書評

結婚を後悔しない50のリスト 〜 結婚とは「無限のベクトル合わせ」である

書評
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「結婚を後悔しない50のリスト」という本を読んだのでご紹介しよう。

人生は一度きり。2度目の人生はない。No Second Life。

後悔のない人生を生きたいと誰しもが思うだろう。

だが、後悔のない人生を生き抜くことはとても難しい。

そしてその中でも、特に難易度が高いのが、「後悔のない結婚」ではないだろうか。

そういう僕自身バツイチの身である。一度目の結婚については、後悔がないといえば嘘になる。

そして僕同様、結婚に関する後悔は、世の中の多くの人が抱えている問題でもある。

結婚は一人ではできない。赤の他人同士が同じ家に住み家族となり人生を共有するだけに、問題は深刻だ。

一度きりの人生を大きく左右する結婚を成功させたい。

そんな方にぴったりの本を読んだ。「ビジネスパーソンのための結婚を後悔しない50のリスト」という本だ。

これから結婚する若い世代の人も、いま結婚生活に問題を抱えている人も、そして結婚に失敗してしまった人も参考にできる、先人達のアドバイスがつまっている。

さっそく紹介しよう。

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結婚を後悔しない50のリスト 〜 結婚とは「無限のベクトル合わせ」である

男女の思考回路の違いを認識しよう

「結婚は技術である」

この本の帯に大きく書かれている。これが著者大塚さんが1万人から聞き取った結婚に対する究極の答えである。

では、結婚を成功させるには、どんな技術が必要なのだろうか。

本書では、それぞれのシーンや世代ごとに、50の先人の後悔がリストアップされている。

それらを熟読して思うこと。それは、夫婦が、男女の思考回路の違いをあらかじめ認識できているかどうかで、夫婦関係がうまく行くかどうかの確率は大きく変化するということだ。

例えば男女の「会話の目的の違い」を著者は挙げている。

男性、つまり夫は、会話の目的に「問題の解決」や「結論」を求める。

だが、女性は会話の目的に「コミュニケーション」を求める。

つまり、女性は「聞いて欲しいから話している」のに、男性は「だからなんなんだ?」や「結論から先に言ってくれないか?」という対応をしてしまい、会話が険悪になったりするのである。

逆に男性が嫌がるものとして、「指摘と依頼」があると著者は分析している。

「これちょっとやってくれない?」や「その癖止めたほうがいいよ」という、妻からの何気ない一言が、夫の機嫌を大きく損なうことがある(僕自身にも経験があるので良く分かる)。

男性と女性では思考パターンが違い、されたり言われた時に強く拒絶反応が出る部位が異なる。

そのことを理解しておくだけで、あらかじめお互いの地雷を避けて通ることができるようになる。

男女では考え方や好みが違って当たり前。だからこそお互いが嫌がることはしない。

その理解が夫婦長続きの第一歩なのだ。

結婚とは無限のベクトル合わせだ

この本を読んでいると何度も何度も繰り返し登場するフレーズがある。

それが「結婚とは無限のベクトル合わせだ」というもの。

つまり、思考回路や方向性が違う二人の男女は放っておいてうまく行くものではない、ということ。

方向性が違ったらそれを素早く修正する。ずれたベクトルを合わせる。それを繰り返すことが夫婦円満の秘訣だというのだ。

そしてベクトルを合わせる、ずれを修正するためには、夫婦間の情報共有、つまり会話がとても重要なのだ。

「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」「いただきます」

単純で些細と思われる挨拶がきちんとできていない夫婦は、もっと大切な、そして大きな人生に関する相談や決断を相手に伝えられず、その結果として相手に対する信頼感を損ない、不仲になっていく。

相手が理解できない行動を取る時には、相手を責めるのではなく、なぜ相手はそうしたいのかを知る努力をする。

「これ、どうしたらいいのかな」という問い掛けをして、問題を共有して解決する。

そしてその修正は、短いピッチですり合わせることが大切だ。

日頃の些細な問題か解決できていない状態で、「独立起業」や「親の面倒」などの大きな問題を冷静かつ効果的に話し合うことは難しい。

無限のベクトル合わせの技術を習得すれば、僕らの結婚が上手く行く確率は大きく上がる。

旦那は妻が育てるもの

前述したとおり、夫は妻から指摘されたり依頼されることを嫌う傾向が強い。

だが、そのままでは妻として納得できない状態が放置されることになる。

「家事を全然やらない」「トイレの使い方が汚い」「家族旅行に連れて行くと約束ばかりして実行しない」など、夫に対する不満が募っているケースが多いという。

そんな時に妻はどうすればいいのか。

夫婦間を上手くリードしている女性の言葉は「旦那は妻が育てるもの」だという。

「ちょっとは手伝って」と言えばへそを曲げる男性も、心の中では「手伝わないとマズイよなあ」という負い目を感じている。

そんな時、妻は夫に「依頼する」のではなく、夫が興味を持ち、自然に家事に加われるように、巻き込むのが良い。

例としては、料理をしている時に所在なげに夫がやってきたら、「手伝って」というのではなく、自分がいまやっている料理を説明する。

「鶏肉はこうして皮をはがしてから焼くのよ」というように。

夫が興味を示したら、「ちょっとやってみる?」と、相手の主体性に委ねる形で試させる。

そういう小さな「共有」「巻き込み」をキッカケに、まったく料理ができなかった夫が、いまや何でも作れるようになったりする。

相手を巻き込む「肯定力」を活かして、生来単純な男性をコントロールすれば、夫婦の関係はぐっと良くなるのである。

まとめ

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夫婦が歩む道のりは長い。

そしてそこに起こる問題は、夫婦だけのものではなく、親や姑、それに義兄弟、さらに自分たちの子供も関係してくる。

価値観、金銭感覚、趣味趣向の違い。セックスレスの問題。二人に起こる問題には枚挙にいとまがない。

壊れてしまった夫婦関係の共通点は、会話がないこと、そして非を相手に押し付けていることだ。

「自分は会社で必死に働いているんだから、妻が家事を全部するのが当たり前だ」

「夫は平日は仕事ばかり、休みの日はゴルフ三昧なんだから、私の実家の近くに住むのが当然の権利」

そのような一方的な自己正当化と思い込み、そして会話の不在が、夫婦の亀裂を決定的なものにし、破綻へと進ませてしまう。

結婚とは無限のベクトル合わせの連続である。

肝に命じたい大切な言葉だ。

この本には、シーン別、テーマ別の「結婚に関する後悔」と、うまく問題を乗り切れた先人のアドバイスがぎっしり50詰め込まれている。

生来の結婚に不安を感じている人も、いま結婚生活があまり上手く行っていない人も、そして結婚に失敗して、次こそはと願う人も、一読して損はないだろう。

ロマンチックさはないが、とても実用的。まさにビジネスパーソンのための結婚本と言えるだろう。

面白かったし勉強になった。

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