書評

石の上にも3年!ブログの上にも3年! “ネットで成功しているのは<やめない人たち>である” by いしたにまさき [Book Review 2011-007]

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ブックレビュー2011年の7冊目は、いしたにまさき氏著、「ネットで成功しているのは<やめない人たち>である」を読了。

 

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である

いしたに まさき 技術評論社 2010-11-27
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by ヨメレバ

 

 

ブログ「みたいもん!」主宰のいしたにさんの著書である。先月ブログディナーではじめていしたにさんとお会いし、本書は是非読みたいと待望していたので、ワクワクしながら手に取ったのだが、期待を裏切らない楽しくリアルな本だった。

ネット上には、プロの記者でもライターでもないのに、せっせとブログに記事を書いては公開する人達がいる(僕だってその一人だ)。

そしてそれらの人達の中には、ブログを書くこと以外どうやって生計を立てているのか分からない、「よくわからないひとたち」が何人も発生している。彼らはいったい何を思いどんな生活をし、どこへ向かおうとしているのか。

それら、ネット上の「よくわからないひとたち」の輪郭をもう少しハッキリさせる試み。それが本書の狙いの一つである。

そして著者がブログでやっていこうと決めた時に感じた「これは続けないと意味がないものなんだろうな」という仮説を実証する。それがもう一つの試み。

そして本書では、200人の「ネットの中のひとたち」に対してアンケートを送付し、100人以上から回答を得た。

そしてその結果得た結論が、本書のタイトル「ネットで成功しているのは<やめない人たち>である」ということだ。

アンケート項目の中に、「あなたがネット活動を続けてきたことで、収入に変化はありましたか?」という項目と、「収入に変化があった場合、それは活動を始めてからどれぐらい経ってからですか?」という項目がある。

要は「ネットで稼げるようになりましたか?」ということを質問しているのである。

そしてその結果、約7割の人が「Yes」と回答している。そして収入に変化が出るまでの期間で一番多い回答が、ネットを始めてから3年、と回答しているのである。

そこで著者が導いた一つの答えが、「ブログで稼ぎたいなら3年はやめないこと」である。

1年目は種まきの期間、2年目は熟成の期間、そして3年目が刈り取りの期間となる。これは僕がブログを始める時に持ったイメージにとても近いものだ。

余談だが、それぐらいの期間がかかることは僕も想定していた。だからこそ、僕は「1日3回更新」にこだわったのだ。

既に有名ブログが乱立する状況の中で後発としてブログを始めるにあたり、他の人よりも速く結果を出すためには、とにかく更新頻度を上げて、質の良い記事をネット上に他のブロガーよりも速く配信し続けるしかない。2008年12月に僕が描いたイメージは間違いではなかったと、いま確信している。

話を本題に戻そう。

本書では、アンケート結果の一覧とその分析のほか、ネットの中の人代表として林雄司氏とGoogleマップ日本版開発チームの方々との対談にもページを割いている。

東京トイレマップ」や「死ぬかと思った」主宰の林氏と世界を代表するネット企業Googleの中の人という、一見まったく相いれない世界観を持った人との対談が,意外にも多くの共通点を見出したという点は非常に興味深い。

著者いしたに氏が説く「続けるとやめないは違う」という点もストンと腑に落ちた。毎日毎日ブログを書き続けるという作業は、ずっと高いモチベーションを持ち続けることが難しいものである。

時には休み、時には軽いネタでお茶を濁しつつも、自然体でリラックスして、とにかく「やめない」こと。これがキーなのだ。

「中の人」の、「中の人」による「中の人」のための名著、いや、中の人以外が中の人を理解する助けにもなる名著。ブログやネットで何かをしてみたいと思っている人は、是非一読を。

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