思うこと



1997年5月28日(水)

リズム / UA

ここのところずっとシゴトのことであれこれ考えなければいけないことが多くて、ろくに妄想もしてる暇がない哀れなKeith GGですが、みなさまおかわりありませんでしょうか?

うーん、そうなんですよ、シゴトの悩みと言っても、別にクライアントとトラブっている訳ではなく、社内的な問題なのですよねえ、ふうう。

一応僕には二人の部下がいるのです。一人は男の子、もう一人は女の子。で、この男の子の方はメチャメチャ頑張り屋さんで一生懸命でいつも明るくてどんどんシゴトを覚えてシゴトを任されて行くのですが、もう一人の女の子の方がどーにもいかんのです。ハイ。

非常に不器用で恥ずかしがり屋で、とここまでは良いのですが、虚栄心が異常に強く平気で嘘をつくという非常に重大な欠陥を持っているので、僕を含めてカイシャ全体が非常に困っているのです。はあ。

本人は事務ではなくてキャリアを目指しているということなのですが、納品を頼めば「女性として体力がないからできない」だの、「私は営業ではなく営業補助として雇われているから外出はしたくない」だのと宣うわけです。残業を頼めば「残業をしなくてはならないようなシステムのカイシャが悪い」などと大変貴重な意見を頂いたりする訳です。

皆さん御存知かとは思いますが、僕はどちらかと言えばキレやすい性格ですので、本来でしたらそんなたわ言を言い放つようなバカタレはさっさと踏みつぶして粉々にしてやるのですが、シャチョウやブチョウにも、「部下を育てるのもシゴトの一部」とか、「我慢して立派な上司になるのだよ」、などと常日頃言われていたものですから、ぐうううううううっっっっっと堪えて耐えて忍んで忍ぶ、何とも不憫な状態だった訳です。

以前にちょっと日記にも書きましたが、春先に彼女が一度大きなトラブルを引き起こしまして、彼女はクビになるかどうかというところまでいったのですが、結局シャチョウの前で「もう一度頑張ります」と宣言し謝罪することにより、何とか解雇を免れたという経緯もあったりするのですう。

ところが。



ヒマワリ / UA


先週末、僕が秋田に仁志と戯れに行っている(出張です、念のため)間に、彼女は再び騒動を起こしてしまったのです。

僕が出張で一日いないので、部下の男の子はいつもの倍近く忙しくなることになります。その日の朝の時点では彼は当日の予定に比較的余裕を持っていたのです。その日に納品は1件だけだったのですが、納期が厳しい為、仕上がりが夕方にずれ込むことが朝の時点で確認されていました。

当日の朝、彼女は彼に「納品に行くことはあるか」と確認をしたそうです。彼は自分で行くので何も今日はないと答えました。ところが一日が始まってみると、僕がいれば僕が対応するような電話やファクスに全部対応するのは彼ですし、彼の担当のお客さんからどんどんシゴトの依頼がきたり、タイミング悪くクレームが入ったりと、彼は大忙しになってしまったのです(僕はそのことを後から聞いたのですが)。

一方納品予定の原稿の仕上がりが予定よりも更に遅れてしまい、彼の手許に来たときにはもう16:30だったんです。そこへ丁度出張先から僕が電話を入れたので、彼は僕に、自分が非常に忙しく、しかもクレーム処理に追われていて納品が間に合わないこと、さらにクライアントはできる限り今日中に納品して欲しがっていることを聞きました。

で、僕が彼女に納品に行くように指示を出すのですが、どうもイマイチ返事が良くないのです。どうしたのかと聞くと、夜友達と約束をしているので遅れたくないということでした。この時点でアタマにかーっっっっと血がのぼったのですが、なんとか冷静にと思い、営業ではない別の女性に電話を変わってもらい、納品に行く余裕があるかと尋ねたところ、二つ返事でOKをくれたので、彼に道順と納品方法を説明するように指示して電話を切ったのです。

