書評

人を知り自分を知ろう 書評「イチローともジャイアンとも初対面ですぐに仲良くなれる本」 by 山口拓朗

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人が100人いれば個性も100通り。

もちろんそれは真実だが、ある程度人の性格をパターン化して分類することはできる。

 

 

なんのためにそんなことをするのか?

それは、誰とでも仲良くなるため。人付き合いの苦手意識を持たなくて済むようにするため。

 

 

あなたにも経験がないだろうか?

初対面で会ったばかりなのに、「どうもこの人苦手だなあ」と感じることが。

「どうしてこの人と話しているといらいらするのだろう」と戸惑うことが。

 

 

プライベートならまだしも、仕事でそのような「苦手」な人と接触しなければならないとき、あなたならどうする?

そんな困った事態を防いでくれるのが、本書「イチローともジャイアンとも初対面ですぐに仲良くなれる本」だ。

 

 

イチローともジャイアンとも初対面ですぐに仲良くなれる本 

山口拓朗 こう書房 2011-02-04
売り上げランキング : 148267

by ヨメレバ

 

 

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パターン化すれば怖くない

 

 

多くの人が初対面の出会いを恐れるのは、相手がいったいどんな人なのか予測できないからだろう。

会ってみないと分からない。どう対応して良いか分からない。

 

 

本書では、「性格プロファイル」という分類法を用いて、人の性格をパターン化している。

パターン化することによって、「何がなんだか分からない」という状態を避ける。

 

 

それと同時に、各プロファイルごとの基本情報(どんな性格なのか)、言動の特徴(どきような行動にでるか)、NG情報(どのようなことをすると相手が困ったり感情を害したりするか)を網羅する。

 

 

これらの情報によって、僕らは目の前にいる人に対しどういう対応を取れば良いかもパターン化できるのだ。

原則をパターン化できれば、細かい部分の応用ができればOKなので、ぐっと対応しやすくなるはずだ。

 

 

 

人の性格は3つに大別、12に分類

 

 

 

本書では、人間の性格をまず3つに大別し、それぞれを4分類、合計12のプロファイルに分類している。

 

積極会話派

  • 盛り上げタイプ
  • 大阪おばちゃんタイプ
  • 自信家タイプ
  • お山の大将タイプ

 

消極会話派

  • ねちねちタイプ
  • サムライタイプ
  • 日和見タイプ
  • 人見知りタイプ

 

バランス会話派

  • 番組司会者タイプ
  • 仏様タイプ
  • 切れ者タイプ
  • 天然タイプ

 

それぞれのタイプについて詳細な説明が加えられているので、詳しくは本書を読んでいただきたいのだが、一つだけ例を挙げる。

「大阪おばちゃんタイプ」だ。

 

 

大阪おばちゃんタイプは、一度しゃべり始めたら止まらない。

この大阪おばちゃんタイプを、著者山口氏はこのように分析している。

 

 

「彼らには、誰にでも気軽に声をかけられるという得意技があり、初対面のシチュエーションもほとんど苦にしません。

それどころか、初対面の相手にも積極的に雑談をしかけて、十年来の友人のような気さくさで接することができるのです。

ただし「じっくりよく考えてから話す」ことは苦手。そのため、大阪おばちゃんタイプの話は、しばしば脱線・ダッチロールすることがあります。

会話の主導権をなかなか相手に渡さないために、会話のキャッチボールが成立しにくいという弱点もあります。

初対面で大阪おばちゃんタイプと会話を弾ませるには、あらかじめそうした特性や弱点を把握しておいたほうがいいでしょう。

 

実に的確で的を射た解説だ。

こんな「大阪おばちゃんタイプ」の速射砲に見舞われた時、僕たちはどう対処したら良いだろうか?

気になる人は、是非本書を読んでみていただきたい。

 

 

 

共感はしなくても理解はしよう

 

 

 

他人を12のプロファイルに当てはめ、それぞれの特性や強み、弱点を把握する。

それによって何がもたらされるか。それは自分の心の余裕である。

 

 

見ず知らずの初対面の人が、だいたいどんな人かが分かることによって、パターンの中にはめ込み情報を整理できる。

それによって相手の話を聞くゆとりが生まれ、その話から会話を弾ませることも可能となる。

 

 

本書の中で著者山口氏は「共感はしなくても理解はしよう」と述べている。

すべての人と友達になることはできないし、する必要もない。

 

 

だが、自分とは違う価値観の人、異なる主義・主張の人が存在し、彼らなりに一生懸命生きているのだということを、理解する。

これができるようになることこそ、本書の目的なのではないだろうか。

 

 

 

まとめ

 

 

 

人と人が出会うことは、素晴らしいことなのに、不安を感じるのは何故だろう。

それはきっと、人間の自己防衛本能が無意識に働いてしまうからではないだろうか。

 

 

この人は自分に危害を加えることはないのか?

この人と一緒にいて、大丈夫なのか?

 

 

最初に出会った瞬間から、人は相手を値踏みしていく。

それは僕ら生物にとって、当たり前で仕方がないことだと思う。

 

 

だが、その自己防衛本能が強く働きすぎた結果、せっかくの出会いを有効に使えなかったりしては勿体ない。

著者山口氏も昔はひどい人見知りで、その人見知りを克服した経験が、本書では随所に活かされている。

 

 

12のパターンを憶えて、初対面を得意技に変えてしまおう。

もう初対面は怖くない!

 

 

イチローともジャイアンとも初対面ですぐに仲良くなれる本 

山口拓朗 こう書房 2011-02-04
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