Kanon / George Winston / Johann Pachelbel
無邪気に過ぎる思春期を斜影線が断絶した瞬間から、
あなたの闘いは始まっていたのか。
それとも天文学的偶然によりこの時代に生を受けた瞬間から、
もうあなたは闘い始めていたのだろうか。
自我というものの存在を、
あなたは何から学び、どのように育ててきたのか。
自らの意志とは無関係に訪れ続ける悲しみを、
あなたはどうやって乗り越えてきたのか。
傷つくことの責任を転嫁することなく、
他人を誹謗し自らを弁護することなく、
傷つくことも傷つけることも許さず、
闘い続けてきたあなたへ、
僕は無数の接吻と共に、
声の限り、戦士の唄を唄い続けたい。
魂が孤独になり寄り掛かる存在がなくなったとき、
あなたは自らのカラダを削り、
魂をすり減らして自分を責め続けた。
暴走することで孤立感を発散し、
孤独である寂しさを訴えず、あなたはココロを痛めた。
未成熟な幸福感に約束された永遠を守り抜くために、
己を傷つけ、そのココロを閉ざした。
笑顔を見続るために、自らの笑顔に影をつくりながらも、
見続けられる笑顔に喜びを感じた。
叶えられない理想を儚いとは嘆かず、
削られゆく肉体と精神を脆弱なものと、
虚弱なものと断定し、泣いた。
意志を持ちえなかった命も、
自ら断っていった命も、
今生き続けるあなたを守るために、
旅立って行ったと信じたい。
こうして僕が今書いていることが、
意味を持つかどうかは分からないが、
それでも僕は書き続けている。
僕には、ただ唄うことしかできないから。
闘い続けるあなたを不格好だと笑う人もいるだろう。
要領よく生きろと諭す人もいるだろう。
悪意を持ってあなたの悲しみを誤解する人もいるだろう。
悲しみの深さを知らずに、分かったようなことを言うやつもいるだろう。
怒る必要はない。
哀れむ必要もない。
笑い飛ばす必要もないだろう。
ただ、戦士の誇りを以て、平然と接すれば良い。
母の胎内へと戻ろうとする子供のように、
裸のあなたは今背中を丸めて眠っている。
あなたの背中を包むように僕はあなたを抱いている。
かすかにあなたの寝息が聞えている。
僕はあなたの呼吸に合わせて、
眠りを妨げないように、
そっと、戦士の唄を、唄い続ける。
Haru/
shin-ya b/
かおり
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