時間は一定であるはずなのに、どう考えても伸びたり縮んだりしているように感じるのは何故だろう。
やりたいことが多すぎる
快調な日はバンバン飛ばして仕事ができるのに、調子が出ない日は気分どんより、ぼんやりしているとあっという間に時間は過ぎていく。
やらなきゃならないことは山積みなのに手が出ず、余計なことばかりして一日が過ぎていく。
そんな経験はないだろうか。僕は結構良くある(汗)。
僕は3月末までサラリーマンだったのだが独立して、4月からフリーとなった。
フリーになると組織としての縛りがなくなり、24時間が全部自分の時間となる。
組織で仕事をしている方から見ると「一日24時間自由なんていいなあ」ということになると思う。
だがこれが結構管理が大変なのだ。気合いを入れてだらけようと思えば24時間だらけ続けることができる。
平日の昼から飲んだくれてぐーぐー寝ていても誰も注意してくれない。ただ自分がどんどん追い込まれていくだけだ。
仕事をしないという自由がある代わりにお金も入ってこなくなる。やりたいことだけをやっていても良い代わりに、誰も仕事の声を掛けてくれなくなる。
もちろんそんなことでは困るので、自分で自分の管理をする。
ところがこれがなかなか難しい。
仕事でも趣味でも、やるべきこと、やりたいことというのは無尽蔵にある。
ところが時間は有限だ。やりたいことを全部やることは到底できない。
たとえば僕は人生で一番好きなことの一つとして「ブログを書く」ということがある。
時間が許すのであれば1日中ブログを書いていたい。
ネタは100以上ストックがあるし、腕が折れたら音声認識で書いてやるぐらいの勢いはあるのだが、残念ながら時間は有限でブログだけを書いているわけにはいかない。
「あれもやりたい」「これもやらなきゃ」
「この本も読まなきゃ」「この情報はしっかり仕入れておこう」
「打ち合わせまでに資料を作らなきゃ」「来週末締め切りの原稿は何千文字だっけ?」
あれもこれもと詰め込んでいるうちに、僕らはアップアップになっている。満タンなのだ、これ以上入らないのだ。
21世紀は情報化の時代で、とにかくむやみに情報は飛び込んでくる。
すべての情報を自分のものにすることはできないのだ。蛇口から出続ける水を小さなコップでずっと受け取り続けることができないように。
アップアップのままで仕事をすれば当然ストレスが溜まる。
判断ミスも増えるし気持ちも重い。身体のキレだって悪くなる。
だからこそ、僕らは敢えてやるべきことを限定するべきなのだ。
僕自身ここのところ情報に翻弄されてリズムを崩していたので、この本「情報ダイエット仕事術」を読んで劇的に「効いた」。
頭がスッキリして、自分がやるべきことがよーく分かった。
あなたがもし仕事や情報に翻弄されていると感じるならば、今すぐ手に取ってみて欲しい。これは名著だ。
情報ダイエット仕事術堀 E. 正岳 大和書房 2008-12-20 売り上げランキング : 180235
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ぐじゃぐじゃ頭に劇的に効く「たった1つの習慣」
僕自身Twitterで最近良くぼやいていたのだが、どうも時間管理が気持ち良くなかった。
やらなきゃならないことが多すぎて、どれも中途半端になってしまっていたのだ。
だが、目の前に山積みになっている「やりたいこと」「やるべきこと」が多すぎて、どこから手を着けていいか分からなくなっていたのだ。
そんな僕に、この本の著者堀さんが冒頭で提示してくれたのが、この「たった1つの習慣」だ。
堀さんがアメリカで博士論文の追い込みに入っていたときのことが書いてある。
雑用に追われまとまった時間が取れずにいるうち、どんどん不安が募り、「このままでは書けないのではないか」と焦るようになる。
堀さんは一旦すべての仕事術や成功術を忘れ、「たった一つの習慣」から再スタートすることにした。
「たった一つの習慣」とは以下の取り組みだ。
一日に1つだけ、自分との約束を決める
この約束は、絶対にクリアできるくらいに簡単にする
そのかわり、その約束だけはけっして破らない
これを3日間だけ続ける
この取り組みを3日続け、その後さらに3日続けたところ、堀さんの不安は安堵へと変わり、身も心も軽くなったことを感じたという。
この「たった一つの習慣」で心が落ち着いたところで、改めて具体的な行動計画を立て始めたという。
僕自身早速この「たった一つの習慣」を試してみた。
今までの僕はかなり細かく一日の計画を立て、時間ログアプリで実績を取っていたのだが、一旦全部止めてみた。
