Haru/
shin-ya b/
かおり
nico/
Kana
Shimomi/ 安原/ 山本/ わっちゃん/ 松木/ 松永/ 岡田/ 江口/ Alice/ うえだ
This is not America / David Bowie and Pat Metheny Group
Hey Lula / Yen Chang
Break on through / The Doors
細かい雨が水銀灯の明かりを乱反射しながら、絹の糸を引くように降り続いている。
吐く息が白濁し、水銀灯に映しだされる雨に溶け込んでいく。
雨に濡れたアスファルトに響く靴の音が鈍い響きを創りだし、
ガラス体に映る残像が湿気を帯びて腫れ上がっている。
花屋にディスプレイされた深い赤のバラがガラスの曇りで濁っている。
携帯電話を持った女子高生が水しぶきをはね上げながら大声で話している。
コートの肩を細かい雨が濡らしていく。
吐息に混じって溜め息が雨の夜の黒い空に吐き出され、
凝固し、
高く登っていく。
首都高の轟音が僕のつぶやきを消し去ってくれた。
雨の夜。
言葉に触れるとココロがユタカになり、
姿を見ているとココロがアタタカクなる。
声を聞いているとココロに波がおきる。
肌に触れるとココロに赤い点を見る。
芸術が木刀である夜に、
ツルの一声がココロを凍らせる夜に、
ハルとナツのカオリ、
残像とハウリングの渦の中に、
眠り続ける意識の奥に、
100万本のバラの花を、
銀杏の葉が散りゆく初冬の夜に、
たいまつを掲げた勇者の列を、
走り去るガゼルの笑顔に、
弔いの歌が聞えてくると、
降り続く細かい雪が、
指先に留まり溶解する結晶が、
軋むベッドに抜け殻のように抱きあう夜に、
透き通った肌、透き通った爪、
教会のミサの最前列に座り、
信仰宣言に耳を塞ぎ、
失われた時を求めて、
涙の流し方が分からずに、
喉の奥に指を突っ込み、
射精する。
ぶち破りたい。
Haru/
shin-ya b/
かおり
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