営業会議でブチョウにこてんぱんにやられてしまい、すっかりしょげてしまったスギモト君を連れて市ケ谷の「庄や」で飲む。
イタリアのワインが安かったのでボトルで注文したら、店長が「ヌーボーもありますけど」だと。「ヌーボー嫌いなんで」で済ますが、どうも腹が立つ。どうして日本人がフランスのワインの収穫を、しかも居酒屋で祝って、うまくもないワインを飲まなきゃならんのだ。信じられない。
などとブツブツ言いつつスギモト君を励ましてみたり、説教してみたり。
お客に嫌われたくないと言い続けるスギモト君に、ちょっとガッカリしてみたり。客に嫌われることを怖がってちゃ営業なんてできないよ、正直言って。
仕事をもらうためには作戦を立てて計画的に動くことが大事だよ、と、このへんはブチョウと言っていることは(言葉の強さは全然違うが)同じなのだが、スギモト君としては「そうまではしたくない」ということ。それで売り上げが十分上がってれば文句ないんだけど、今月の売上が社員一人分の給料程度ってことじゃ、ハッキリ言って君の主張は通らない。もしどうしても自分の考えを曲げたくないのなら、「客に嫌われない程度の営業をして、さらに誰も文句言わないぐらい仕事をとってくること」以外には生きる道はない。
まあ最悪はヘトヘトになるまで走り回ってその結果がダメだったということなら何とかなるかも知れないんだけど、上司の意見は聞かない、売り上げは上がらない、しかも会社で一日ぼーっと過ごしている、ということだと話にならない。
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ワインを二人で2本とバーボンだのカクテルだのをがぶがぶ飲んでいたらあっという間に11時過ぎに。平日にこんな時間まで飲んだのは実に久し振り。たまにはいいか。
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結局、「トラッシュ」は途中で読むのを諦めた。
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