書評

100倍儲かる読書術 書評「レバレッジ・リーディング」 by 本田直之

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読書は投資である。

そして多読はスキルである。

その道の専門家が何年も、何十年もかけて習得した知識や技術を、わずか1,500円程度のお金を出し、数時間を費やすだけで獲得することができる。

1年前に初めて読んだ本田直之氏の「レバレッジ・リーディング」はそのように説く。僕はこの本を読んで大きな衝撃を受けた。

それまでも乱読家を自称してはいたが、この時を契機に多読を意識するようになった。

そして2010年は120冊の本を読んだ。

そして今回、改めて多読について考え直したいと思い再読することにした。「レバレッジ・リーディング」、本田直之氏のデビュー作である。

 

レバレッジ・リーディング

本田 直之 東洋経済新報社 2006-12-01
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by ヨメレバ

 

本書は読書家のための本ではない。多読をビジネス・スキルと捉え、投資した金額の100倍のリターンを得ようという目的に特化したビジネス書である。

従って、小説やエッセイなど趣味・娯楽的な本や雑誌の読み方については一切触れられていない。本書はあくまでも「ビジネス」に特化した多読術の本なのだ。

 

 

日本人は本を読まない

 

 

やや古い集計だが、2004年に日経流通新聞が行った調査によると、1ヶ月に本に幾らお金を使っているかを調べたところ、3,000円未満が全体の70%にものぼるという結果が出た。

さらに内容を分析すると、そのうち1,000円未満という人の割合が過半数となり、日本人の多くは本にまったく投資をしていないということが分かった。

本に1万円以上を投資していると答えた人は全体のわずか3%という結果だった。

つまり、大多数の日本人は本から学ぶことをしていない。だからこそ、本を読んで他人の経験から学ぶだけで、97%の本に投資をしない人と大きな差をつけることができるのだ。

 

 

本は全部なんか読むな

 

 

著者本田氏はそのように宣言している。一冊1時間程度。難易度の高い専門書でも2時間程度で読み切るべしと言っている。正直僕はそこまで割り切れず、まだ全文を読んでいる。まだまだだ。

どうやって全文を読まずに済ませるか。それは目的意識を明確にすることで可能になる。

不動産や会計、パーソナル・ブランディングなど、自分が習得したい知識や専門分野の本をまとめて集中的に読む。しかも読む前に「会計の知識を得るために読む」など、目的を明確にすることで、本題と関係のない部分を飛ばしていくことができ、スピードが上がるのだ。

 

 

本はどんどん汚せ

 

 

これも僕自身は割り切れていないのだが、著者本田氏は「本は線を引いたり折り目をつけたりしてどんどん汚せ」と言っている(僕は代わりに付箋をつけている)。

重要と思われるところにはどんどん目印をつけ、余白には気づいたことなどを書き込み、後から簡単に見返せるようにするなどの工夫が必要だ。

また、読み始めたものの得ることが少なそうだと判断した本は、さっさと読むのを止めるように。さらに読了した本は特に印象に残った本以外はどんどん捨てるようにと書いている。

本田流では本は汚すものなので、古本屋などへの転売はできないためである。

 

 

必殺!レバレッジ・メモ!

 

 

せっかく多読で知識を得ても、一度読んで「ああ勉強になった」と感じて本を閉じたままにしてしまっては、その時は良くても一ヶ月もすれば読んだ内容はすっかり忘れてしまうだろう。それでは「投資」としてはまったく意味がない。

読書で得た知識を自分のものとして身につけてこそ、投資効率100倍のレバレッジ・リーディングが完成するのだ。

そこで本書でもっとも重要な、「レバレッジ・メモ」が登場する。このメモを作成し管理することで、僕らは読んだ本の内容を忘れずに、自分のものとして習得することができるようになる。

レバレッジ・メモの作成法については是非本書を熟読して欲しい。この箇所については簡単に要約してしまっては意味がない。まさに「レバレッジ・リーディング」で何度も線を引き余白にアイディアを書き込む重要ポイントだ。

僕自身、前回本書を読んだのが、ビジネス書を読み始めたばかりの頃だったので、今回再読して本当に良かったと感じると同時に、まだまだ僕の読書術には改善の余地が多々あると教えさせられた。

本書では1日1冊、できれば2冊の日も作り、年間400冊の読書を目指せと説いている。

400冊の本から得た知識を忘れることなくすべて身につけられたら、とんでもないことが起こりそうだと、思わず身震いした。

本気で年間200冊読もうとしている僕が身震いするのだから、それは凄いことだと断言する。

読書を習慣にしたいあなた。是非本書を読んで、僕と一緒に読書習慣を身につけよう!名著!!

 

2011年48冊目の書評としてお届けしました。

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