僕が住んでいる元麻布から麻布十番一帯には、たくさんの美味しいレストランがある。
近くに住んでいると、つい「いつでも行けるから」と油断してしまい、全然行かないうちに時間がたってしまうものだ。
それではもったいない。
あと、最近もう一つ感じていることは、奥さんと食事に行く機会を増やしたいということ。
僕は社交性が高い人間なので、あちこちに会食に出かける機会が多い。
でも、奥さんは僕と違って学者肌の人間なので、あまり外に食事に行ったりする機会がない。
せっかく麻布に二人で住んでいるのに、なかなか二人で食事に行く機会がないのはもったいない。
というわけで、二つの「もったいない」を解消すべく、奥さんと定期的に食事をする機会を儲けた。
日程を決めてお店を予約したりするのを忘れないよう、定例タスクとしてOmniFocusにも設定した(笑)。
場所は麻布にはこだわらないが、近くの良いお店は積極的に開拓したい、というのがコンセプト。
今回は家のご近所にある、とても評判の良いフランス料理屋さん、「オルタシア」に行ってきた。
さっそく紹介しよう。
麻布十番 オルタシア — 本格フレンチの食材と技を堪能し尽くす!!
やってきました、オルタシア。
地図を見て「どこだろう?」と思っていたのだが、ビルの地下だった。
フランス料理屋さんが地下にあるってちょっと不思議な気がしたが、実は全然不思議ではなかった。
銀座のマキシムもレカンも地下だし、何もおかしなことはない。
僕の先入観の問題のようだ。
おしゃれなビルの地下1階に下りていく。地下はお寿司屋さんとオルタシアがテナントとして入っているようだ。
こちらが入口。窓がなくてまたちょっと意外に感じる。
重厚な感じ?なのかな?なんとなくレストランというよりBarをイメージした。
席につく。
お店は細長く、壁側はベンチシートになっている。奥に個室があるようだ。
照明はかなり暗めだが、ダウンライトでテーブルの上は明るく照らされている。
予想していたより、全体的に重厚な作りのお店だった。
食前酒にグラスでシャンパンをいただく。シャンパンはゾエミ・ド・スーザ。
スーザは初めて飲んだ銘柄だったが、重厚でドライ。
キリッとした味わいは、初夏のこの時期に良く合う。
テーブルの真ん中に最初から置かれていたのはバター(笑)。
クリームと一緒にホイップしてあったようで、かなり軽くふんわり仕上がっていた。
お料理がスタート。
オルタシアのディナーは2種類のプリフィックス・コースになる。
8,800円のMon Plaisirと、15,800円のMenu Gourmandだ。
それぞれ、前菜とメインから4皿を自由に選べる。
前菜2、メイン2と指定されていないので、前菜4種類とか、メイン4種類という、突飛なこともできるのだろう。
もちろん我々はそんなことはしなかった(笑)。
夫婦で協議の結果、価格ではなく食べたいものを食べようということで、奥さんはMon Plaisirを、僕はMenu Gourmandをチョイス。
上の写真は最初の一皿、アミューズ・ド・ブッシュ。
一番右がトウモロコシの冷製スープ。
濃厚でガツンと来る。美味しいなあ。
真ん中はトマトのソルベ。
ほのかな酸味がとても爽やか。
こちらはウニと茄子の前菜。こちらも濃厚でインパクトがあった。
自家製のパンが登場。ホッカホカのフワフワで、どんどん食べてしまった。
シャンパンに続いては、Rameyのシャルドネ。
ラベルがピンボケ。すみません(^_^;)。
こちらRameyのシャルドネ。カリフォルニアの白だ。力強くてキリッとしている。
前菜。ちなみに僕が注文したMenu Gourmandの食材は、築地市場を通さず、直接生産者から仕入れているものばかりとのこと。
凄いね。
ちなにみこちらは、姫島村直送 天然車海老のミキュイ クリスティヤンとビスク風スープ 根セロリムース添え。
車海老の上にベールのようにクリスティヤンが載っている。ご本尊は見えない(笑)。
根セロリのムース。かなり力強いセロリの風味が味わえる。
車海老登場。こちらも力強い風味だ。
中央のビスク風スープも、これでもか、というくらいの強いエビのエキスが詰まっている。
見た目よりもずっと力強い、海と大地の味わいがする1品。
続いての一皿はとっても祝祭的。
宇佐市直送 ぼたん鱧のカダイフフリット 鱧パンケーキ添え 島オクラのマリネ 待ってたトマトと梅のクーリ。
オルタシアのシェフ古賀氏は大分出身とのことで、直送食材の多くは大分から取り寄せているとのこと。
カメラのアングルを低くすると、鱧のフリットの下に、鱧のパンケーキが台座として隠れているのが分かる。
