パラオにて 思うこと 2006
2006年12月11日(月) 2日目 晴れ
【パラオ旅行記二日目・パラオを実感/PPRのビーチで泳ぐ/富士レストラン】
眠っていてもワクワクしているのが分かり、せっかくの大きなベッドから飛び起きたくて6時頃に起きてしまう。木製のブラインド越しに夜は終わり、朝が始まりつつあることが分かる。冷房は切って眠ったのだがTシャツ一枚では肌寒かった。
窓を開けると目の前はもう海である。まだ夜が明け切っていない。Palau Pacific Resortの海は真西を向いており、僕らが泊まっている部屋も海に面しているので、朝日は我々の背後から上ってくることになる。西の海は一瞬晴れているのか曇っているのか分からず、「なんだよ曇りかよ〜」と暗い気持ちになる。あまりにも期待値が高すぎて朝一番のどピーカン以外は許せなくなってしまっていた自分に苦笑いする。
パラオ旅行恒例の前日のメモを書く。前回のパラオ旅行にも持ってきたA5サイズのリングノートにボールペンで昨日の出来事を書く。備え付けのポットでこれまた備え付けのインスタントコーヒーを作り、それを飲みながら書くのが日課だ。
メモを書いていると耳の脇でブウンブウンという大きな音がして驚く。木製のブラインドをおそるおそる開けていくと、体長3センチかそれ以上の、大きなハチが窓とブラインドの間にいて羽ばたいていた。慌ててブラインドを閉じる。おいおい、これはおっかないって。
昨日のメモを書き終えてからシャワーを浴びる。PPRのJunior Suiteはシャワールームとバスタブ、それにトイレはそれぞれ別になっている。ざっとシャワーを浴びてさっぱりする。その後ベランダ側から部屋の外に出て、朝の写真を撮る。大分陽が高くなり、空も晴れてきた。
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ニナも起きてきたので朝食に出かける。前回は全てルームサービスで済ませたが、今回はツアーに朝食が付いているとのことなので、リゾート内のCoconuts Terrace Restaurantに朝食を食べに行く。部屋を出てビーチ沿いに歩くと、5年前の滞在が昨日のことのように思い出される。リゾート内はマイナーチェンジはあるものの、ほとんど何も変わっておらず嬉しくなってくる。陽射しがどんどん強くなる。そして湿度が猛烈に高い。歩いてるだけでどんどん汗が出てくる。
Coconuts Terraceの朝食はブッフェ形式。ブッフェコーナーの角には玉子焼き職人がいて、リクエストに応じて玉子を焼いてくれる。僕は目玉焼きをお願いしてみた。和食、洋食、ちょびっと中華が混ざっていて、納豆や味噌汁もあるが、僕はパンと洋食中心に。コーヒーは大きなポットでたっぷりと出てくる。こんなに飲めません。
すっかり満腹になったのは良いのだが、昨夜から朝食については一つ心配ごとが。ツアー会社からの連絡によると僕らには朝食のクーポンが付いているはずなのだが、昨日のチェックイン時にもクーポンはもらえなかったし何の説明もなかった。
気になって昨夜チェックイン後にサービスデスクに電話してみたが、夜も遅かったので分からないから明日の朝マネージャーに聞いてみてくれと言われていた。で、朝食を食べ終えるとお会計の伝票がテーブルの上に置かれる。むむむ、これは朝食付きの設定になっていないぞ。しかも朝食は二人で$36とかなりのお値段。これが「こみ」になるのか別料金かではかなりの差が出るぞぉ。
一応伝票にサインをしてレストランを出てフロントへ。日本のツアー会社との確認事項になることが分かっていたのでフロントのパラワンに「日本人のマネージャーと話したい」と英語でお願いしたところ、日本人の(後にこの人はハーフの方と分かる)女性が出て来て対応してくれた。PPRには我々の予約にはBreakfast Meal Couponは付いていない形で入っているとのことで、予約元に確認してくれるとのこと。念のため僕らがツアー会社からもらった書類を見せる。
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食事を終える頃にはすっかり外は快晴になり、うずうずしつつ部屋に戻り水着に着替える。パラオの紫外線量は真夏の東京の7倍なので、絶対焼かないSPF50の日焼け止めをたっぷりと塗り込んで部屋を出る。出がけにホテルのサービスカウンターに電話をして、部屋の窓とブラインドの間にハチがいるので退治しておいてね♪とお願いする。だってあんな大きな南国のハチにどれぐらいの毒性があるかなんて分からないもんよお。
日本を出る前から、今日はPPRのプライベートビーチでのんびり過ごそうと決めていた。プライベートビーチでシュノーケリングの「ならし」をして、明日以降に備えるのだ。
