全然予想していないタイミングで驚きのニュースが飛び込んできた。Macの次期OSのメジャー・リリース発表だ。
現状の最新版Mac OS X 10.7 Lionのリリースからまだ7ヶ月というのに、すでに次期OSの発表とは驚いた。
しかも搭載される新機能は、あとから登場したiOSの機能をMacに追加搭載していくという形が多く、まさに「融合」というイメージだ。
今年の夏に登場するという、Mountain Lionのメジャー新機能10を簡単に紹介しよう。
1. iCloud完全対応
昨年登場したiCloudだが、現状はまだまだ発展途上というイメージだ。
iWork書類などはMacからはiCloudを直接保存先に選べないので、DropboxやSugarSyncのようには使えていない。
OS X 10.8 Mountain LionではMacアプリからiCloudへの書類保存が直接できるようになるという。
これは大いに期待。他社製アプリもアプリ側で対応すればiCloudへの直接保存ができるようになる。
2. メッセージ
iOS 5で登場したメッセージ機能iMessage。相手のメールアドレスか電話番号が分かれば、無料かつ無制限にメッセージのやりとりが気軽に行なえ、画像や動画も添付でき、グループ共有も可能。
現在この機能はiOSのみに搭載されていて、Macでは利用できないのだが、Mac側のiChatがiOSのiMessageに統合される形で実現するという。
この機能の実現により、「デスクの前にいるけれどiPhoneでフリック入力」という手間がなくなる。
また、MacとiPhone、iPadの間でMessageが引き継がれるので、自宅のMacで相手に送り、返事はiPhoneで受信という流れが実現する。
素晴らしい統合だ。
3. リマインダー
こちらもiOS 5で登場した新機能、リマインダーがMacにも搭載され、同期できるようになるというもの。
僕は現状リマインダーは利用していないのだが、シームレスに統合されるなら是非使ってみたい機能だ。
自宅のMacでタスクを登録してiPhone側で外出時に確認、といった使い方が期待されるわけで、Toodledoとの同期なんかできたら素敵だなーと思う次第。
4. ノート
ノートに関してもiOSアプリのノートをクラウド同期にしてMacでも対応できるようになる。
現状さまざまなサードパーティーのノートアプリが出ていて、Dropboxなどでの同期対応しているが、純正ノートがiCloud対応でフル同期取れるようになると、勢力図はどのように変化するだろうか?
5. 通知センター
こちらもiOSですでに実装済みの通知センターがMacに搭載されるというもの。
全画面ではなく、右側に新着の通知が出るようだ。
現状MacdはGrowlという通知アプリがこの機能を提供しているが、純正が対応するとどうなるのだろうか?
6. 共有シート
こちらもiOS搭載機能。
Webをブラウズしている時に、その情報をメールやTwitterで共有できるようになる。
現状はさまざまなプラグインやブックマークレットなどで対応している機能が標準搭載となる。
どのアプリでどのようなことができるのか、楽しみだ。
7. Twitter連携
iOSでは既に実装済みのTwitterとの公式連携がMacにも実装される。
iPhoneではOSレベルでのTwitter連携が行われた恩恵で、素早くツイートできたりアカウントを切り替えたりすることができるようになっている。
これがMacにも実装される。楽しみな機能だ。
8. Game Center
こちらもiOSには既に搭載されているゲーム情報共有機能だ。
他のユーザーを探したり、お互いのゲームの得点を競ったりすることができる。
僕はゲームをやらないのだが、思わぬ進化が僕の生活をも変えるかもしれない?
楽しみだ。
9. AirPlay Mirroring
こちらはまったくの新機能。
Macの画面をテレビやプロジェクターにそのまま共有できるようになる。
中継機器として、Apple TVを利用するとのこと。
WiFi経由でMacからApple TVに画面を無線転送し、しかも解像度や画面の大きさなどは自動調整してくれるという。
家庭でテレビなどにMacの画面を映すこともあるだろうが、個人的にはセミナーなどのイベントでの画面共有に大いに期待だ。
解像度の設定が面倒だったり、変換アダプタを忘れて大慌てで家電店に走ったりという経験があるからだ。
これは大いに期待できる新機能だ。
10. GateKeeper
この機能は今までの9つとはちょっと毛色が違う。
このGateKeeperは、Macにインストールするアプリを、どこからインストールできるようにするかを設定する機能だ。
iOSにアプリをインストールするには、App Storeを経由しなくてはならない。
つまりAppleが「安全」と確認したアプリしかインストールできないのだ。
これはウィルスやマルウェア対策として非常に効果的だ。
一方Macにはもともとはこのような仕組みがなく、後発でMac App Storeが登場したが、ユーザーは現状自由にWebサイトやCD-ROMなどを経由してアプリをインストールすることができる。
だが、自由にインストールできるとういことは、その分危険なアプリを知らずにインストールしてしまう危険性も伴っている。
そこで、Mountain Lionでは、ユーザーがあらかじめアプリをどこからインストールできるようにするかを3段階で設定できるようになる。
もっとも安全なのは、Mac App Store経由でしかアプリをインストールできなくするという設定。
そして二番目の設定として、Mac App Store経由か、もしくはApple認定開発者が配布・販売するアプリしかインストールできないというもの。
そして最後に、自己責任ですべてのアプリをインストール可能とする、という選択肢が用意されている。
まとめ
見ていただいてお分かりのとおり、今回のアップデートは後発のiOSがMac OSを追い抜いて実装した新機能の数々を、Macが追い掛けて実装し、結果として融合される、という形を取っている機能が多い。
それだけiOSの進化が激しいということだ。
アップデート内容を見ていて、「ここにこの機能が欲しかった」と感じる部分が補われていることが多く、今年夏のリリースが待ち遠しい。
個人的にはiCloudが現状かなり中途半端な状態になってしまっているように感じているので、次期OSでの進化と、アプリ側の対応に期待したい。
特にiPhotoのフォトストリームは、もうちょっとうまく動くようになって欲しいと願っている。
夏までにApple製品はどんな進化を遂げているだろうか。
iPad 3の噂もある。当然iOSもさらに進化していくだろう。
今年のAppleの動向に、ますます目が離せない!
Mountain Lionの新機能について詳細記事は、ASCII.jpに掲載されていますので、気になる方は参照してみてはどうでしょうか。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。