「金もうけ」と「自己啓発」。
一見すると、正反対のイメージを持つ言葉ではないだろうか。
昔から「金もうけは汚い」「清貧」といった考え方が日本にはあり、21世紀のこの時代になってもまだまだ根強い。
でも、この2つの言葉は本当に矛盾するのだろうか?
本当は、「お金を稼ぐこと」と「自己啓発」は、一心同体なのではないか?
そんな疑問を持つ僕らにぴったりの本がこちら、田口智隆さんの「お金を稼ぐ人が30代でやったこと やめたこと」だ。
お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」田口 智隆 三笠書房 2012-11-22 売り上げランキング : 3475
|
著者田口さんご自身の経験をふんだんに盛り込んだ、まさにお金を稼ぐ人になるための自己の律し方、自己啓発書である。
田口さんの本には、お金もうけ本特有の胡散臭さがなく、清々としているのが特徴だが、本書はまさにいかに自分を律するかという点に特化した、素敵な本に仕上がっている。
早速紹介しよう。
20代の延長線上では収入は上がらない
世の中にはお金持ちになれる人となれない人がいる。
田口さんは多くのお金の稼ぎ方セミナーを開催されているが、そこで何千人という参加者に触れ、30代の過ごし方がとても大切だと力説している。
そして、その根本的な考え方は、一言でいえば「何が何でも『その他大勢』から抜け出せ」ということになる。
僕にも経験があるが、「その他大勢」の人は、深く考えず周囲の言動に流されてしまうことが多い。
たとえば「僕はそこまでしてお金持ちにならなくてもいいな」や「そこそこでいい」などという、「お金は悪い」という発想。
でもお金がないと困るのは明らかで、毎月お金が足りなくてヒーヒー言っていたりする。
本当にお金持ちになりたいなら、それら「その他大勢」の人たちの群れから脱出する覚悟と勇気と決断が必要だ。
そうすれば思考が変わり、行動が変わる。
「お金持ちになる日を決める」「お金に対する偏見を捨てる」「成功者を『特別な人間と思わない』」など、「その他大勢」から脱却するための具体的なアドバイスがこの本には満載だ。
何となく空気を読んで周囲と同じ考え方のままで人生を歩み、流され続け30代を貧乏なまま終えたいのか。それとも周囲の人たちとは異なる人生を歩むと決断し、自らの道を一歩ずつ上っていくのか。
あなたの決断にすべては委ねられている。
いずれにしても、もしいまあなたが「自分が望むほどのお金持ちではない」と感じているなら、まずは思考を変えない限り、ある日突然お金持ちになることはできない。
今の延長線ではダメなのだ。
思考を変えよう。
習慣だけが「金持ち体質」を作る
「人間は習慣の塊である」。
僕の大好きな言葉だ。座右の銘に近いかもしれない。
不健康な生活をしている人が、一日だけランニングをしても、急に健康になるわけではない。
肥満体の人が、思いついて一日だけ食事を抜いても、翌日から元の食生活に戻れば、決して痩せることはない。
成功する人は、習慣が持っている破壊力の物凄さを知っている。
だから、人が見ていない地味な場所で、ひたすらコツコツ、コツコツと一歩努力する。
ダメな人はすぐに「分かっちゃいるんだけど」と言葉に出して言ってしまう人だ。
その一言を免罪符にして、努力することを怠っている間は「金持ち体質」に変化することはできない。
金持ち体質の習慣は、決してお金に直接関係することばかりではない。いや、むしろお金とは一見関係がないように思えることの方が多い。
「スケジュールを埋め尽さない」「身体が資本が絶対条件」「読書量を増やす」などは、直接お金とは関係なさそうだが、間違いなく自分を高めてくれる大切な習慣だ。
田口さんが書かれているとおり、「続ける技術」を身につけることがとても大切だ。
1日うまく継続できなかったからと、すぐに放り出すのではなく、すぐにその翌日からまたコツコツ努力を復活する。
そして3大NGワード「でも」「だって」「どうせ」は永久追放し、自分で自分を諦めることを許さない。
30代こそ習慣力を徹底的に鍛える期間だ。
この本を参考に、是非真剣に、目の色を変えて取組んで欲しい。
徹底的に結果にこだわれ
お金を稼ぐ人は「努力」ではなく「結果」に徹底的にこだわる。