鱧といえば梅ソースということで、フリットを周囲にちりばめられた野菜と一緒に梅ソースにつけて食す。
フリットの衣にもちょっと強めに味がついていて、複雑かつ奥行きのあるハーモニーになっている。
ただ、根っからの鱧好きの僕としては、鱧はシンプルに湯引きして食べるのが一番かな、と思ってしまったのも事実。
魚の前にワインを赤に変更。
まずは軽めのピノノワールから。オレゴンのピノノワール。初めて飲んだ。
フルーティーで華やか。これは素敵だ。
続いては魚を一皿。
佐賀関の一本釣りいさきのポワレ 大分産ムール貝とインカの目覚め スープ仕立て。
いさきの身がフワフワで、皮目はパリッと仕上がり最高のポワレ。
緑色のスープの中に、ムール貝とジャガイモ(インカの目覚め)が入っている。
このスープがジェノベーゼ風というか、香草をすり下ろしたようなペーストっぽい風味で旨い。
焼き立てのパンをスープに浸すのも良い。
そしてお肉料理の前に、ナパバレーのカベルネ・ソーヴィニヨンをいただく。
これは深みがあって、でもフルーティーさも残していて、とっても美味しかった。
今度家でも買ってみよう。
そしてメインディッシュ登場!想像していた姿と違うぞ(笑)。
こちらは、ワカヌイ仔羊とフォワグラとトリュフのクレピネット サマートリュフとポルトコニャックソース マリアカラス見立て。
本体はこの中央の丸い俵上のかたまり。
こちらがワカヌイ仔羊とフォワグラとトリュフのクレピネットになる。
クレピネットというのは、豚などの網脂、クレピーヌで包んだ料理のこと。
仔羊でフォアグラとトリュフを包み込んだ形で供されていて、ナイフを入れるとジューシーな肉汁がどっとあふれ出てくる。
仔羊とフォアグラの組み合わせも抜群で、下の窪みのところにあるしっかり強く甘味もあるポルトコニャックソースに絡めるのも良い。
深みもあって旨みも文句ない一皿であった。
こちらのコースはデザートが二段階になっている。
最近こういうスタイルのお店が増えているような気がするな。
最初のデザートは宮崎マンゴーのマリネと塩のソルベ。
「塩のソルベ?」と思ったが、軽くミルクの風味が豊かで、そこに塩味があるとマンゴーの風味も引き立つ。
これも予想以上に美味しかった。
そしてメインのデザート。選んだのはこちら。桃のコンポートとソルベ ココナッツのブラマンジェ
冷製グラタン仕立て。
これがめっちゃくちゃ美味しかった!
全部桃!なにからなにまで桃!という感じ。
グラタン仕立てになって封じ込められているのだが、中にはたっぷりの桃のコンポート、そして同じく桃のソルベもたーっぷり!
この美味しさは見た目からは分からないのではないだろうか。
素晴らしく美味しい一皿。本日のNo.1はデザートだった。大満足。
普段は夜はコーヒーは控えるのだが、たまにはということでエスプレッソをダブルで。
香ばしくて苦味があまりない、上品なエスプレッソだった。
まとめ
奥さんとツーショット。
楽しく美味しい時間だった。
お料理、ワインともに素晴らしく充実していて大満足だった。
個人的にはメインの仔羊とフォアグラ、そしてなんといってもデザートが非常に美味しかった。
とても水準の高い、素敵な時間だった。
個人的にここはちょっと、と感じた点も敢えて書いておこう。といってもほとんど趣味の問題なのだが。
僕はお店の照明はもうちょっと明るい方が好き。
あと、お料理全体のスタイルが、かなり「お仕事系」なのが、ちょっと好みと違う。
僕はもうちょっと素材の形がそのまま見えるスタイルの、シンプルで伸び伸びしたお料理スタイルが好きかも。
ただ、フレンチ自体がお仕事系的要素が強い料理スタイルなので、これはあくまでも僕の好みである。
お料理もワインも、十分すぎるほど素晴らしかった。
あと、接客はかなりカジュアル。
フレンドリーで親しみが持てたので、僕は気にならなかったが、奥さんはちょっとその点が素人っぽく感じたそうだ。
奥さんが頼んだコースも素晴らしかったようで、滅多に料理の写真を撮らない奥さんが何枚か写真を撮ってFacebookにもシェアしていた。
喜んでもらえてなによりだ。
おなかいっぱいで幸せな気持ちになった。
麻布十番フレンチ、オルタシア。オススメです♪
お店情報
新フランス料理用語辞典 日仏料理協会 白水社 2009-12 売り上げランキング : 227251
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いちばんやさしい フランス料理 音羽 和紀 成美堂出版 2008-02-12 売り上げランキング : 11404
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。