凍える夜に 思うこと  抱擁編



1999年3月11日(木) くもり

仕事帰りに中野でLIONさんとニナと3人で飲む。というより、LIONさんとニナのデートに乱入という感じ。

前半の話題は「眠り」の素晴らしさについて。後半はLIONさんのキャラクターについての話がメイン。ふと気付くと1時近くになっていて、慌てて帰ってきた。LIONさんにご馳走になってしまい、恐縮する。ありがとうございました。今度家に遊びにきてくださいな。

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1999年3月12日(金) はれ

久し振りに「西洋乞食」で食事をしようということになり、ニナと二人で繰り出す。

以前感動した子牛のカツレツを今日も食べ、やはり美味しいと喜ぶが、他の料理はどれもイマイチ。やはり吉祥寺では、「ファッショな居酒屋」か「サンタルチアの店」が一番美味しいだろうという結論に至る。

駅前のロータリーのところで、今週も大道芸人があちこちで芸をやっていた。今週も先週に続いてディキシーな二人組の演奏に聞き入ってから帰ってきた。

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村上春樹、「村上朝日堂」読了。

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1999年3月13日(土) はれ

引越を控えた実家へ。

昼過ぎに実家に到着し、車に僕が起きっぱなしにしていた荷物を積んで部屋へと運ぶ。車を運転するのは去年の夏にニナの故郷へ行ったとき以来。東京で車に乗るのは、去年の正月に初日の出を見に行って以来。ハンドルを握るまでは緊張したけど、走り出したらすぐにカンを取り戻した。

部屋に着いて荷物を降ろし、ニナを乗せて再び実家へと向かう。途中で僕の生家(浜田山)に立寄ってみた。最後に見たときよりもさらに荒廃していて、少し胸が痛む。

再び実家に戻り、夕食をご馳走になる。鶏の唐揚げ。2年ぶりの母親の唐揚げ、おいしゅうございました。ニナにも好評だった模様。

ワインやコーヒーを飲み、あれこれとだべってから車で母に送ってもらい帰宅。

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1999年3月14日(日) はれ

春の陽気に誘われるように外出。近所の中華料理屋で昼食を食べてから、ぶらぶらと散歩。近所の公園でビールを飲みながら、一輪車乗りのオジサンをぼんやりと眺めたり。

僕が昨日実家から持ってきたエレキギターにニナは夢中になっている様子。弦を買いに行くと言って一人で吉祥寺へと。その間僕は布団の上でゴロゴロと。まだ体調が完全ではないうえに、精神的にちょっと不安定になっているようで元気がない。

夕方に2時間ほど昼寝。その後ニナ作のパスタを頂き、早めに眠る。やはりちょっと覇気がないようだ。

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1999年3月15日(月) 雨

ばしゃばしゃと降る嫌な雨に、今年の冬も完全に終わったことを知り、低気圧のせいもあって憂鬱な気分。電車の中でひたすら大江健三郎を読み、もっと憂鬱になってやろうと思ったら、逆に気が晴れてしまった。

昼間はひたすら長距離移動を繰り返し、夜になって事務所に戻りちょこちょこと書類整理をしていたらまた気分が落ち込んできたのでさっさと退散。

家に戻ってきても、いまいち気が晴れないので、珍しくニナに打ち明けてみたりした。原因は分かっているのだが、解決方法がない。結局あと2カ月弱の間は、この宙ぶらりんの状態を続けていくしかないわけで、少なくとも4月上旬の第一関門までは、何も変化しないという前提で日々を過ごさなければならない。

頭ではわかっているのだが、感情がついてこない。

こんな気分の日は、せめて晴れてくれよと願わずにいられない。

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大江健三郎、「個人的な体験」読了。

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4月10日開催予定の「思うこと3周年オフ」についてはこちら(今日は更新ありません)。









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