人生は一度きりだ。間違いない。
このブログのタイトルNo Second Lifeも、まさにその想いを込めてつけた。
人生は一度きりだ。
一度きりの人生だが、必ずしも誰もが思い通りに生きられているわけではない。
むしろ、思うに任せず、という人が多いのが現実ではないだろうか。
しかし、現代社会、特にここ5年ほどのブロードバンド・インターネットとクラウド・コンピューティングの世界的普及で、僕らを覆っていた「限界」は、取り払われつつある。
ネットに接続できてノートPCさえあれば、世界中どこにいても仕事ができる。
そんな生き方にリアリティーが出てきたのだ。
僕自身も、まさにそんな生活をしている人間の一人だ。
僕自身の生き方については、拙著「ノマドワーカーという生き方」に詳しく書いたので、興味がある方はご一読いただければ幸い。
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そして、アメリカから、元祖ノマドと言うべき人物が書いた本が届いた。
クリス・ギレボーという人物が書いた「常識からはみ出す生き方」という本だ。
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クリス・ギレボー氏は、世界を旅する、まさに「ハイパーノマド」だ。国連全加盟国を旅するというプロジェクトを遂行中で、あと10カ国で完遂だというから、そのスケールの大きさが分かる。
そんなギレボー氏のデビュー作「常識からはみ出す生き方」から、同じノマドワーカーとして僕が特に共感したポイントをエッセンスとして10のリストにまとめてみた。
さっそくいってみよう。
「普通の人生」から一歩踏み出したい人に送る10のルール
1. 人の期待通りに生きるのをやめよう
従来の価値観では、僕らは「人と同じ」であること、つまり常識的であることが「良いこと」だと教えられてきた。
良い大学に進み、大きな会社に入り、そして出世する。
だが、そういう生き方はもはや機能しなくなりつつあることを知ろう。
他人、特に年長者があなたに寄せる期待の言葉は、すでに幻想となった、「かつてあった理想」を語っているにすぎない。
人の期待する人生を生きる必要はまったくない。
だが、ここで勘違いしないで欲しいのは、著者は「デタラメに、適当に生きろ」と言っているのではない、ということだ。
新しいアイデアに心を開き、現状に満足せず、自分で責任を持つ覚悟をしたうえで、よい仕事に出会ってとにかく一生懸命働け。
ギレボー氏はそう説いている。
他人の基準で自分の生き方を決めるのではない。
自分で自分の人生を生きるのだ。
2. 自分の人生の「ライフプラン」を作ろう
自分の人生を生きるために必要なもの、それは何を置いても「計画」だ。
自分のライフプランを立てること。僕も拙著「ノマドワーカーという生き方」で5年後の自分を計画することを提唱しているが、ギレボー氏もまさに同じことを説いている。
死ぬまでにやっておきたいことを書き出す「ライフリスト」を作成しよう。
リストは期限別に作成する。「一生」「5年後」「1年後」という具合だ。
また、リストはカテゴリー別にすると分かりやすい。
「執筆活動」「健康」「ビジネス」「友人」「家族」「奉仕活動」「旅」「収入」「寄付」といった具合だ。
作成したリストは定期的に見直していこう。
たとえば「1年後の目標」リストに入っていた項目が一つ達成されたら、空いた分を「5年後の目標」リストから移動させれば良い。
そして「一生の目標」リストも年に一度見直し、死ぬまでにやりたいと思っていることをすべてあげておくと良い。
大きな目標を掲げておくと、面白いことに当初の予定よりずっと早く達成できるものだ。
是非ライフプランを立てて欲しい。
3. 「不安の壁」をぶち破ろう
他人と同じ人生を歩んでいると不安は少ない。隣に同じことをしている人がいるから安心なのだ。
常識からはみ出し、自分だけの人生を歩む人には、いつも不安や恐怖がつきまとう。
僕もそうだったが、会社を辞めて独立し「ブロガー」になろうという段階では、毎日が怖くて仕方がなかった。
だが、ある日から「怖いのが当たり前だ」と開き直るようになった。
この本でも、ギレボー氏は不安になるのが当たり前と説いている。
だからこそ「不安の壁」をぶち破るのだ。
変化を起こすことに対する恐怖に打ち勝つ人は、変化しなかった時の「静かな絶望」を理解している人だ。
変化しないことの絶望が、変化を起こすことの不安に打ち勝つようにすれば良い。
そのためには、まずはすべての不安を紙に書き出してみよう。
我々の恐怖心は、多くの場合合理的ではなく、漠然として曖昧な負のイメージが増幅されて発生する。