行き掛けのプールハットでシュノーケルとライフベストを借りる。5年前にも話をしたパラワン(後に彼はGraytonという名であることが判明する)に「お前ら何人だ?」と聞かれるので「日本人だよ」と答えると「本当に?日本人とは思えない」と言われる。
Graytonから僕らが泊まっている部屋は、アントニオ猪木がパラオに来るたびに泊まる部屋だと教えてくれる。他にもこの部屋には小川直也や広末涼子も泊まったという。そういえばリゾートの一番奥にある一階の部屋で、一番奥ということは通過する客がいないから静かだし、一階はベランダからそのまま外に出られて良いのかも。なるほどねえ。
余談だがアントニオ猪木はパラオではかなり別格扱いされていて、日本人のヒーローに祭り上げられている。だからパラオ人が語るアントニオ猪木は、日本での猪木の扱いとはかなり異なる。「お前らの国の英雄アントニオ猪木が」「あの猪木様が」みたいなノリで話してくるので要注意。プロレス嫌いの人が「なんだよ猪木かよ」みたいな顔をするとパラワンは不審そうな顔をする。
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5年ぶりにPPRのプライベートビーチに出るとさっそくシュノーケルとライフベストをつけて海に入る。遠浅のビーチはほとんど波がなく水は温かく気持ちがいい。さっそくシュノーケルで水中散歩を楽しむ。最初水に入った場所が岩も珊瑚もない場所で全然魚がいなくて焦るが、岩場に行くとお馴染みの魚がいて僕らを歓迎してくれた。
一昨年のグアムでも二回シュノーケリングはやったが、いずれも水が濁っていて魚はほとんど見えなかったので、ちゃんとしたシュノーケリングは5年ぶり。
今日は魚は少ない印象だが、それでも楽しい。水中撮影用に持って来たサイバーショットwithマリンパックで写真を撮りまくるが、やはり久し振りで勘が鈍っていてなかなか魚が写らないのはご愛嬌。
しばらく水中で遊び、その後はデッキチェアーに寝転んでパラソルの下で読書。今回も南の島へのお供は村上龍の「テニスボーイの憂鬱」。99年の一度目の屋久島旅行からいつも南の島といえばこの本だ。軽く読めてしかも話の中にふんだんに南の島が出てくるのが良い。
読書をしつつガラガラのビーチで「極楽だ〜」と呟く。ホントに極楽なんだよぉ。陽射しは本当に刺すように強いので、常に日陰にいるようにする。それでもどんどん日焼けしていく。
しばらく休んでまた日焼け止めをたっぷり塗って海に入る。潮の加減か分からないが最初より水が澄んでいて魚が多い。水に入ると妙に魚が周りに寄ってくるのは何故だと思ったが、どうやら日焼け止めの成分が水に溶け出し、それが魚を寄せ付けているようだ。水に入ってしばらくすると特に魚は寄って来なくなる。
僕がバシャバシャやっている間にニナはプールハットで脚ヒレ(フィン)を借りて来ていて、猛烈なスピードで泳いでいる。僕も羨ましくなってフィンを借りに行く。
で、改めて水に入ると、これがビックリ。フィンがあると本当に早く泳げる。嬉しくなって写真を撮りつつどんどん沖に進んで行き、気づいたらブイよりもずっと沖合まで来てしまっていた。
ライフベストもあるしフィンも付けているので特に焦りはしなかったが沖合は水が冷たくて脚がつってしまい、ちょっと不安になって陸に戻る。夢中になって張り切り過ぎたようだ。パラオの陽射しは強烈なので僕らはTシャツを着たまま泳ぐのだが途中でニナはシャツを脱いでいたようで、ニナも背中が日焼けで痛いといって同じタイミングで陸に上がった。
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昼を過ぎたので一旦部屋に戻り順番にシャワーを浴びてからCoconuts Terraceでランチ。結構遅くなっていて1時45分頃。まずはパラオの地ビール、"Red Roosters"のLightを注文。以前はもちょっとコクがあるAmberも置いていたような気がしたが(本当かどうかは不明)、今回はLightとDarkのみの取り扱い。
5年ぶりのRed Roostersは相変わらずフルーティで美味い。日本で飲んだら物足りないと思うが、暑くて湿度の高いパラオで飲むとこれが美味いのよ。
食事のメニューは以前に比べて大幅に簡素化されており(後に繁忙期メニューであることが判明する)、サンドウィッチやバーガー類は全滅。僕はここのサンドウィッチが好きだったので頼もうと思っていたので残念。
ニナは海老のソテーを、僕はチキン入りシーザースサラダを注文。海老のソテーはココナッツミルクで調理してありとても美味しかった。シーザースサラダも悪くなかったが、よく考えたら昨日もグアムで食べたんだった。
