あなたの温もり 思うこと 不明編
1997年4月24日(木)
With or Without You / U2
民主主義の為の正義の闘いが終わり、
戦士達は勝利の美酒に酔い大統領は得意げに作戦の周到さを強調し、
プラスチック爆弾で即死したテロリスト達の遺体にはモザイク加工が施され、
白髪の老紳士はタバコを燻らせ自らのディベートの腕を披露している、
聖戦で殉職した勇敢なる戦士の死のすぐ横に無造作に転がされた、
テロリスト達の死、
キューバのテレビは彼等の死をどのように伝えているのだろうか、
中国の指導者達は誰を勇敢なる戦士と定義しているのだろうか、
新聞は各国首脳のコメントを列挙し、
指導者の決断力を誉め称え、
僕達の生活が平和ボケしていると自嘲している、
まるで、
平和であることが、
いけないことであるかのようだ、
武器をとることが、
優れたことであるかのようだ、
革命が成功すれば首謀者は神となり、
追放された指導者は犯罪者となる、
もし官邸の片隅に転がされたテロリスト達が革命を成功させたならば、
彼らは指導者となり彼らの思想が正義となり、
今勝利の美酒に酔う権力者達は犯罪者となり、
官邸の片隅に放置され腐敗する遺体の群れになるだけのこと、
テロは良くない、テロ反対、
彼等が何を主張し何故テロリストとなったのか、
何故今彼らは官邸の片隅に黒焦げになったまま転がっているのか、
彼らは一体何を思い武器を手に取り、
何を思いながら死んでいったのか、
誰か、
僕に教えてくれ。
17人の人間が死んだ。
死そのものに、勝者も敗者もなく、
17人の人間の人生が、
強制的に終了させられた、
それだけのこと。
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