真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1998年7月9日(木)
Love You Down / Ready for the World
灼熱の新宿駅、午前11時50分。
電車を降り、暗い階段を駆け上がると、南口の改札の向こうから猛烈な威力を持った真夏の太陽光線が僕の目を射った。
瞼を細め、額から汗を滲ませて改札口を抜ける。
まるで泡立つように次から次へと現れる人の群れの中から、ふとコパトーンの香りを嗅ぎ、
慌てて振り向いた先には、
褐色の肌を自慢気に誇らしげに露出した若者たちの姿。
ほんの一瞬だけ、
仕事のことを、忘れた。
Let's Wait Awhile / Janet Jackson
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たくさんの笑顔に囲まれて飲む。
日頃の緊張感から解放され、ずらりと並ぶ笑顔を眺め、
流れた時間の長さと速さを改めて実感し、
去って行った人々の顔を思い浮かべ、
ほんの一瞬だけ感傷的な気持ちになってみる。
ワインが程よく染みるように体に馴染み、
火照った頬を笑顔で隠した。
With or Without You / U2
土砂降りの雨は、夏の到来を待ちわびる大地の雄叫びのように、
火照った僕らの体と心を心地良く冷やし、
それと同時に僕達の心に黄金の真夏の太陽を刻み付けようと躍起になっている。
遠く轟く雷鳴が、僕を夏の夜の沈思へと誘い、
どこかからか、波の音が聞こえたような気がした。