紙に書き出すことで、不安の正体が具体化する。そこに不安があることを認識するだけで、不安の多くは解消してしまうものだ。
正しく不安を認識したうえで、一つ一つに対して最悪の事態とその対処法を想定すれば良い。
あとは「突破するぞ」という気合いを込めて、次のステージへと駆け登ろう。
どんな偉大な人も最初は不安だったのだ。負けずに進もう。
4. ルールを変えて「普通」に立ち向かおう
人と違う生き方をしようとすると、必ず「常識」などを振りかざし、あなたに反対する人間が出てくる。
そしてそういう人物が身内であったり、身近にいたりすると、思わぬストレスを感じることになるので要注意だ。
彼ら常識人は、「他の人が皆そうしているのだから従え」と他者との同調を求めてくる。
または、「我慢」「忍耐」「服従」といった、受身であることの美学を説いてくる場合もある。
いずれにしても、これら一般常識を振りかざしてあなたのやろうとすることに反対する人物と正面からぶつかってはいけない。
まずは、あなたに異を唱えている人物は、あなたが考慮すべきレベルの人間かどうかを見定めよう。
あなたが組織の中にいて、組織を改革したり仕事のやり方を変えようしているような場合には、対立ではなくルールの変更が有効だ。
そもそものルールを変えてしまうことで、相手との対立軸をなくしてしまうことができるからだ。
あなたの新しいやり方を認めない人は、多くの場合保守的な「門番」だ。
門番を相手に本気で闘う意味はない。するりとかわして先に進む賢さも身につけよう。
5. 行動することで人生をコントロールしよう
新しいことを始めるには常にリスクが伴う。
リスクをコントロールする最大の防御は「行動すること」だ。
自分のスケジュールを誰かに握られてしまう最大の理由は、あなたがスケジュールを確定していないからだ。
先手を打ち自分のスケジュールをずっと先まで決めてしまうことで、他人はあなたのことをコントロールできなくなる。
難しい交渉や、うまく軌道に乗らないビジネスでも、主導権を手放さないためのコツは、常に行動し続けて相手に先行することだ。
もうダメだと思われるような絶望的な状況からでも、必ず復活できる。そうギレボー氏は書いている。
そして、もしあなたが選択したアクションが「逃げる」だった場合も、ただ「逃げる」だけではダメだ。
「どこに」逃げるのか。きちんと脱出する先を設定してアクションすることが大切だ。
6. 「小さな友軍」を味方につけよう
インターネットの登場と、ここ数年のソーシャル・メディアの爆発的普及が僕らの生き方を大きく変えた。
ここで言う「小さな友軍」とは、SNSで繋がった人々のことを指す。
TwitterやFacebook、それにブログのRSSで繋がった人々は、「遠く、そして緩く」あなたと繋がっている。
だが、この「小さな友軍」が、ソーシャル時代には強い強い味方となる。
彼らが直接あなたから商品やサービスを買ってくれることもあるかもしれないが、友軍の助けはそれだけではない。
あなたの存在を、友達の友達へと拡散してくれる。
あなたのことを自分のブログやフィードに書いてくれる。
そう言ったソーシャル上の小さな支援を積極的にお願いしよう。
現代では、これらの「小さな友軍」をいかにたくさん味方に持つかが、あなたの力を何倍にもレバレッジさせてくれるのだ。
7. 「モノ」より「経験」にお金を使おう
いつの時代もお金は大切だ。ないよりも絶対にあった方が良い。
ただ、独創的なライフプランニングをするのに、お金のことばかりを考えるのは詰まらない。
そこで必要になるのはメリハリだ。
本当に価値を感じるものには躊躇せずにお金を使う。
価値を感じないものには極力お金は使わない。
そしてもう一つ、モノよりも経験にお金を使うように意識しよう。
高級車や時計など、物質的な豊かさが成功を象徴した時代はもう終わった。
もちろんお気に入りのモノを買って大切に使うことを否定するのではない。
ただ、必要以上にモノを買い漁りズラズラと並べるような「富」は、もう時代遅れだと知ろう。
これからは、自分の行きたい場所、やってみたいことといった「経験」に対してお金を使う。
生活をシンプルにして行くことで、人生が豊かになるのだ。
8. いらないものを断って豊かになろう
全世界的に、「豊かさ」の価値観が大きく変化しつつある。
物質的にも生活的にも「もの」が多いことは、もはや豊かな人生を象徴しなくなった。
それは不要なガラクタが詰め込まれた家という、物質的な側面にとどまらない。
たとえば意味のない定例会議。これも「いらないもの」の典型だ。
