あなたの温もり 思うこと  不明編


1997年9月20日(土)

Blue Jay Way / The Beatles

睡眠と覚醒の中間のような、良く分からない状態を4時間ぐらい続けていた。



耳元には大音響で鳴り響くBlue Jay Way。



唇を重ねる瞬間に火花が散り、



闇に降り続ける霧は熱した心を冷ますことはできず。



大音響で鳴り続けるBlue Jay Way、



遠ざかり近づくうねりのように明滅を続ける、



霧雨の夜のアスファルトの腐敗した匂い。



有機体の結合の中に埋もれていく、



微かな吐息、Blue Jay Way、



誰か僕を助けにきてくれないか、



明滅するアスファルトの流れに、



呑込まれる前に。





I am the Walrus / The Beatles


正面からタマゴ男達がぞろぞろと歩いてくる。


タマゴ男達を避けようと振り返ると後ろからはセイウチ男が何人も歩いてくる。


セイウチ、セイウチ、あああああ、セイウチ男だよ。


ぐるりと僕を取り囲んでしまい、タマゴ男とセイウチ男が手をつないだままぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると回っているよ、


僕は海に連れていかれてきっとグルグル回ったままセイウチ男にされてしまうんだよ。


あああ、嫌だよ、嫌だよ、僕はセイウチ男にはなりたくないよ!


セイウチ男じゃもう金曜日にも吉祥寺の静かなバーにも入れなくなっちゃうし、


仕事で営業もできなくなってしまうよ。


だって、セイウチ男の営業マンなんて、きっと嫌だよね。


僕は一生懸命一生懸命逃げる、


タマゴ男を振り切って一生懸命逃げる、


振り向くとタマゴ男達とセイウチ男達が何十人も、


僕の後ろを追っかけてくる、


セイウチ男に捕まる前に、


海に着かなきゃ死んじゃうよ、


海であの娘と抱きあうまでは、


セイウチ男になんかなってたまるか、


セイウチ男になんて。。。。


あああ。




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