僕はいまでは掃除が得意だが、子供のころから40歳手前までは、とても掃除が苦手だった。
なぜ苦手だった掃除が得意になったかというと、今の奥さんと再婚したからだ。
奥さんがとてもキレイ好きで、若いころにはダスキンなどの掃除のアルバイトをするくらいの腕前だったのだ。
きれいに整った家に暮らすと非常に気持ちがいい。自分も何とか自分の環境をきれいにしたいと願うようになった。
奥さんから掃除や片づけの原理原則を教えてもらい、見様見まねで自分なりにキレイにするようにし始めた。
ある一定の水準に達するまでは上手くいかず大変だった。
でも、ある日を境にオセロの駒がひっくり返るように、掃除がうまくできるようになった。
一度「掃除ができている状態」を自分で作れるようになると、あとはそれを進化させ、維持していくことになるので、グッと楽になる。
分水嶺を越えるまでが大変なのだ。
いまでは自分でいうのもなんだが、僕はかなりキレイ好きな人間になったと自覚している。
それは、僕が生まれ変わったのではない。
原理原則を知ってそれを実行し、自分のものにしていっただけだ。
だから、ほとんどの人が応用可能な法則になっていると思う。
今回は、自分の掃除の道をさらに深めようと思い、一冊の本を読んだ。
本当の僧侶の松本圭介さんという方が書かれた本だ。
この本からのエッセンスも含め、僕が思う「掃除の極意」を5つのステップにまとめてみた。
さっそく紹介しよう。
掃除が苦手な人に贈る お坊さんが教える 掃除の極意5ステップ — お坊さんが教える こころが整う掃除の本 by 松本圭介
ステップ1. 余計なものを捨てる
法事などの用事でお寺に行くと、清々しい、そして凛とした気持ちになる。
その理由は、お寺は掃除が行き届いていることもあるが、それ以上に「モノが極端に少ない」からだ。
掃除が苦手な人の家のほとんどが、その正反対。モノが多すぎて溢れている状態だ。
僕自身掃除が苦手だったときは、いつもモノが溢れている状態だった。
床の上や机のうえに雑然と置かれたさまざまなモノが積み上がっているなら、それは明らかにモノが多すぎる状態だ。
モノが多すぎると、次項で説明するモノの「定位置」が決められない。
収納する場所が決まらないから、いつまでたってもそのモノは机や床の上に置きっぱなしになる。
溢れているものを収納する家具を買うのではなく、収納できる範囲にまでモノを減らそう。
「いらないモノなんて一つもないよ!」という人は、こう考えてみてはどうだろう。
「欲しいもの、持っていたいもの」を全部手許に置いておくのはやめよう。
「必要なもの、使うもの」だけを手許に残すのだ。
どんなに愛着があったとしても、段ボールに入れて押し入れに詰め込んだままのコレクションに、果たして意味があるだろうか。
大切なコレクションなら、数を絞って厳選して、その代わり美しく飾れる分だけを残す。
「いるもの」の定義を、「置いておきたいもの」から「使うもの」に変える。
この変換ができると、モノはぐっと捨てやすくなる。
ステップ2. すべてのモノの定位置を決める
一定レベルまでモノが減ってくると、収納スペースにすべて収まるようになってくる。
すると、床の上やデスクの上に雑然とモノが積み上がっているという状態は回避できるようになる。
そこで、すべてのモノの定位置を決めるのだ。
ひき出しの一番上にはこれ、二番目にはこれ。
食器棚の上の段はこれ、下の段はこれ、と、すべての持ち物の定位置を決めるのだ。
新しくモノを買ったりもらったりして、モノが増えて収納が不足したら、その分何かを捨ててスペースを明ける。
本棚がいっぱいのときに新しく本を買ったら、入らなくなった一冊分のスペースは、不要な本を一冊処分して作る。
収納を増やすことを考えてしまうと、結局どんどん自分の空間がモノで埋め尽くされていくことになる。
自宅でもっとも貴重なのは、「何もない、清潔で美しい空間」なのだと認識しよう。
リラックスできるリビングに、背の高い収納家具を置けば、当然モノはたくさん入るようになる。
しかし、せっかく整ったリビングに威圧的な収納家具を置けば、せっかくのリラックス空間は失われてしまうのだ。
定位置を決めて、すべてのモノを定位置に格納する。そして定位置にモノが入らないなら、入るまでモノを減らす。
これがとても大切だ。
ステップ3. 使ったモノは必ず定位置に戻す
「定位置」というからには、モノを使ったら必ずその場所に戻すように心掛ける。
ひき出しなど中が見えない場合、慣れるまではマスキングテープなどにペンで中身を書いて貼っておくのもいい。
この状態が作れると、たとえばデスクの上に使ったものが置きっぱなしになっていることが、次第に「気持ち悪く」感じるようになる。
ここまでくればしめたもの。
すべてのモノが定位置に収まり、そのとき使っているモノだけが外出ている。
そうなれば、行方不明になるモノも発生しなくなるので、探し物の時間などは激減して効率的。
さらに、一度定位置にすべてのモノが収まったあとでの改善作業はとても楽しい。
「この棚とこのひき出しは逆の方が使いやすいかも」などと考えるようになれば、あなたもすでにキレイ好きな人の仲間入りだ。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。