健康・アンチエイジング書評

あなたの人生を変える睡眠の法則 by 菅原洋平 〜 人生で最優先すべきは睡眠と確信を得た1冊!! [書評]

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160907-02 - 1 作業療法士の菅原洋平さん著、「あなたの人生を変える睡眠の法則」という本を読んだ。

菅原洋平さんのご本は、先日「すぐやる!「行動力」を高める”科学的”な方法」という本を読み、感銘を受けたばかり。

書評はこちら。

「すぐやる!」を読んだときに、菅原さんの代表作が、今回紹介する「あなたの人生を変える睡眠の法則」であることを知った。

実は僕はこの本を前に読んでいたのだが、そのときはあまり響かず、書評も書いていなかった。

今回興味を持って再読してみたところ、前回とは違う印象を受けた。

睡眠本はたくさん読んでいるので、「目から鱗!」という箇所の数は多くなかったが、独自の視点の面白さが際立つ1冊だった。

さっそく紹介しよう。

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あなたの人生を変える睡眠の法則 by 菅原洋平 〜 人生で最優先すべきは睡眠と確信を得た1冊!! [書評]

「やる気」と「睡眠」の恐るべき関係性

僕は作家・ブロガーとして、そしてセミナー講師、イベントプロデューサーとして生きている。

僕の仕事は知的生産といわれるものだ。

知的生産は、脳の力をフル稼働して、ゼロから作品を作り上げていく。

僕は自分の生産性を最大に引き上げることにすごく興味があり、さまざまな試みを自分に対して行ってきた。

要はセルフ人体実験である。

その結果、だんだん以下のことが分かってきた。

同じ作業時間があり、同じくらいの体調でも、成果にすごく差が出ることがあるのだ。

その差の原因を追及していったところ、行き着いたのが、「前夜の睡眠の質」だったのだ。

たとえ朝9時から夕方17時まで時間があって、デスクの前に同じように立っていても(僕はスタンディングデスクを使っている)、面白いように仕事が進む日と、全然進まない日がある。

全然作業が進まない日は、ほとんどの場合、前日に夜更かしをしていて、多くの場合、お酒をたくさん飲んでいる。

お酒をたくさん飲んで夜更かしをすると、翌朝僕は寝不足でも早朝に目が覚めてしまう。

深酒のせいで睡眠の質が下がっているのだ。

そして普段なら7時間半くらいは寝ているのに、4時間半〜6時間くらいの睡眠で目が覚めてしまい、眠れなくなるのだ。

僕はお酒が強いので二日酔いにはなない。

でも、まったく作業が進まない。

頭が働かず、知的生産ができない。

身体を動かす仕事や単純作業はできるので、掃除や片づけ、それに伝票入力などはできる。

でも、ブログや書籍の原稿を書いたり、セミナーの企画を詰めるなど、高度な知的生産は、からきしダメになるのだ。

いっぽう、夜の外出が数日なくて、早寝してたっぷりの睡眠を続けて3日くらい取れると、生産性は爆発的に向上してくる。

がんがん仕事をしても疲れないし、どんどん言葉やアイデアが溢れてくる感じで、心地良い。

仕事における「やる気」「パフォーマンス」と、前夜の睡眠は、切っても切れないほど深い関係にある。

というよりも、睡眠をしっかりとっていなければ、他にどんな素晴らしい仕組みや仕事術などを会得していても、使い物にならない、といっても過言ではない。

この法則が最近僕は腑に落ちた。

そして腑に落ちてから本書を読んだ。

なので、前回とはまったく違う印象を受けたのだ。

本書では、さまざまな睡眠を取り巻く身体の法則を説明している。

ここではスペースの都合で細かい法則の説明はできないので、気になる人はぜひ本書を手に取ってみてほしい。

では、本書で説明している3つの法則を紹介しよう。

朝5分 光の法則

睡眠を整えるといっても、「疲れているのに眠れない」とか「夜の寝つきが悪い」とか「夕方にうたた寝をしてしまい、結果として夜更かししてしまう」など、さまざまな問題を抱えている人がいる。

