真夏の夜の夢 思うこと Summer Edition
1998年8月12日(水)
21:50 in the hotel, silent room of the silent town
思うこと、北の国からバージョン、第一日目。
あいあい〜、つう訳で今僕は青森県南津軽郡の温泉町の山荘から書いてます。今日から3泊4日の北の国への旅。今年の夏のメインエベントってことで、楽しみたいと思ってます。
それにしても、この町は本当に涼しい。冷房もほとんど必要なし。そしてこの町は、騒音というものから完全に解放されている。車の音もしないし、電車の音もしない。窓を開けると(今実際に開けてみた)、秋の虫の声と、微かに響く列車の汽笛の音。それ以外はホントに何も聞こえない。まるで別世界。
東京のコンクリートの熱で燻られてガチガチにしこってしまった僕の内臓が、そして心が、ゆっくりと、じわじわと、夜の闇に誘われて溶けていくようだ。山の稜線が闇に沈む中、人家とそれを結ぶ道路に灯る街灯だけが、山あいの町を微かに彩っている。
この闇と静寂は、お金じゃ買えない。
Voices of the nocturnal insects, frilled with the gorgeous silence
Voices of the nocturnal insects, frilled with the gorgeous silence
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さて、今日の日記を書き始める前に、昨日日記をアップしてからのことから書き始めよう。昨日日記をアップし、旅に備えて眠ろうなんて言っているところに電話が鳴る。もう零時を過ぎたころ。電話は何とカイシャから。某コンピュータメーカーの仕事に関しての質問。あーだこーだとやりとりをして、とりあえず現状で最善と思われる指示を出し、とりあえず電話を切る。カイシャのユウコさんはこの後3時まで残業したらしい。お疲れ様です。来週から僕も戦場復帰するから待っててね。
電話を切り、家のマックとPowerBookを使って仕事の状況をニナに説明しようとしていたら、両方のコンピュータが相次いでダウン(余計なことをせずにさっさと眠ればよいものを)。
家のMacの方はリブートしてすぐに立ち直ったのだが、PowerBookが起動できなくなってしまった。正確に言うと、起動が終わった瞬間から不明なループに入ってしまって、スタートアップが完了できないという状態。
デスクトップの再構築だのPRAMクリアだの、コンパネ&エクステンションの整理など、一応考えられる全ての処置をしてみたのだが全然ダメ。参ったなあ。
PowerBookは旅行に持っていくと決めていたので、零時過ぎからむきになってシステム再インストール。結局なんだかんだで、全ての作業が終わって無事PowerBookが起動できるようになったのは午前2時。はー、お疲れさまです。
で、皆さん、昨日の日記に僕がなんて書いたか憶えてますでしょうか。そうです、今日は午前3時半に起きなければならないのです。すなわち1時間半しか眠る時間がないっつーことですな、がはははははh。
このまま寝ないでいようかとも思ったんだけど、それはちょっと辛すぎるだろうということで、とにかく布団に入って眠る。ぐー。で、3時半に起きる。むうう。てもそれなりに熟睡したみたいで、何とか使い物になる程度には回復していたのが救い。バタバタと支度をして家を出たのが4時半。まさに限りなく透明に近い時間。お盆の時期ということもあって、青梅街道は信じられないぐらい車の数が少なかった。
心配していたタクシーもあっというまにゲットできて、無事夜明けの三鷹駅に到着。ここまでくれば一安心。中央線に乗って東京駅に出て、6時3分発のやまびこに乗り込む。駅はすごい人ごみ。やっぱりこの時期はすごいんだなあ。
我々は運良く指定席がとれていたので、すんなりと着席。大宮あたりまでは起きていたんだけど、猛烈な睡魔に襲われてあっけなくニナと二人揃って撃沈。最初に目が覚めたら仙台、二度目に目が覚めたら北上、最後に目が覚めたらもう盛岡の手前だった。うーむ、これだけずっと眠ってると、長距離を移動したという実感が全然ないぞ。駅名とか町の名前とかを見て、おー、ここはりゅうか君の家の方、とか、おー、ここはがるさんの家の方、とか、そんな妙な感慨を抱くだけで新幹線の旅はオシマイ。なんだかあっけなかったなー。
盛岡駅から、「ヨーデル」などというかなり怪しい名前の高速バスに乗る。車内は満員、バス乗り場も長蛇の列。バスが動きだして高速に乗ると、僕は再び撃沈。ニナはずっと本を読んでいたようだ。結局バスの中もずっと眠っていたので、こちらもあっという間に停留所に到着。停留所には「羊女」が迎えに来てくれていた。おー、とにもかくにもやってきたぞ、北の国へ。我々は嬉々として、羊女の運転する自動車へと乗り込むのであった。
羊女の男っぽい運転でまずは昼飯を食べに弘前市内へと向かう。ファミレスで食事をして、しばし市内をドライブ。某siyoungさんの家近くを通過したり、既に色づき始めているリンゴ畑を眺めたり。
しばしドライブを楽しんだ後(羊女よありがとう)、いよいよ連隊本部へと向かう。うきゃー。
連隊本部に到着して連隊長殿や大隊長殿などに続々とご挨拶。写真の中で微笑みかける師団長閣下にももちろん挨拶。緊張しているので、とりあえず自分のガタイのでかさを逆手にとって笑いをとってみたりする。しばし連隊長殿と歓談後、セレモニーへと移行のため家を出て、斜面を登っていく。
粛々と進むセレモニーをじっと見つめる。都会育ちはこういうしきたりというか、ルールのようなものを全然知らないので、こういう時に恥をかくのだな、うん。
視線を上にあげると数えきれないほどのトンボが待っている。遠くで微かに自動車の音がするぐらいで、後は人々の話し声以外何も聞こえない。
連隊本部へと戻り、まだ日も高いうちからビールなどをずびずびし始める。ニナは中隊長殿に仕えて何やら忙しそうに働いている。羊女はイヤイヤながら敵情視察(?)のため出かけていった。連隊長殿と大隊長殿と3人でしばし歓談。その後ニナが加わってみたり、中隊長殿が加わってみたりと、ゆっくり過ぎる時間の中で楽しく歓談。
7時を過ぎた頃に、先週弘前市内で開催されていたねぷた祭(青森市内のね「ぶ」た祭とは異なるものである)の縮小版が町内を練り歩くのを眺める。ふむふむ。来年はほんちゃんのねぷた祭を見たいなあ。
延々と連隊本部でお世話になってしまい、結局8時過ぎにタクシーにて連隊本部を後にし、単身山荘へと向かう。山荘では温泉にのんびりと浸かってビールを飲んで、窓を開いて深呼吸して日記書き。
この町から静寂と闇に包まれて書いているこの日記、あなたはどこでいつ、僕の言葉を受けとるのでしょう。そうやって考えると、本当にweb日記というのは不思議なものです。
さて、明日も早いし早朝風呂も楽しみたいので、そろそろ〆と致しましょう。
ではでは、思うこと 北の国から、第一日目、でした。