そして「とにかく早起きしてランニング」。この原点に戻った。
ここがクリアできれば、あとはもう何もしなくても良い。
それぐらいの気持ちで3日早起きとランニングを最優先にして一日をすごした。
すると、今まで重かった心がふっと軽くなり余裕が生れ、それが自信に変わるのだ。
「自分は自分との約束を守れる人間なんだ」という自己肯定感が自分を責めていた自分を許し、前向きになれる。
そうして僕はやっと安堵のため息をついた。
「三振ルール」で失敗は管理できる
僕の場合は「早起き」と「ランニング」で復活できたわけだが、設定した「たった一つの習慣」がうまく行かない場合もある。
そんな場合は「三振ルール」が効く。
堀さんの例では「洋書を1日5ページ読む」という「たった一つの習慣」を決めたが、うまく続けることができなかったとする。
決めた習慣が難しすぎるとき、またはやる気になれないような習慣だったとき、僕らはうまく続けることができない。
もしあなたが自分との約束を1回守れなかったら、それで1ストライク。
3回破ってしまったらそれで3ストライク、三振だ。
三振してしまう「習慣」は、設定自体に無理がある。
だから習慣自体を見直すなり、やり方を変えるなり、量を減らすなりの修正が必要だと判断する。
効果がない方法にしがみついていては時間の無駄だし、「自分は自分との約束すら守れないダメ人間だ」という敗北感が強くなる。
自分に合わないと感じたら、どんどん他の方法を試し、スランプから脱出しよう。
理想の一日を求めよ
「今日は仕事も捗ったし趣味にも没頭し、家族とも時間を使えた良い一日だったなあ」
誰にでもそんな経験があると思う。
あなたにとっての「理想の一日」はどんなものかを思い描き、書き出してみよう。
朝は何時に起きるか。仕事からは何時に帰ってくるのか。睡眠時間は何時間なのか。
24時間を大きく3つに分類するのがコツだ。
「必需時間」は睡眠や入浴、食事など、毎日欠かすことができない時間だ。
「拘束時間」は仕事や家事に費やす時間。
「自由時間」は家族とのリラックスタイム、趣味や自己投資の時間だ。
24時間の「理想の一日テンプレート」を作ったら、そのテンプレートを意識しつつ生活をしつつ、実態がどうだったかのログを一週間ほど取ってみよう。
理想と現実のギャップに気づくはずだ。
「思ったより仕事が終わる時間が遅い」とか「これでは睡眠が足りない」などだ。
「理想の一日」と「現実」を比較して、テンプレートをある程度現実的なものにモデレートする。
そして完成したテンプレートを、日々実践すべく意識して生活をするのだ。
もちろん夜に飲み会が入ったり、急な残業で夜遅くなるなど、予定どおりに行かない日も多々あるのは当然のことだ。
ただ、「こういう一日を過ごすと調子が良い」というお手本が常にあれば、人間は自然とそのお手本に寄り添うようになる。
また、リズムが崩れた時にも、「どこが悪くてリズムが崩れているのか」を簡単に把握し、元の状態に戻りやすくしてくれる。
僕らは往々にして、ごく原則的な「寝不足」「食べ過ぎ」「過労」といった身体の乱れによって心のバランス、仕事のリズムを大きく崩していることが多いのだ。
だからこそ、「お手本となる一日」を作っておくことで、どこが問題なのかを把握しやすくしてくれるのだ。
まとめ
1+1は2であり、2に1を足せば3になる。
一度習慣になったことを続けていくのはさほど難しいことではない。
でも、新しいことをゼロから始めることや、崩れてしまった習慣を取り戻すことは簡単ではない。
まったくランニングをしたことがない人が最初に走り出すこと。
堀さんは「初期摩擦」と呼んでいる。ここが一番大変なのは、仕事でも運動でも学習でも一緒だ。
一日をタスクでぎゅうぎゅうに詰め込んだ状態では、もう新しいことを始める余裕は持てない。
だからこそ、生活や情報を削り取り、ダイエットをしていく必要があるのだ。
本当にやりたいことは何なのか。
最優先で取り組むべきタスクはどれか?
この仕事は惰性でずっとやっているが限りなく無意味ではないか?
このルーティンは自分ではなく後輩に割り振るべきではないか?
常に考えて、自分がもっとも心地良い状態に自分を置くように「仕組み」を作ろう。
アップアップだった自分がみるみる蘇るのは、とても心地良いし自信にも繋がるだろう。
「ライフハッカーここにあり!」と言うべき素晴らしい一冊だった。
繰り返し読み返したい名著。オススメ!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。