思うこと


1999年5月11日(火) くもり

バスに乗ってどこか遠くに行きたいな、などとふと思ってしまう。

帰りの電車の中では、村上春樹の新刊を読みつつも、眠くて眠くて大変だった。朝起きる時間がどんどん早くなっているのに、眠る時間が変わらない(というより遅くなっているかもしれない)のだから、そりゃ眠いだろう。おまけに今まで全然していなかった運動までしてるんだから。

「スプートニクの恋人」は、のっけからケルアックだの吉祥寺だのがやたらと出てくるので、眠くても読んでしまう。好きな作家の新作を最初に読むときのドキドキ感というのは、何ものにも代えがたい。

電車を降りてもまだ眠くて、バス停でぼーっとバスを待つ。僕が乗るバスはなかなか来ないのに、他の系統のバスはやたらとやってくる。暇つぶしに妄想を膨らませてみたりする。このバスに乗ると柳沢駅に出て、柳沢から青梅行きのバスに乗って、青梅からうまいこと奥多摩まで繋がれば、そのまま山梨までバスだけでも移動できるな、みたいな。

家に帰ってきてからもまだちょっと夢見がちで、このまますぐ布団に潜り込んだらさぞかし気持ちがいいだろう、などとぼんやりと考えつつバーボンを飲む。

ネムネムの状態は続く。そして夜は更けていく。ああ、バスに乗ってどこまで行けるだろう。この妄想をこのまま夢の中にまで持っていけたら、きっと明日の朝までには神戸ぐらいまでは着いてるかもね。

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乙武洋匡、「五体不満足」読了。


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