真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1998年7月27日(月)
Hey Lula / Yutaka Fukuoka
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遅いよ、遅すぎ。もう来ないのかと思っちゃったよ、
夏。
夏だ。ギラギラ照りつける太陽光線、灼熱のアスファルトがじっとりと溶けだすように感じ、排気ガスに塗れる都会の空気は膨張して僕達の肌に膜を作りぴったりと貼り付いて呼吸を止めさせてしまう。
首筋をひっきりなしにつたいワイシャツに吸い込まれていく汗、ギラギラと輝く銀色の車体を揺らしながら猛スピードで通り過ぎる快速電車の車輪とレイルがぶつかり合う轟音。
まったくもう、うんざりするぜ、東京の夏。
まったくもう、うんざりだぜ、このスーツにこのネクタイ。
空を見てみろよ、真っ青だぜ、
雲を見てみろよ、真っ白な入道雲がもくもくと這い上がってきてるぜ、
太陽を見上げてみろよ、黄金色に輝いて俺をさそってるじゃないか、
海はどこだよ、おい。
潮風はどこだよ、おい。
白い砂浜に水着の女の子はどこにあるんだよ。
蝉がミンミン啼いてるじゃないか、
学校のプールからは歓声が上がってるじゃないか、
街を闊歩するお姉ちゃん達はカッコいいじゃないか、
くそー、夏だ。
早く満喫しないと、今年の夏はあっという間にどこかに行ってしまいそうだ。
その前に、