食事をしていると朝話をしたハーフの日本人スタッフさん(という表現は何だか変だが)が僕らの席にやってきて、予約の手違いでMeal Couponが付いていなかったので、改めて発行すると教えてくれる。今朝の伝票もCoupon処理にしてくれるとのこと。やれやれ良かった。どうもありがとうございました。今回の旅ではそれなりに問題は起こってはいるのだが、事前にうまいこと潰せていて何よりだ。少しずつだが経験値が上がりつつある。
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食事を終え、思い出すようにPPR内をぶらぶらと歩く。まずはLogo Boutiqueへ。パラオやPPRを題材にしたTシャツを眺める。5年前に僕が買ったTシャツはもう売っていない。当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、他があまり変化していないために、ちょっと違和感を感じたり。Logo Boutiqueの店員のおばちゃんは5年前と同じ人。日本語がそれなりに喋れる。その後"Fish Pond"へ行ってみるが、あまり見るべきものはない。目の前のビーチでうようよ泳いでいる魚が池にいるだけ。
部屋に戻ると部屋のMake upが終わっていて、無事ハチも退治されていた。それは良いのだが、部屋に備え付けのSafety Boxをロックしないまま外出してしまい、Make upに来た人がロックしてくれたという内容の手紙が置いてあった。ロックを解除するにはリゾートの人を呼ぶ必要があるそうだ。
僕がちょっと昼寝しているとSafety Boxを開けにスタッフの方が来てくれた。パラワン2名で非常に物々しい。開けてくれたBoxに異常がないか確認して欲しいと言われる。いやあ何だかとてもご迷惑をおかけしました。あとMeal Couponも僕が昼寝している間に届けてくれたみたい。
昼寝の後ニナと明日の予定を相談。もともと明日はオプショナルツアーを入れようと思っていたのだが、impac社主催のSouth Rock Island Tourに申し込む。お値段はツアー代金$120にRock Island許可証$15で合計$135。Rock Island許可証は税金みたいなものなので、ツアー料金とは別。
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そうこうしているうちに夕方になり、夕食の相談をする。あれこれ検分し「焼肉アイランド」なる韓国人オーナーの店に行ってみようということになり、18時丁度のBBIバス(夜間だけ運行される、ホテルとダウンタウンを結ぶシャトルバス。一週間有効のパスが$5だが、僕らはツアー会社発行の無料パスを持っている)に乗るべく部屋を出る。部屋を出てからニナはツアー会社発行のBBIバス無料チケットカードを、僕はバスの時刻表を部屋に忘れて来たことに気づく。お互い良い感じで頭のネジが緩んで来たようで何よりだ。
ホテル入り口まで来ると、BBIバス待ちの人がたくさんいて驚く。5年前に僕らがパラオに来た時は、BBIバスはまだ運行を始めて1ヶ月ほどで、初日にどらごん亭に行くために乗り込んだ時には僕ら以外に乗客は誰もいなかった。それが今や乗客が列をなしてバスを待っている。すごいなあ。なんだか感動するなあ。でもやってきたバスが日本語で「BBIシャトルバス」と書いていたのは、何だかグアムを思い出してげんなり。あまり日本人に迎合しすぎなくて良いぞ。パラオはパラオなんだから。
バスは満員の日本人乗客を乗せてコロールのダウンタウンへと向かう。バス停といっても標識とか車内アナウンスとかは何もないので、周辺の様子を見て自分で判断するしかない。時刻表がないので段々不安になってくる。しかも今回訪れるレストランは5年前にはなかった店なので、外観などが分からないので、看板の文字が頼りだ。
美登寿司、居酒屋さくら、富士レストラン、WCTCとどんどん過ぎて行き、これは見落としたかと思っていると無事店の前にバスは到着。良かった良かった。ところが店に入ると今日は予約で満席(団体のパーティーが入っているようだ)と言われる。ショック。店はダウンタウンの中心から結構離れており、すぐ近くに別の店はない。仕方がないので歩いてダウンタウンに戻ろうかと相談していると、日本語が流暢な奥さん(韓国人)が、ご主人の車でダウンタウンまで送ってくれるという。
これは有り難い。別に来ていた日本人2人と一緒にご主人の車でWCTCまで送ってもらう。ご主人はまったく日本語ができないようでした。ありがとうございます。