日本の企業は従来「努力」や「プロセス」を重視し、結果にこだわる姿勢を示してこなかった。
「徹夜で頑張ったんだから、プレゼンの結果仕事は他社に流れたが、良くやった」というような褒め方だ。
だが、この考え方では、お金持ちになれないことは言うまでもない。
仕事は他社に流れ売上は上がらず、しかも担当した本人は失敗したのに上司に褒められたので「こんなもんでいいか」と考えてしまい、成長を止めてしまう。
仕事はプロセスや努力ではなく、結果にこだわるべきだ。
そして最高の生産性を発揮したうえで、最後の最後まで粘り、ベストの結果を出すのだ。
そのためのノウハウがこの本にはたくさん詰まっている。
具体的には、「仕事は最後の1秒まで粘る」「プレッシャーをいかす」「最初の仕事は効率を無視する」などだ。
是非どん欲に自らの仕事に採り入れ、結果を出し続けて欲しい。
人間関係があなたの「稼ぐ力」を決める
僕自身にも経験があるのだが、多くの人は、嫌だなと思う人間関係を、消極的に続けてしまう。
会社の部門内の、愚痴ばかりの飲み会に参加し続けたことが僕にもある。
同じメンバーで週に2回も3回も飲み行き、結局はその場にいない上司や取引先の悪口だ。
そのような場にいる必要はないと感じつつも、「皆が行くから何となく」参加してしまうのだ。
だが、もしあなたが本当に「その他大勢」から本気で脱出したいのなら、このくだらない「群れ」からは一秒も早く脱出しなくてはいけない。
心配しなくてもいい。あなたが抜けても、愚痴しか言わない人たちは、あなた抜きでも愚痴を言い続けるし、あなたが抜けたことすら気づかないかもしれない。
あなたがそばにいるべき人物は、「自分よりすこしだけ凄い人」だ。
あなたが目標するべき人物と話しをすれば、自分に何が欠けているかを知るヒントになる。
そして「数年先の自分をライバル」に設定するのだ。
見えないライバルを追いかけて、自分を磨く習慣を身に付けて欲しい。
この本には「二次会には行かない」「聞く力を身につける」「嫌なヤツは相手にしない」など、「その他大勢」から抜け出すための方法が書かれている。
是非人間関係を磨き、お金が流れてくる存在になって欲しい。
まとめ
人によって経済的な環境は異なる。
親から多額の資産を相続したような、恵まれた環境の人もいるだろう。
逆に、親の経営する会社が破綻して借金を肩代わり、というようなケースもあるだろう。
出発点は人それぞれだし、成功の基準も一概には言えないだろう。
しかし、一歩を踏み出さなければ、あなたの経済状況と人生に大きな変化は起きないだろう。
そして一歩を踏み出すなら、正しい方向に踏み出して欲しい。
田口さんのこの本には、具体的な投資先や利回り、株やFXなどのことは一切書かれていない。
この本は、冒頭に書いたとおり、お金を稼ぐ人になるための自己啓発書であり、自己実現への指南書だ。
この本には「読書量を増やせ」と書いてある。
この本には「アンテナを張り巡らせ」と書いてある。
それを是非実践し、より具体的な「お金を稼ぐ自分になるための、個別投資情報」や「仕事がバリバリできる人になるための実戦的パソコンノウハウ」などを学ぶ「習慣」を身につけて欲しい。
ノウハウや技術も大切だが、最後は「どうしてもやり抜く」という気合いも大切だ。
このエントリーや田口さんのご本を読んで気合いが入ったら、是非「思考」と「行動」を変えて欲しい。
思考を変えれば習慣が変わる。
一緒に頑張りましょう!(^-^)
お金を稼ぐ人が30代で「やったこと」「やめたこと」田口 智隆 三笠書房 2012-11-22 売り上げランキング : 3475
|
関連エントリー:
- 絶対身につけたい! 「なぜかお金が貯まる人」の 10の小さな良い習慣
- 即実行! なぜかお金が貯まる人が「朝」にしている 10 の習慣 / 書評「お金を生み出す “朝30分” の習慣」 by 田口智隆
- 超夜更かしだった僕が朝型人間になるために実行した大切なこと10
- どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 書評 「フォーカル・ポイント」 by ブライアン・トレーシー
- 乱れた心を整えるために僕が実践している10の大切な習慣
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。