思うこと
1998年2月18日(水)
Walter T. / Ambersunshower
ちょっと体調が下降気味かも知れない。風邪の諸症状はまだ出てないんだけど、何となく体が重い感じ。これが悪化すると風邪をひいたりするから、しばらくはおとなしくしていた方がいいかも知れないな。
学生の頃はみんながバタバタ風邪で熱を出している時でも一人で元気だったのだが、ここ2、3年はすぐに倒れるようになった。それも非常にあっさりと、ぱたっと倒れてしまう。ワンシーズンの間に2回も3回も風邪で具合が悪くなるなんて、ちょっと昔から考えると信じられない。
で、ちょっと考えてみた。
確かに少しずつ年齢を重ねつつあるとは言え、僕はまだ28歳だ。周りにはぴんぴんしている同い年の人間もたくさんいるのだから、あながち年齢のせいだけではないような気がする。じゃあ何が僕をこんなに弱くしてしまったのだろう。結局それは精神的なものだと僕は思う。
学生時代の僕は一年中アルバイトばかりしていた。親が経済的に厳しかったということもあるし、金遣いが荒かったということもあるんだけど、とにかく僕の学生時代はアルバイトに始まってアルバイトに終わったと言う気がしてしまうぐらい、やたらとアルバイトをしていた。アルバイトというのは当然のことながら時間給になる訳だから、風邪をひいて3日も休んだりしようものなら翌月の懐が即座に怪しくなってしまう。僕はアルバイトとしては結構高給とりだったので(モデルだのバーテンだの)、3日分の給料がゼロになるというのは非常に痛い。だからいつも緊張していた。それにモデルにしてもバーテンにしても自分が好きでやっていたことであり、しかも責任のあまり掛からない気楽な肉体労働だったから、ストレスでへろへろになったりはしなかったんだと思う。だから仕事がかなりタイトに入っていても、仕事のせいで体調を崩すってことがなかったような気がする。
現在の僕は営業なんていうサラリーマンの中でも一番サラリーマン臭い仕事をしている。もうすぐサラリーマンになって丸四年になるなあ。でも四年経っても、結局自分の中味というのはあんまり変わっていないということを最近つくづく感じている。
自分勝手で目立ちたがり屋、そのくせ実はすごく殻を持っていて、人を寄せ付けない。一見するとすごく誰にでも愛想が良く見えるのだが、実はすごく頭の中は自閉している。それが僕だ。 スーツ着てペコペコしていても、やっぱりそれは変わらない。
どんな仕事でもそうなんだろうとは思うけど、やっぱり営業という仕事は時としてすごく精神に良くない作用をもたらすと僕は信じている(まあ技術屋さんは技術屋さんで開発なんて仕事は非常に精神に良くないと思ってるんだろうけど)。好きでもない人にやたらと愛想笑いを振りまく、自分の尊厳を捨てて走り回り、他人のミスの為に謝り回る、仕事を得るためならば嘘も平気でつく、などなど、良い営業マンになろうと思ったら、やはりどこかしらで人間としての自分の存在を封じ込めなければやってられない部分が出てくると思う。
だからそう言う自分がイヤになった時に、僕は病気に逃げ込むんだと思う。軽く熱を出して会社を休んで咳なんかしてみたりして、午前中からテレビの時代劇の再放送なんか観ちゃったりしてぼんやりと過ごすことによって、僕の中で崩れてしまった人間としてのバランスを回復しようとしているのではないかと思う。もうこれ以上酷使しないでくれーと心が僕に直訴しているのかも知れない。
まあ世の中には風邪で熱があろうと何だろうと這ってでも出社するような人達もいる訳だから、結局僕はただのナマケモノということになるのかも知れないけど、まあ、自分で選んだ道だからね、できる範囲で頑張るって感じかな。
と言うわけで、そろそろ逃げ込もうかな、なんて思ってるんですけど、玉ちゃん、ダメかな?
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