思うこと


1999年5月31日(月) はれ

本当に久し振りに仕事が暇になってきた。で、仕事帰りにシャチョウとブチョウも参加してちょっとした飲み会など。ここ一年ほどまったくなかったのんびりした空気に触れ、みんなでわいわいとやる楽しさよ。

月曜から二次会まであり。タクシーで六本木に移動してカラオケ。カラオケなんて何カ月ぶりだろうか。しかも月曜から。ごくごくと日本のウィスキーを飲み、どんどん歌を唄う。いつも日本のウィスキーを飲むと具合が悪くなるから要注意と思いつつも、久々の開放的な気分におされて結局はべろべろになるまで飲んでしまう。

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タクシーに乗り込む時、ふと実家のことを思い出す。「酔っ払ったから泊めてくれ」とドアを叩いても、出てくるのは赤の他人なんだということに、まだうまく馴染めない。



1999年6月1日(火) はれ

武蔵野というところはまだまだ未開の地であったりするわけで、今まで何もなかったところに突然片側2車線の立派な道路ができてしまったりする。で、ぴっかぴかの新しい幹線道路にある日新しいバス路線が出来てみたりもする。そのバス路線が僕の自宅のすぐ近くから出ると分かれば、そりゃ乗ってみるしかない、ということになる。

実家の方は都営バスオンリーなのだが、都営バスと言えば万年赤字でどんどん路線は廃止される一方だから、新路線が開通なんて、生まれて初めての経験だ。自然とわくわくしてしまう。

いつも通りの時間に家を出て、いつもとは反対方向に向かって歩き出す。バス停までは3分ほど。今までの半分の時間だ。バス停には、物珍しさもあってかすでに10人程度のサラリーマンが並んでいる。バス会社のオッサン共がメガホン片手に駆り出されていて、今日開通の新路線の宣伝や説明を行っている。

時間通りにバスがやってきて、ぞろぞろと乗車。いつも見慣れた車両なのに、路線が違うというだけで運転手も乗客も緊張気味。発車してからも何だか運転がぎこちなくておかしい。

途中までは今までの路線と同じ経路で、途中から未知との遭遇となる。ぴっかぴかの道路に、ぴっかぴかの新しいバス停。その中を、おんぼろバスがドテドテと走っていく。

わずか10分ちょっとで三鷹駅に到着。いままでのバスよりもずっと早いし、景色ものんびりしててずいぶんよい。さらにバス停までの距離も半分以下とくれば、これはもう使うしかないでしょう。あっさり廃止されないことを望むよ、関東バスさんよ。

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宮本輝、「命の器」読了。


 

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