マーケティング・ブランディング書評

ドリルを売るには穴を売れ by 佐藤義典 〜 明解!マーケティング入門書!! [書評]

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ブックレビュー2010年の102冊目は、佐藤義典氏著、「ドリルを売るには穴を売れ」を読了。

タイトルだけだと何の本だか分からないという人も多いだろうが、サブタイトルを読んでもらえば一目瞭然。

「誰でも「売れる人」になるマーケティング入門」書なのである。

最近次々と面白い書評をアップしてくださる、かん吉さんの「わかったブログ」で本書を知りさっそく読んでたのだが、これが実に素晴らしい。

まさに誰でも売れる人になるマーケティング入門書であった。

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ドリルを売るには穴を売れ by 佐藤義典 〜 明解!マーケティング入門書!! [書評]

本書は入門書である。

なので,マーケの専門家は知っていることばかりなのかもしれない。

だが、体系立ててマーケティング理論の勉強をしたことがない人、特に企業で営業チームを率いている人や自営業の人、それに経営者などにオススメ。

特に、モノやサービスを売る人で、思うようにビジネスができていない人がターゲット読者となる。

本書がとてもユニークなのは、全体が理論の解説の部分と、その解説を現場に落とし込んだ物語の部分に大別され、説明された仕組み、理論が実際のサービス・商売の現場ではどのように活かされるのかがリアルかつダイナミックに解説されているという点だ。

例えば、まず理論として「ベネフィット」の説明がある。

ここは理論の勉強だ。

タイトルにも出てくるが、客はドリルを買っているのではなく、穴をあける道具を買っているのであり、ドリルにではなく「穴」に価値がある、という解説がある。

そして理論の勉強のあと、中堅商社が経営するイタリアン・レストランの経営立て直しを全面的に任された若い女性社員の奮闘を描くストーリーが付く。

この物語がそれまでに学んだ理論を裏打ちする形で進んでいくのだが、実に分かりやすく勉強になる。

著者の「マーケティングは会議室で起きているのではなく、あなたの日常で起こっている」という信念を強く裏付けいてるものだ。

ベネフィット、セグメンテーションとターゲット、差別化、4Pと解説は進み、そして物語も予想を超えるダイナミックな展開を見せていく。

毎月売上が減少し、親会社の社長が撤退までの期限を2ヶ月と決断した。

そんな状況のなか、新規事業企画室の25歳の女性担当者が、何を考えどのように行動するか、一つ一つの行動の意味付けとその結果が、前半の理論を裏打ちしていく。

現場での出来事としてのマーケティングが、嫌でも実感できる。

最終章では強いマーケティング戦略を持つ企業の実例が紹介され、そして物語も担当者が社長の前でプレゼンを行い、会社としての決断を迎える。

僕たちは当たり前のようにモノやサービスを選び、そした対価を支払っている。

購入者である時は、製品に対してではなく得られる価値に対して対価を払うのは当たり前のことなのだが、売り手になった瞬間にそのことを忘れてしまう。

常に強いマーケティング戦略を持つためには、理論を学ぶと同時に現場の肌感覚を研ぎ澄まし、自分の目や耳で学ぶことを忘れてはいけない。

ビジネスはもちろん、僕らの日常生活にも十分活かせる、貴重な本であった。

何度も読み返したい本だ。

「ドリルを売るには穴を売れ」のチェックはこちらからどうぞ!!

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