「自己啓発書は読んだ時だけちょっと高揚した気分になるが、すぐに元に戻ってしまう」
「世の中にはたくさんの自己啓発書が出ているが、どれも似たようなものばかり、効果はない」
こういった声が聞こえてくることがある。
そうなのかもしれない。
発言をした人にとってはその感覚こそが真実なのだ。僕が否定することではない。
だが、僕にとって、本は自分を新しいステージへと運んでくれる魔法のツールだ。
面白い本、詰まらない本、勉強になる本、センスが合う本。さまざまだ。
この2年半の間に300冊以上のビジネス書、自己啓発書を読んできたが、一冊として「完全に無駄だった」と感じるものはなかった。どの本にも学ぶべき点があり、吸収すべき情報と知恵があった。
今の僕があるのは、大量に読み続けた本のおかげ、という部分が少なからずある。
そして今日紹介する勝間和代氏の新刊「人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方実践ガイド」は、僕らをさらに高い次元へと導いてくれる、素晴らしい本であった。
人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方実践ガイド
勝間 和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2010-12-10
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著者勝間氏が「わたしの一つの集大成」と語るだけあって、現在進行形の勝間和代氏が思うこと、目指す世界、体験したこと、体感していることがギッシリと詰まった宝物のような本である。
本書は勝間氏の出世作「インディペンデントな生き方実践ガイド」の続編とい位置づけで書かれている。
「インディペンデント」 = 独立した存在になることを最初の目標として頑張った僕らは、一つの達成を得た。
その達成の度合いは人それぞれだし、十分インディになったという人もいれば、まだまだ目標に届いていないという人もいるだろう。
だが、「カツマー」という流行語までを生み出した勝間氏が提唱した「インディペンデント」な人生については、僕らはある程度実践するための努力もしたし、結果も出てきているのだと思う。
そして「自己啓発書を読んでも〜」という、冒頭で紹介した意見が出るくらい、市場は「インディ」な本が飽和してしまっているのだろう。
僕らはそろそろ脱皮すべき時期に指しかかっているのだろう。
そんな僕らの手許に届いたこの本は、インディを理解し獲得した僕らが次に目指すべき、「インタディ」の世界を紹介してくれている。インディを目指す世界、そしてインディを獲得した世界をそれぞれのバージョンと見ると、まさに自己啓発3.0の世界である。
「インタディ」は「インターディペンデント」の略。「相互依存」である。 組織や他人に依存していた人生を改め、まずは自立しよう。これがインディ。
そしてインディになった人同士が、「共通の価値観に基づき、同一の目標の実現を目指して、複数の自立人が共生する関係」。これがインタディである。
他人への依存や従属と大きく異なるのは、インタディはあくまでもインディを獲得した人同士が、お互いを大切に思い尊敬し合い、高め深めていくものという点。
つまり、「インディ」であることが、「インタディ」になることの参加条件なのである。 要は難易度が高いのだ。口当たりの良い言葉が並ぶ「誰でもできる」「簡単一分〜術」の世界とは違うのだ。
例えば先ほどから何度か例に出ている自己啓発本ホッパー、つまり次々と自己啓発本を読むが身につかないという人に対しても、「本に書いてあるこおを鵜呑みにするのではなく、著者が言わんとしていることの本質を掴め」ということになる。
さらには成功することで負うべき「影」についての説明も迫力がある。自分が大切だと思っていた人からの思わぬ嫉妬や裏切り、攻撃などが起こることを受け入れ、そしてその相手から逃げ、逃げた自分のことも、攻撃した相手のこともゆるすのだ。本書には高い位置での自己実現を目指すリアルな世界が広がっている。
高い目標を掲げて進むこと。そして結果を出すこと。
次の高みが見えてきたあなたに、本書は宝物として輝くだろう。お奨め!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。