快眠のためには、体内のいくつかのリズムを整えていく必要がある。

その一つが、「メラトニンリズム」だ。

聞いたことがある人も多いと思うが、人間の体内時計は24時間よりも長い。

つまり、放っておくと、毎日生活リズムがどんどん後ろにずれていってしまうことになる。

そのリズムを調整しているのか、メラトニンだ。

メラトニンは脳から分泌される物質で、日の光や証明と強く関係する。

メラトニンの原料は、納豆など大豆製品に多く含まれるトリプトファン(必須アミノ酸)で、脳内でセロトニンに変わった後に、メラトニンに変化する。

メラトニンは光を感知すると減り、夜暗くなると急速に増加するという特徴を持っている。

朝目が覚めたあと、太陽の光を浴びると、体内時計がメラトニンの分泌を止めるのだが、そのときに、体内時計がリセットされ、そこから新しい1日が始まる。

つまり、朝に日の光を浴びることで、体内時計のズレが修正されるのだ。

室内の照明だけではメラトニンリズムをリセットするのに十分な明るさは得られない。

晴れた日の屋外は1万ルクス以上の明るさがあるのに対し、室内は500ルクスしかない。

曇りの日、雨の日でも太陽の光は5,000ルクス程度になり、体内時計がリセットされる。

朝5分太陽の光を浴びることで、体内時計がずれていくことを防ぎ、その日の夜の快眠へのキッカケとなるというわけだ。

快眠の準備は、その日の朝からスタートしているというわけだ。

昼5分 負債の法則

ランチ後の、午後の会議や研修が、すごく眠くて辛い、という経験をした方は僕を含め多いのではないだろうか。

俗説では、お昼ごはんを食べたために、血液が脳から胃に下がり、酸欠になって眠くなるのだ、といわれているが、本書の著者菅原さんは、そうではないと説明している。

実は、実験により、昼食を2時間早めたり、抜いたり、1時間ごとにちょっとずつ食べた場合など、さまざまな条件で調べても、午後の早い時間帯は眠くなるという結果が出ている。

では、なぜ我々は午後に眠くなるのかというと、それは「睡眠 – 覚醒リズム」の働きによるものなのだ。

菅原さんは以下のように説明している。

睡眠 – 覚醒リズムでは、脳の働きを保つために、1日に2回、大脳を積極的に眠らせるシステムが働きます。朝6時起床の場合、8時間後と22時間後に眠気が起こるので、1回目は昼14時あたり、2回目は明け方の4時あたりです。午後は、食事に関係なく眠くなり、徹夜をしているときには、明け方の4時ごろの時間帯で急激に眠くなります。

というわけで、昼過ぎに眠くなるのは、脳の仕組み上必要な、戦略的なものということになる。

ところで、僕たちは覚醒している、つまり起きて活動をしていると、どんどん脳に「睡眠物質」といわれる物質が溜まっていく。

この睡眠物質が増え続けると、どんどん脳の作業効率は悪くなり、やる気もなくなっていく。

そして睡眠物質を減らすには、「眠る」しかない。

コーヒーを飲もうがユンケルを飲もうが、運動をしようが、とにかく睡眠物質を減らすためには、睡眠しかない。

午後の眠気に対して有効な対策は、「昼寝」である。

だが、オフィスなどでは横になって眠ることは難しいし、デスクに突っ伏して眠るのも憚られるケースも多いだろう。

しかし、実は昼寝に最適な時間は実は短く、10分〜15分といわれている。

これ以上長く寝てしまうと、深い眠りになってしまい、夜の睡眠に影響を与えるようになる。

デスクの椅子に座ったまま、5分〜10分目を閉じる。

それだけで、溜まっている睡眠物質、つまり睡眠負債を一部返済することができるのだ。

これが、昼5分 負債の法則だ。

夕方5分 体温の法則

夜に快眠するためには、もう一つ知っておくべき身体のリズムがある。

それが「深部体温リズム」だ。

人間の直腸で測る深部体温には一定のリズムがあるのだが、このリズムと睡眠に深い関係があるのだ。

深部体温は朝6時起床の場合、夕方の17時にもっとも高くなり、明け方の4時に一番低くなる。

そして、ヒトは、深部体温が高いほど身体が良く動き、低くなるほど眠くなる。

スポーツの新記録が多く出る時間帯は、深部体温が高い時間帯といわれ、大きな大会は、そのリズムに合わせて競技が設定される。

深部体温リズムは他のリズムと較べてズレにくい性質を持っており、一度夜更かしが定着してしまうと、なかなか早寝ができないのは、深部体温が高く、身体が活発なため、ベッドに入っても寝つけないことに起因する場合が多い。

そこで、深部体温リズムを調整するために、夕方の時間帯に意識的に深部体温を上げる活動をするのだ。

深部体温を上げるためには、筋肉を使うと良い。

というわけで、夕方の5時くらいからの時間帯に、筋肉を使う活動を採り入れよう。

とはいっても、会社勤めの人たちは、5時はまだ業務時間中で、筋トレやランニングをすることはできないだろう。

そんな場合でも、椅子に座ってビシッと背筋を伸ばすだけで、深部体温には良い刺激になるという。

背筋を伸ばすときには、肩甲骨を下げることと、肛門をしっかり締めることを意識しよう。

夕方に深部体温がしっかり上がると、その分入眠時に体温がしっかり下がり、深い眠りに入ることができる。

深い眠りに入ると、入眠から3時間の間に「成長ホルモン」が分泌され、疲れが取れ、爽快な目覚めを得ることができるというわけだ。

まとめ

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睡眠に関する本はずいぶんたくさん読んできたが、この3つのリズムを把握して、「睡眠物質」をいかに脳内に溜めないか、「睡眠負債」をいかに作らないかが大切、という視点は初めてで、とても興味深かった。

僕自身、早朝ランニングを日課にしているため、朝に光を浴びる点はクリアしている。

あとは、昼に5分〜10分目を閉じることと、夕方に姿勢を良くすること、できれば運動をすることを日課にしたい。

筋トレを朝やっているのを夕方に移動するのも手かと思う。

現状でも僕は相当睡眠にはこだわっている方だと思うが、長く眠れば良いというものではないことも分かった。

昼の仮眠と夕方の運動を活用して、質を高めて時間が短くても十分になったら、それは最高だろう。

さっそく試してみようと思う。

「あなたの人生を変える睡眠の法則」、オススメです!!

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