書評

「覚悟」と「準備」で手に入れよう! 書評「7つの制約にしばられない生き方」 by 本田直之

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毎日会社に行かなくちゃ。スーツで出勤しなくちゃ。満員電車に乗らなくちゃ。上司の言うことに従わなくちゃ。

僕らの人生には多くの制約がある。だが、制約のない人生は、手に入らないものなのだろうか?

「時間、場所、人、お金、働き方、服装、思考」

僕らはこのような制約を受けて生きている。

もし制約がなかったら?

想像したことがあるだろうか。

もしあなたが明日からお金に困らず、いつ起きていつ寝ても良く、どんな格好で仕事をしても良いとしたら、あなたの人生はどう変化するだろう。

本書「7つの制約にしばられない生き方」は、僕ら普通の人々が、制約から解き放たれた人生を勝ち取るために必要なことをアドバイスしてくれる、凄い本だ。

 

 

7つの制約にしばられない生き方 

本田 直之 大和書房 2011-04-23
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by ヨメレバ

 

 

 

常識を疑え!

 

 

そもそも僕らが当たり前のように受け入れている社会の常識とは何なのだろうか。

本書で本田直之氏はその常識を疑え、と説いている。

「朝になったら満員電車に乗って通勤する」

「大学3年生になったらスーツを着て就職活動をする」

「30歳までには結婚する」

「結婚したら30年ローンを組んで郊外にマンションを買う」

これらの「常識」は、常識であると同時に僕らを縛る「制約」でもある。

 

 

以前の日本であれば、「制約」に縛られる代償として、終身雇用や右肩上がりの給与という「ご褒美」が貰えた。

ぎゅうぎゅうの電車で通勤することが苦痛であっても、毎年給料は上がり、景気も良く、30年ローンで家を買っても物価上昇によって借金は目減りする計算ができた。

だが、そのような「ご褒美」はとっくの昔になくなってしまった。

それなのに僕たちは「制約」の部分だけを大事に抱え込み、「常識」だと思い込んでいるのではないか?

制約のない人生を手に入れるためには、まずは「制約がなかったら自分はどんな人生を送りたいか」をイメージすることから始めよう。

 

 

準備とは覚悟であり、覚悟とは準備である

 

 

「制約のない人生を生きたい!」

そう願って、明日急に会社を辞めてしまったとしたら、あなたは本当に制約のない人生を送れるだろうか。

答えはNoだ。生活を維持する収入を得る方策についての戦略なしに会社を辞めてしまえば、逆にお金に縛られて制約の多い人生を送ることになる。

もしあなたが本気で制約のない人生を手に入れたいと願うなら、そこに必要なものが二つある。

それは「覚悟」と「準備」である。

 

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覚悟

 

制約が多い人生とは、逆に「他人に守られている人生」である。

例え終身雇用は崩壊していても、明日クビになることはない。次のボーナスも出るだろう。二日酔いの日は多少さぼっても大丈夫。

だが、制約がない人生とは、自分ですべての責任を追う人生である。

自由な服装で仕事をしたいと思っても、取引先が「こんな格好をしてくるヤツは信用できない」と考え、仕事ができない可能性もある。

自由な服装で生きるという自由を獲得する代償として、その自由を容認しない人がいることを「覚悟」するのだ。

もちろん金銭に関する「覚悟」も必要だ。安定収入がない世界に脚を踏み入れるのだから、「3年くらいは儲からなくても仕方がない」という覚悟も持っていなければならない。

実際にTシャツとジーンズ、それにダウンジャケットという服装に長髪というスタイルで仕事をしてきた本田氏の説く覚悟をしっかりと刻み込んで欲しい。

 

準備

 

そしてもう一つ必要なのは「準備」だ。

準備にはさまざまなものがある。

精神的なもの。スキル・能力的なもの。本当に様々だ。

例えば就業時刻もなくタイムカードもないフリーの身には、自分の時間管理を徹底する「タイム・マネジメント力」が必要だ。

また、急に収入が減ってしまった時にも対応できるよう「右肩下がりの生活プラン」を導入しておく必要もある。

さらには、自分や自分の仕事をどのように売込むのかを考える「営業力」も必要だ。

その際には直接的に宣伝をするような方法ではなく、「パーソナル・ブランディング」によりいかに相手から仕事を頼まれるようになるか、が肝心になってくる。

組織から飛び出し1人になった時にも生きていける準備をしておけば、勇気を持って行動に移ることができるようになる。

本書では「素直力」、「ドリフト力」など、18のポイントにフォーカスし、僕らに必要なスキルを説明してくれる。

 

 

まとめ

 

 

制約のない人生。素晴らしい言葉の響きだが、そこには常に「安定収入がなくなる」「社会的信用がない」などのネガティブな側面がある。

だが、企業の日本型経営の限界が露呈し組織の寿命が短くなるなかで、日本人の働き方、生き方は大きな転換点を迎えている。

制約のない人生が幸せな人生とは限らない。

冒頭に書いたとおり、制約がないと堕落してしまう人もいる。人それぞれ働きやすい環境は異なる。

だが、もしあなたが制約のない生き方を本気で目指したいと思うなら、いま、あなたには時代という強い追い風が吹いている。

まずはイメージすることから始めてみてはどうだろう。

 

追記:

本書「7つの制約にしばられない生き方」を読んで僕が作成したレバレッジ・メモをFacebookページで公開しました。

 

レバレッジ・メモ 「7つの制約にしばられない生き方」 by 本田直之 | No Second Life Facebookページ

 

 

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2011年の63冊目の書評としてお送りしました。

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