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WCTCからダウンタウンを西に向かって歩きつつ店を探す。最初は居酒屋さくらに行こうと言っていたのだが、それより手前に「富士レストラン」が見えたので、そちらを試してみることにする。刺身、寿司、天ぷらなどの日本料理や餃子、ラーメンなんてのも看板に出ている。
店は妙に広くがらんとしている。観光客向けというよりはローカル向けかなという感じで殺風景。生ビールRed Roostersを注文し、刺身盛り合わせ、餃子、肉野菜炒め、海老フライ。店員はフィリピン人ばかりで黄色いお揃いのTシャツを着ており、背中に「富士レストラン」と日本語で書かれている。お味については省略。お会計は$47。
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店の前で帰りのBBIバスを待つ間、ニナは隣のア・バイ・アイスというアイスクリーム屋さんでマックシェイクみたいなアイスを買って来た。紅茶のフレーバー。美味しいけど頭がきーんとなる。
バスでPPRに戻る。まだ8時過ぎなので少し飲もうということになり、プールサイドのMesekiu Waterhole Barに行く。先に日本人の男性が一人で飲んでいた。この店に日本人客がいるのは珍しい。最初は別々に話していたのだが、そのうちお互い話しかけるようになり、しばし歓談。この方は'55年生まれのダイバーで家族みんながダイバーとのこと。今回は息子さんと一緒に来るはずが都合で来られず一人で滞在し、昼はダイビングしまくっているとのこと。
ダイバー氏によると、今のパラオは20年前のグアムみたいな雰囲気とのこと。20年前のグアムはまだ今のように高層ホテルの乱開発がされておらず観光客も少なく、ローカルの人々は日本人をもっと大事にしてくれたとのこと。
パラワンの女性店員はとても人懐っこく、 ダイバー氏もそこそこ英語がいけるので、タイ人(?)の男性店員も含めてしばらく英語であれこれ盛り上がる。パラワンの女性によると、コロール島はここ5年ほどでどんどん開発され、農耕地が減っているとのこと。パラオ最大のバベルダオブ島は未だに殆どが未開のジャングルなので、そちらに行けばいくらでも農業はできるだろうが、島までは遠く、近くで農業ができなくなるのは不便だとのこと。
ホテルや商店は増えているが、観光客数は減っており、活性化していない(帰国後調べたら実際パラオを訪れる観光客数は1997年をピークに減っている)とのこと。などなど面白い裏話を聞かせてもらった。
この女性、「私は海や魚なんか嫌いよ。トーキョーのビルの方が好き」とずっと思って生きてきたそうで、どうしてパラオにわざわざ海と魚を見に観光客がどんどん来るのか分からなかったそうだ。ところが、最近になって海に潜って魚を見る機会があり、そうしたらやっぱりパラオの海は好き、と思ったそうだ。これもなかなか面白い。
日本人ダイバー氏と僕らがちょっと日本語で会話をしていたら、パラワン店員さんから「あなた達日本人なの?」とビックリされる。今朝に続いて二度目。僕の背が高いことが理由の一つ、それから英語を話すことが二つ、ローカルの人々と積極的にコミュニケーションを取ろうとしていることが三つ、という感じのようだ。ちなみにパラワン店員さんのお母さんは83歳でお母さんの世代は日本語教育を受けているため、家でテレビを見る時は日本語の番組ばかり見ているそうだ。
アイリッシュ・ウィスキーのロックを2杯飲み、3杯目は部屋に持って帰って飲むことにする。帰りがけにタイ人店員さんにネコのSimonについて聞いてみる。毎晩のように白ネコはやってくるが、SImonという名前かどうかは分からない。Simonというのはリゾートのマネージャーの名前で、従業員がおもしろがってそう呼んだのだろうとのこと。5年前に出会ったネコのSimon。早く会いたいなあ。
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ダイバー氏に挨拶してプールの脇を抜けてビーチを歩いて部屋に戻る。途中空を見上げるとビックリするほどの数星がきらめいている。12月なのでオリオン座も見える。南十字星はこの時期は残念ながら見ることができない。満天の星空にはまったく雲がなく、湿度が下がって来て空気が軽くなってきている。明日はきっと良い天気だろう。明日は夢の国へ連れて行ってもらうツアーが入っている。
部屋に戻り持って帰って来たスコッチのロックを飲み、10時過ぎには寝てしまう。心地良い疲れに包まれて眠るのは最高である。パラオは早寝早起きが良い。
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