Yen Calling 4 / YEN
歌が聞える。
闇夜に響く、原始の声が。
僕をどこへ連れていこうとしているのだろうか、
僕はきつく目を閉じ布団に潜り込むけれど、
歌声はあまりにも美しく麗々と響き渡り、
僕はやがて誘惑に負け布団を出て窓を開く。
窓を開くとそこにはいつもの景色はなく、
スーツを着たまま勃起したペニスを露出させ、
営業スマイルを浮かべたまま激しく自涜を行う僕が映っていた。
そしてペニスをしごき続ける僕の指の動きに合わせるように、
原始の声が闇夜に響き続ける。
きつく閉じた両眼の裏側でスパークする赤い火花が、
僕に裸になることを拒ませている。
白く濁る僕の意識の中に、
スーツを着てニッコリ微笑む僕の姿と、
痛いほど勃起した僕のペニスが重なり合い、
僕は慌ててカーテンを閉じて耳を塞ぎ布団に潜り込む。
布団の中でガタガタ震える僕の耳には、
チベットから流れ着く原始音の雄叫びと、
ペニスがゆっくりとヴァギナに出入りする粘着質の音が、
刃が心臓にめり込む瞬間のように鈍く響き、
僕は熱く長い夢精を終えた。
強い快感にいざなわれて目覚めた僕は、
自らの下腹部に突き刺さった刃を見つめ、
痙攣を伴い噴水のように迸る鮮血と共に、
僕の主観獄が飛び散ってゆき、
清らかに開放される姿を見た。
月が笑い夢が眠る夜に。
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