春の麗らの 思うこと 繚乱編
1998年4月30日(木)
流星 / Saju
今日はカイシャのようこさんの送別会。ようこさんは僕の次に古株の社員で、制作部門で僕と組んでシゴトをしていた時期がながかった。
わいわいと楽しく飲んで騒いで、ほんの少しだけ感傷的になったりもして。
ようこさん、楽しく元気に生きて行ってね。僕は僕で頑張るからさ。
カラッと爽やかな笑顔を残して、ようこさんは去って行った。
流星 / Saju
入社して一カ月でバカでかいプロジェクトを任されて、しかもそれはもうすでに動いていたんだけど前任者はとっくの昔に辞めてしまっていたので引き継ぎを受ける相手もいなくて、制作のブロックになるべき営業もいなくて(僕はこのプロジェクトからは外されていた)、何も分からないまま彼女は怒涛のシゴトモードに入らざるを得なかった。
徹夜の連続で、シゴト中に胃痙攣を起こして倒れたり、夜中になるとモニタに向かって笑顔で話しかけたり、かなり精神的にも肉体的にもきつかっただろうと思う。
僕も毎日のように深夜残業してた頃だったから、時々夜中に一緒に弁当買ってきて食べたり、夜中の1時ぐらいから突然切れてしまって意味もなく映画の話で明け方まで盛り上がったりと、かなり不健康だけど楽しい(!?)時間を過ごした。
翌年の春にそのプロジェクトが終わり、ようこさんは普通の生活に戻ったが、精神状態が安定するまではやっぱり一年近くかかったような気がする。
肉体的にきついというよりは、自分を守ってくれるべき人間がいないという状態でカイシャの責任を一身に負い続けるというのが非常に辛いことだったのだろう。
彼女が辞めていくということを聞いた時、僕はすごく複雑な思いがした。もちろん一緒に闘った同士がいなくなるという寂しさもあったけれども、同時に、あの頃の辛い思い出から解放されるならば次のシゴトに向かって進んで行く方が良いんじゃないか、そんな風に思った。
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ようこさんが入社してきた4年前の夏は、まさにカイシャが一番ヤバイ時期で、入社3カ月の僕と共に、彼女は非常に辛い時期を過ごすことになった。