真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1997年8月31日(日)
Carry that Weight / The Beatles
月曜日に日記を更新して以来ずっと更新を休んでいたのだが、これがちょっといつものサボリ癖とは違い、自分でも良く分からない状態になっている。
どういうことかと言うと、文章にしても会話にしても、何とも自分の意思表示がうまくできない。仕事の電話もどもったりつっかえたり、非常に難儀しているし、自分が口にしようとしているのと全然違う言葉を発してしまい、冷や汗をかくことも数回あった。
Sidewalk Storyを書き始めてから徐々にこのような感じになってきた。この物語を書き始めてから、僕はとっくに忘れていた事や人を、もの凄い勢いで思い出している。小学校に入学する前の記憶から、大学での飲み会のこと、昔の恋人の顔からナンパして朝まで飲んだ看護婦の顔、自分が気付かないうちに傷つけた人から突き付けられた絶縁の言葉や自分が傷ついた時の痛み、大失恋した時の喪失感やずっと失われることのない渇きと虚無感。そんなものが一気にアタマの中に噴出してきて、パニックに陥っているのだと思う。今日も後頭部が火照るような感覚が続いていて、まだ思うように日記が書けない。
自分で原因がわかっているのだが、残念ながらまだ対処法が分からない。今はとにかく狂ったように本を読み続け、やたらと酒を飲み、BeatlesとPrinceばかり聴いている。そうすると少し落ち着くのだが、仕事をして帰ってくると今までの倍ぐらい疲れている。自炊なんか全然する気にならず、コンビニ弁当だとかで適当に済ませ、後はラムをトニックで割ったヤツをガバガバと流し込み、また本を読むか大音量でBeatlesかPrinceを聴く生活を続けていた。ネットに繋ぐのも嫌で、日記はせんべいさんと野原さんしか読まなかった。なかなか眠くならないのだが、一度眠ってしまうとひたすら眠ってしまい、朝寝坊してしまう。
せっかく3年掛かってサラリーマンとして安定した生活を手に入れたのに、また自分でバランスを崩すようなことばかり始めている。
一気に元の状態に戻すことはできないから、せめて日記だけでも毎日つけようと思うのだが。
慎太郎は僕の分身のようなヤツで、バイオリズム的にも大体僕と同じようなことを考えて生きている。世間で言うところの「親友」というものなんだと思う。僕が西麻布から保谷に引っ越したら、ヤツは三軒茶屋から鵠沼海岸に引っ越していた。僕がBeatlesを無限リピートしてるって言ったら、ヤツは山下達郎の無限ループにはまっていた。
そう言えば、この日記に曲名を書き入れるようになったのは、去年の夏に慎太郎に会った日からだった。それ以来一度も会ってないから、1年ちょっと振りということになる。
東京生れの東京育ち、家庭にちょっとしたトラブルを抱えた幼年期を過ごし、東京の真中で散々踊り踊らされた僕達が今どうして東京や家庭から逃げ出そうとしたのか、それをまだ文字にすることができないのが残念だ。
慎太郎と会ってしばらく話せば、少しアタマの中が整理できると思うのだが。
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さて、ちょっと困ったことになってきたかも知れない。
Pop Life / Prince and the Revolution
あんまりカラダとココロのバランスが悪いので、慎太郎に電話して、来週末に会うことにした。