクタ」とは「使わないもの、好きでないもの」「整理されていない乱雑なもの」「狭いスペースに無理に押し込まれたもの」「未完成のもの、全て」となっている。

本書が画期的だと強く感じたのは、これらのガラクタを目にして暮らしているだけで、その人の運気が下がり、元気もなくなってしまうとズバリ指摘している点と、その理由に説得力がある点だ。

サブタイトルに「風水整理術」とある通り、本書の論理構造は風水を使っているのだが、僕は風水に関する知識がまったくない。だが、そんな僕でもこの本を読み進めるのにはまったく障害はなかったし、読了後に「風水に凝ってみようか」という気も起こらずに済んでいる。そういう意味で本書は「風水」とは切り離して、人間の生理的影響から見たガラクタ廃棄術という言い方をして良い本ではないかと思う。

家の中にイヤな思い出に結びついている家具があることを想定して欲しい。毎日あなたはその家具を見たり手に触れたりする度に、潜在的・顕在的にそのイヤな思い出を心によみがえらせてしまい、その度にちょっとずつ運気や元気が下がってしまうのだ。これは言われてみれば当たり前だが、言われるまで僕はそういう考え方をしたことがなく、とても衝撃を受けた。

また、いらないものがたくさん詰まっている家には、もうこれ以上新しいものを招き入れるスペースがないため、空気が停滞し、運気も悪くなるという主張もすごく納得である。

ここからさらに著者の主張は飛躍していくのだが、ガラクタを溜め込んで乱雑な家に住んでいる人には太っている人が多く、ダイエットをするならまず家の中からガラクタを駆逐せよと述べている。多少乱暴な気もするが、これも大筋で正しいと思う。

僕自身この二年で22キロのダイエットに成功しているが、単に運動したから痩せたというものではなく、自分の身辺についての大掃除が伴わなかったら、恐らくこれだけの減量には成功できなかっただろうと思う。

物質的なガラクタの処分について一通り述べた後、本書はさらに話を進め、「身体」、「心」、「魂」をキレイにすることへと進んでいく。身体については、腸に溜まった便を排出して健康になろうという話やファスティングのことについて触れており、心の浄化については感情コントロールから始まり不要な人間関係の整理へと進み、最終的には自らの魂の浄化こそが本書の目的であると締めくくっている。

ガラクタを処分して自分の生活を気に入ったものだけにするという作業は実はとても奥が深く、そして我々の人生にとって非常に重要なものであると気づかされたという意味で、あまりにも重要な一冊であった。僕自身使い続けているが好きではないものや、もらったため捨てられず置きっぱなしになっているものに囲まれて生きている。

そういった「ガラクタ」を捨て去り、自分の生活、そして人生をシンプルなものにしていくことは、一定の期間人生を旅してきた我々にはとても重要なことだと、真剣に思う。

お薦め。

 

ガラクタ捨てれば自分が見える

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このページは、ttachiが2009年12月 8日 12:44に書いたブログ記事です。

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