思うこと


1997年5月30日(金)

Near Wild Heaven / R.E.M.

いえーいっt!、今日も遅かったでーす。掟破りの週末接待でーす。残業と接待を一日おきに交互に繰り返すと確実に人間が壊れていくということを実感する今日この頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。マイティ井上です。

いやあ、今日はホントに忙しかった。でも同時に今日は近来ないぐらい良いことがイッパイあって、非常に幸福太郎でもあるのです。

どのぐらい幸福かってことは、週末の日記で少しずつ書きますね。きゃー。



Shiny Happy People / R.E.M.

まずは今朝の話しから。僕が毎日利用しているバスは、僕が乗るバス停で折り返すのです。折返所にはいつも警備会社のオヤジがいて、交通量の多い道をバスが折返所に入ったり、折返所から出たりするのを手伝っているのです。

いつもはもうずいぶん疲れ果てたオヤジがやる気なさそーに赤い棒をよたこら振っているのですが、今日はいつものオヤジがいなくて、代わりにすごく怪しいお兄ちゃんがいたのです。

ぼさぼさで中途半端に伸びきってしまった長髪に牛乳瓶の底のような眼鏡、でっぷりとした体型にピチピチの制服。アタマがはみ出しそうなほど窮屈そうに制帽をかぶり、折返所の折畳み椅子にどてっと座っていたのです。

ひとめ見た瞬間から絶対変なヤツだと思い、折返所に止まっているバスに乗り込んでからもずっと彼のことを見ていたのです。

彼は退屈そうに手に持った赤い棒をギターのようにしたりして、足でリズムをとって遊んだりしていたのですが、バスが出発しようとエンジンを掛けた瞬間から彼の動きが一変したのです。

何故か赤い棒を小指を立てた手で水平に突き出し、往来を通り過ぎようとする車の列のど真ん中に、まるでフェンシングでもするかのように飛び出して行ったのです。道の真中に出ると彼は、相変わらず小指を立てたまま、妙にしなやかな仕草を伴いつつ赤い棒をマッスグに真上に向け、意味もなく両足をクロスさせたかと思うと、クルッと勢いよくカラダの向きを反転させるのです。

そしてバスが発車しようとすると、突然猛烈な勢いで、右手に持った赤い棒をグルグルグルグルと回すのですよ、モウモウ!足を開いて思いきり踏ん張って、でも顔にはふざけた様子は全くないのだけれども、余りにすごい勢いで回転させる赤い棒を持ったお兄ちゃんの姿が猛烈で、身を乗り出すようにしてその後の様子を覗き込んでしまったのです。

僕を乗せたバスが発車するとすぐに彼はグルグルグルグルと回していた手を止め、まるで刀をしまうお侍さんのような仕草をして赤い棒をしまうと、劇場で俳優さんがカーテンコールの時にするような最敬礼を行い、横っ飛びに道路の端に退くと、今度は今まで止めていた車達に向かって赤い棒をスゴイ勢いでグルグルグルグル回転させているのです。

あまりにスゴイ光景だったので、僕以外にも後ろを振り返っている乗客が数ヶ。ううううう、今思い出してもスゴイ光景だ。是非また会いたいと思ってしまった。ふふふふふふふ。

それにしても、彼はいつもああいうふうにしているのだろうか。





 

(c) T. Tachibana. All Rights Reserved. 無断転載を禁じます。tachiba@gol.com