また、「毎日届く山のような不要なE-Mail」。これも「いらないもの」だ。
さらには「愚痴ばかりで発展性がないのに毎週繰り返される部内の飲み会」などもその一つ。
望まない義務、ルーティンなどを洗い出し、きっぱりと断つ勇気を持とう。
その結果あなたに対して不快に感じる人が出たり、あつれきが生まれる場合もあるだろう。
だが、不本意なモノやルールに振り回されてクタクタになる日々は、あなたに何も与えてくれないのだ。
いらないものを断つ生活こそ、「豊かな生活」なのだ。
9. 世界を体験できる「ノマド」を目指そう
著者ギレボー氏は、世界を旅しながら仕事をする「ハイパー・ノマド」の実践者だ。
多くの日本人にとって、いきなり海外を放浪しながら仕事をするという生活はイメージできないだろう。
だが、それでも敢えてギレボー氏はノマドを目指そうと言っている。
それは、新しく選択が可能になった生き方だからだ、と僕は解釈している。
従来であれば、莫大な資産を持った人間しか実践できなかった海外を放浪する生活。
なぜなら、放浪している間は僕らは仕事をすることができず、したがって余裕資金がある人しか実現できなかったからだ。
だが、今は僕らには高性能のノートPCと世界に張り巡らされたブロードバンド・インターネット網がある。
この二つがあれば、Skypeで電話もできるしクラウドを経由してデータのやり取りもできる。
オンライン・バンキングで資金の移動もできるし、株や為替の取引もできる。
そして世界を巡ることで、僕らの視野は圧倒的に広くなり、そして知識は深みを増す。
多様な価値観の中でマイノリティーとして生活することで、世界の成り立ちを知ることができる。
20年前には夢物語だったような人生を、ごく普通の人間でも実践できるようになった。
ついに人類が手に入れた「ノマド」という生き方を、実践してみてはどうだろうか。
10. 自分が生きた「証し」を残そう
これからの人生には、自分自身の「ミッションステートメント」が必要だ。
僕の本「ノマドワーカーという生き方」で、僕はそのように書いた。
そしてこの本の著者クリス・ギレボー氏は、それを「レガシー」(生きた証し)という言葉で表現している。
自分らしく、常識にとらわれず生きるからには、その生きる目的が明確になっていることが必要だ。
そしてその生きた結果が「レガシー」というわけだ。
これから死ぬまでの自分の人生で、どれだけ多くの「生きた証し」を残せるかを考えよう。
日々の仕事は、偉大な仕事ばかりではない。
面倒な書類仕事もあれば、頼まれて断れなかった不本意な仕事もあるだろう。
だからこそ、日々の仕事で、どれだけ多くの時間をレガシーな仕事に向けられるかが勝負だ。
そのためには、過去の栄光にしがみついてはいけない。
生きた証しというと振り返ることに主眼がありそうだが、それは正反対だ。
結果を検証することで明日をさらに素晴らしくしていくことが大切なのだ。
自分の人生を「生き方証し」で埋め尽くせるように、最善を尽そう。
人生は思っているよりも、ずっと短い。
まとめ
いまは人間の生き方、働き方の価値観が大きく変化している時期だ。
過渡期だからこそ、さまざまな新しい生き方や価値観が提示される。
この本「常識からはみ出す生き方」も、まさに新しいライフスタイルを提唱する本だ。
従来の土地や会社に縛られる生き方から早々に脱却し、世界中を放浪しながら仕事をするスタイルは、野心的で刺激的に見える。
だが、そこには常に「自己責任思考」が求められ、「恐怖を突破する力」も必要とされている。
また、行き当たりばったりではなく、自分の「ライフプラン」を設計し、自らの「生きた証し」を追求することも大切だ。
「ノマド」 = 「自由」というイメージが強いと思う。
確かに僕も含めてノマドで生活している人は「他人からの束縛」からは自由で、これを謳歌する日々は本当に素晴らしい。
だが、その代わり、僕らは自分で自分の人生に責任を負い、自分をコントロールする日々を送っている。
その人生は、完全な自由と引き換えに、完全な責任なのである。
だから、「ノマドは楽しくていいよ」と軽々しく言うつもりはない。
企業に雇われているからこそできる仕事も多いし、安定は何よりも大切なものの一つだということも事実だ。
だが、もし今の生き方が「自分本来の生き方ではない」と感じているのなら、会社から離れ、ギレボー氏や僕のような生き方を始めることも、「可能な時代」がやってきたことも、紛れもない事実だ。
今までの常識を取っ払い、新しい自分を見つけたい方は、是非一読してみて欲しい一冊。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。