真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1998年8月8日(土)
「イカ天」って、10年経って今見ると、ほとんどはゴミみたいなバンドばっかりだけど、やっぱりマルコシアスバンプは別格にカッコ良いなあ。「ミッドナイトシアター」の回のビデオが残っているのはラッキーだとしかいいようがない。うなるベースに変態的なギターの絡み、全てをどっしりと支える強烈に広がりのあるドラム。うーむ、やっぱりカッコ良い。佐藤研二のムチャクチャな奏法もやっぱり画面があった方がリアルになる。手袋しないと指が血だらけになるってのも納得できるなあ。
最近時々メイルをくれる方から、佐藤研二は今ではエレクトリックノマドというバンドで活動中ということを教えてもらった。来月東京でライブがあるらしい。ちょっと行ってみたい。
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Robinson Crusoe / Art of Noise
10時過ぎに起床。いやー、良く眠った。こんなに眠ったのは久し振りっていうぐらい。
お中元でもらった魚があるから、それを焼いて朝御飯にしよう、などとニナと相談していると玄関のチャイムがなった。ヤマト運輸のお姉さんが発泡スチロールの箱を抱えてニコニコしている。上半身裸のままで失礼して箱を受け取る。箱には赤いシールが貼られている。急げ!、カニだ!
発泡スチロールの箱を抱えたままニナと二人で歓喜のコサックダンスを舞う我々(オーバープロデュース)。北海道の旅行先から某友人が引越祝いとして送ってくれたのだ。きゃー。
珍獣をこわごわと見つめるかのように、おずおずと蓋を開けると、じゃんじゃかじゃーん、カニの脚がにょっきりと包み紙から飛びだしているじゃあありませんか。小さな毛ガニかなと思っていたのだが、包みを解いてみたら、バカでかいカニ(正式名称は不明、というか、たらばガニかズワイガニのどちらかなんだろうと思うんだけどわからないの)がどどーんと登場。
パニックに陥る我々。ニナは実家に電話をしてカニの始末の方法を尋ねたりして、ようやくカニが既に茹でられていることを把握、いきなり一口食べてみる我々。一口食べることによってパニックは収拾に向かうどころか、ますます混迷の度を深めるばかり。休日出勤すると言っていたニナもいつの間にか缶ビールを片手にカニの脚にかぶりつく始末。せっかくお中元にもらっていた魚の存在がすっかり薄くなってしまった食卓で、昼から大満足のカニ攻撃ですよ、奥さん。
オナカがいっぱいになったら二人とも興奮からやや醒めて、今度は眠気に襲われてお昼寝タイム。カニの夢などみつつ結局夕方までグーグー。
目覚めると再びカニの妄想に捕われるワタクシ。近所のスーパーに買い物に行って足りない食材を買い足したりして、夕飯はもちろんカニづくしですよ。味噌汁もカニ〜〜。んんんんん〜〜、んまいです、んまいです。あ、ちなみにお中元にもらった魚も食べました。こちらも美味いんだけど、やはりカニには勝てません。タイミングが悪かったなあ。
オナカ一杯だー、で、僕はすっかりくつろぎモード。ニナは黙々とカニを食べ続ける。食べ続ける。なおも食べ続ける。結局2時間近くも黙々とカニ食べてました、ニナは。うーむ、おそるべし。
食後はビデオでマルコシアスバンプだのたまだのが「イカ天」で演奏してるビデオを見たり、荒木経惟氏の写真集「陽子」を眺めたり。
荒木経惟氏の「陽子」では、陽子さんが裸でベッドに横になっていて、お尻が写っている写真に吸い込まれそうになる。特に過激なアングルな訳でもないし、インパクトのあるポーズをとっているわけでもないのだが、背中からお尻、性器から腿へと向かう曲線に(もちろん性器自体は見えないのだが)、成熟した女性の魅力と、愛する人と時間を共にしているという安心感のようなものがひしひしと伝わってきて、その後の二人が辿った道を思いちょっとばかりうるうるしてしまった。
ふと気付くともう夜中の3時。時計を見たら急に眠くなり、あっという間に撃沈。
こうして僕の9連休初日は静かに終わったのであった。おしまい。