真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1997年8月6日(水)
Soon / My Bloody Valentine
彼も例の女の子と同じく昨年の4月入社、今年2年目の25歳。
彼は中部地方の出身で、某大学入学時に上京し大学4年間はひたすら遊びとバイトで浪費したという、典型的文系大学生で、入社時にはいつもニヤニヤとしまりのない笑みを浮かべ、黙ってシゴトをすることができなくて常に周りの人間にあれこれ話しかけたり、くるくるエンピツを回したり落書きをしたり居眠りをしたり、という状態だった。
ところが彼はその後大変身を遂げ、みるみるシゴトを憶え会社に溶け込んで、2年目の今ではある程度仕事を任されるまでに成長した。
そんな真面目な彼の、一体どこが心配なのかと言われるかも知れないが、実は彼の大変身がちょっと極端すぎて心配なのだ。
Only Shallow / My Bloody Valentine
休みの日には大好きなバイクでツーリングに行ったりレンタカーで遠出したりしていた。
去年の夏に彼に恋人ができた。僕が紹介した女の子で、あのみねちゃんの親友だったりする(きゃー。)
そこまでは良かったのだが、その頃から彼の生活に徐々に変化が現れはじめた。
彼は突然大好きだったバイクを売ってしまった。休日出勤の時にバイクで会社に来ようとして途中の道でコケたのがきっかけだったような気がする。
続いて彼は急にタバコを止めた。きっかけは彼女とディズニーランドに行った時、タバコを売っている店が全然見つからなかったから。
続いて彼はどんどん太り始めた。入社時63キロだった体重が今では75キロ。腹周りがぼってりとして、24歳にしてはちょっと太り過ぎという感じ。
さらに彼は飲みに行くことを嫌うようになった。去年の末ぐらいまでは誘えば必ず着いてきたのが、今では逃げるように帰っていってしまう。何か予定があるのかと尋ねると、眠くてだるいから帰って寝たいと答える。毎日会社からコンビニに寄ってまっすぐ家に帰り、弁当を食べてそのまま寝ているという。彼女とも週に1回会う程度で、平日にはろくに電話もしていないという。
夏になってからは、毎晩冷房と扇風機を両方回したまま眠り、唯一の楽しみは金曜日に独りで回転寿司に行ってビールを飲むことだという。
Only Shallow / My Bloody Valentine
友達と会ったり飲んだりするのも面倒で、冷房の効いた部屋で独りで夜の9時から眠ってしまい、休日にも家に篭っているという生活のままでは、彼の若いエネルギーを発散できる場所があまりにもないのではないかと思う。
彼の素直さと向上心の強さが、彼の人間としての本能を抑え込もうとしているような気がして心配している。このまま進むといつか体に変調をきたすような気がする。
たまには彼と西麻布の328にでも行ってみようかと思うのだが。
僕だってまだ朝まで飲むパワーぐらいあるのに。心配だな。
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何度か会社の部下の女の子について書いてきたが、今度は部下の男の子についてちょっと心配になってきた。
入社した時点で彼には彼女がいなかった。で、彼は寂しくなるとピンサロやヘルスに行ったり、暇になるとパチンコ屋に入り浸ったりジャン荘で徹夜したりしていた。酒もガンガン飲んでいたしタバコも毎日2箱以上吸っていた。
彼のシゴトぶりは極めて真面目で、さらに成績も良く、ほとんど何も文句を言うことができないぐらいなのだが、彼の私生活の過ごし方のあまりの消極的さに、ちょっとばかり心配せずにはいられない。