ブックレビュー2010年の28冊目の読了は、フィリップ・マグロー氏著、勝間和代氏訳、「史上最強の人生戦略マニュアル」。
分厚い本である。430ページもある。だが、読了した今、心から本書を読んで良かったと感じている。
これは素晴らしい本だ。今まで随分たくさんの自己啓発本を読んできたが、この「史上最強の人生政略マニュアル」は明らかにトップ3に入る凄い本だ。
史上最強の人生戦略マニュアル by フィリップ・マグロー(勝間和代・訳)〜 辛口本格派自己啓発書!! [書評]
この本はどこが凄いのか、考えてみた。そして分かった。
本書は読者に対して厳しいのである。
読者に対する要求レベルが高く、そして容赦なく変化を求める。
多くの自己啓発書は希望に満ちた世界のことばかり書くが、そういった本を読むだけでは人間は変化することができない。
そのことを著者は理解しているのだ。
本書で著者が定義している人生の法則を幾つか紹介しよう。
人生の責任は自分にある
自分の人生が思い通りに行っていないことを他人や状況のせいにしている人は多いだろう。
僕だってそういうことを言っていることがある。
だが、それは間違っている。自分の人生の責任は常に自分にあるのだ。
だから、自分が今ひどい状況にあるとしたら、その場合は「何故自分はこんなひどい目に遭うのだろう」と考えてはダメで、「何故自分は自分をこんなひどい目に遭わせるような選択をしているのだろう」となる。
人はうまくいくことをする
裏を返せば人はうまくいかないことはしないのだ。
せっかく努力して何かが軌道に乗り始めたのに途中で気が変わってやめてしまうことがある。
何故か。努力することで自分の環境が変化することを深層心理で嫌がっているからだ。
努力をやめれば現状の環境にそのままぬくぬくと座っていることができる。
人は一番簡単にでき安定することを無意識に選ぶ傾向がある。
自分が認めていないことは変えられない
自分が怠け者であると正直に認めることは時として難しい。
自分が太りすぎで醜いと認めるのも大変なことだ。
だが、自分を変えたいなら、まずは自分がいまどんなにひどい状況にあったとしても、それを認めないことには変えることは絶対にできない。
人生は行動に報いる
今日から毎日ランニングをしようと思ったとしても、実際に走らなければ人生は変わらない。
寝ないで勉強しようと誓っても、夜になったらずっとラジオを聴いてしまって勉強が進まなかったとしたら、その誓いにはまったく意味はない。
他人はあなたの行動だけに興味があり、あなたの意思には関心がない。
あなたが走ったかどうかに興味があるのであって、あなたが走るつもりかどうかには他人は興味がないのだ。
人生の法則は他にもたくさん書かれているのだが、結論として、この本の優れている点は、変化するための絶対条件として、自らの状況を正しく認識し受け入れるという作業を徹底して求めている点だ。
正しい自己認識がされた後の変化の法則については、多くの自己啓発書に書かれていることと、それほど違うことを言っているわけではない。
それでも、変化できるように自分自身を準備させることの大切さを教えてくれるとともに、この準備を行わずに何かに取り組んでも、きっとうまくいかないのだと気付かせてくれる。
図書館で借りた本なのだが、これからも何度も読み返すことになる本だと確信したので早速購入した。
口当たりの良い希望に満ちた自己啓発書とは一味も二味も違う名著。
これはお奨め。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。