この本は良かった。すごく良かった。
吉越氏は僕が現代の経営者の中で最も尊敬する方の一人で、著書はほとんど全て読んでいる。同氏の本は毎回必ず新しい発見がありとても有り難いのだが、本書もとても新鮮で勉強になり、気合いも入る内容だった。
過去の吉越浩一郎氏著作レビューへのリンクはこちら。
・時間ではなく集中力と成果で勝負! "ムダな仕事はもう、やめよう!" by 吉越浩一郎
・仕事が速くなるプロの整理術 by 吉越浩一郎
・「残業ゼロ」の仕事力 by 吉越浩一郎
この本は対象読者を中間管理職や経営者候補に限定し、企業でいかに部下を効率良く組織化して最大の利益を上げるか、という点にフォーカスして書かれている。
もちろん、「最大の利益を上げる」大前提として、吉越氏が提唱し続けている「残業ゼロ」と「デッドライン管理術」が前面に押し出されていることは言うまでもない。
この本はタイトルこそ「部下操縦術」となっているが、実は部下を操縦するマネージャーはいかにあるべきか、ということを中心に構成されており、実際はマネージャーの自己教育のためのテキストとして機能するべきものである。
僕自身の日常の仕事と絡めても、もう膝を打ちまくり、頷きまくり、付箋貼りまくりで、納得しまくりつつ読了した。
心に響く言葉や僕自身が信念にしていても誰とも意識を共有できておらず孤独感を感じていた点に対するフォローとなる激励の言葉に満ちていて、一生手元に置きたい本となった。
「仕事は教えてもらって覚えるものではない」、「飲み会に連れ回す上司は下の下」,「帰宅時間の早い上司こそ有能だ」など、僕が常日頃考え、感じ、実践していることが間違っていなかったのだと思え、とても励まされたし、勇気ももらった。
念のため書いておくが、吉越氏は残業せずに早く帰るからその分売上や利益が下がっても仕方がない、と言っているのではない。むしろその正反対で、どうやったら残業せずに利益を最大にできるか、どうすれば日本のビジネスマンの労働生産性を高め、せめて欧米並みに豊かに時間を使って生きられるかを提唱しているのだ。
対象読者がマネージャー以上となっているため、従来の吉越本よりも厳しい内容となっているが、経営者候補の方、マネージャーの方、そしてこれから将来マネージャーになろうという意気込みの若者にも、是非読んでもらいたい一冊だ。
余談だが、吉越氏の著書へのリンクを貼ってみて、氏の代表作のレビューを書いていないことに気付いた。このブログを書くより前の時期に読んだためだ。ここはやはり全て再読してレビューを書かねば気が済まない感じだな(^-^)。
吉越式利益マックスの部下操縦術
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吉越 浩一郎
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新任・中堅の中間管理職バイブル中間管理職は、経営者マインドをもて。リーダーたれ。
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