が、僕の知らないところで騒動はどんどん拡大していたのです。はあ。



ヒマワリ / UA

僕が電話を切った後、男の子は納品の方法と道順を説明していたのです。そこへブチョウも心配してやってきて、3人であれこれ話しをしていたところへ問題の彼女がいきなり怒鳴り込んできたのです。

「ワタシ、すごく気分悪いんだけど!」と大声を張り上げ、彼のことを責め立てたというのです。何を責めたかというと、彼女は朝の時点で彼に納品に行くものはないかと確認しており、その時点では何もないと言ったということ、それなのに夕方になって自分が納品に行けないからと言って自分に行けと言われても困ると言うこと、本来営業でない女性を納品に行かせることは申し訳ないということ、それでも自分は友達との約束があるから納品には行かないということ、従って彼女自身は悪者になってしまい、立場がないということ、だそうです。

ブチョウが彼女を一喝したところ、彼女はバターンとドアを閉めてカイシャから出ていってしまい、そのまま定時まで帰ってこないで、時間になったら荷物だけをとりに来て帰ってしまったそうです。

僕はその事件を月曜日まで知らなかったのですが、最初彼女の方から僕に話しがあると言ってやってきました。彼女が言うには、彼は僕がいない時にはいつもと態度が違い、一刻も早く帰りたいために夕方になると無理なシゴトを押し付けてくるということ、朝から散々何度も納品はないかと確認していたのに何もないと言っておきながら、夕方になって急に騒ぐのはワタシに対しての嫌がらせだということ、納品に行くと言ってくれた女性に対しても立場がないということ、ブチョウは自分を嫌っているから彼の肩ばかり持つということ、等々。

彼女の話しを会議室で聞いて席に戻ろうと思ったら、すでにシャチョウが僕の席のところで僕のことを待っていました。で、再び会議室に逆戻り。

シャチョウが言うには、彼女は納品に行ってくれという僕とブチョウの指示を無視し、さらに納品の為の説明をしようとしている人間を妨害した揚げ句、職場放棄をしていなくなってしまった、と言うことです。

ええ、はい、そうなんです。実にシャチョウのおっしゃる通りなのです。カイシャは幼稚園じゃないですし、サークル活動の場でもありません。文句を言っても最終的にはやることをやるのがルールというものでしょう。

ついこの前にも似たような騒動を起こし、泣いてシャチョウに謝罪してもう一度頑張りたいと言った人間のすることではないのでしょう、やっぱり。あまりにも自己中心的で無責任なんですよね、つまりのところは。

シャチョウは「約束を破った」と言ってカンカンになっておりますし、ブチョウはブチョウで「あんなヤツはいらん」と言っているのです。また、問題の文献を担当していた社員も非常に気分を害している様子で、彼女は完全に社内で孤立してしまっているのです。

僕は一両日中に彼女と、彼女の今後のことについて、真剣に話しをするつもりです。大学を出て新卒で入ってきて一年経ってもワープロの打ち方も分からずに言いたいことを言い放題で全て他人の責任にするという思考回路を根本的に変えなければ、彼女はこの先どこのカイシャに行っても同じことを繰り返すのみでしょう。

でも僕は、何ともセンチメンタルな気持ちにもなってしまうのです。生まれて始めて持った部下2人が、それぞれ充実した日々を送り業績を上げてくれれば、それほど上司冥利に尽きることはないのですから、今のまま何も習得することができずにカイシャから追放されるという状態は、何とかしてあげたいと、どうしても思ってしまうのです。

問題はただ一つなのです、彼女の口癖の、「バブルが崩壊しなければ、ワタシはこんなカイシャにくる人間ではなかった」。

これがアタマの片隅のどこかに残っているかぎりは、彼女は絶対一人前の社会人なんかには、なれっこないのです。

ああ、気が重い。




ヒマワリ / UA




きゃー。




をををををっっっっt!





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