Let's Go! / The Original Love

アパートの外階段を降りていると、向かいのそば屋の裏口のところに、いつもの黒猫親子がたむろしていた。そば屋のオバチャンがえさをあげていた。

三鷹の駅までいつもバスで20分。今日はそのコースを歩いて見ようと思い、狭いバス通りをどんどん昇っていく。しばらく行くと千川上水が流れている。ここで水源つーか、取水口まで歩いていきたい衝動に駆られるが、スーパーに寄る体力を残しておかなくちゃいけないので今日はパス。来週でもちょっと歩いてみよう。取水口まで2.3km。

道幅が広くなるとすぐに桜並木になる。六分咲きといったところか。曇り空に桜の花びらの色が全部吸収されてしまって花が白く見える。近くで見るときには、満開よりもこれぐらいの方が、つぼみも残っていて美しいような気がするなどと思いつつ歩いていると左側にあやしい定食屋。毎朝バスで通っていても全然気付かなかった。自家製厚揚定食800円。なんとなくそそられたがまだ腹が減ってなくてはしかたがないのう。

交差点を左に曲がって真っ直ぐな道をどんどん歩く。左側にバカデカイ公園あり。もう少しあったかくなったらここで昼寝ができるはずなどと考えているうちに右側にあやしい路地裏商店街発見。幅2メートル弱の路地の両側にびっしりと店が並んでいてなかなか活気がある。八百屋や肉屋を冷やかしながら歩く。しかし、なんでこんな古典的商店街が「グリーンパーク」なんだ。

グリーンパークから脱出するともう五日市街道。土曜日の夕方は毎度お決まりの大渋滞。排気ガスのにおいが凄い。ゲホゲホ。関東バスと西武バスが5台も6台も連なったまま渋滞で立ち往生している。助けてクレー。

チャリンコに乗ったオバチャンがフラフラやってきて思いきり左肩にぶつかっていった。く〜〜。肉弾。痛い痛い。頼むからこんな狭い歩道を荷物積んだチャリンコでフラフラやらないでくれ。

ブツブツいいながら三鷹通りとの三叉路に到着。左に曲がるとずーっと両側桜並木のトンネルになるが、駅に行きたいのでちょっと名残を惜しみながらも右折する。

ちょっと行くとすぐに「ブックセンター」がある。かなり大きな本屋なので、前から入ってみたかった。店に入ってぐるっと一周したが、なんだこれ、雑誌といい文庫といい、全部にビニールで包んであるから全然立ち読みができないじゃん。それになんだこの品揃え、マンガとエロ本と何故かエロビデオばっかり。アキラに教えてもらった謎の本を買いたかったのに、そんなものあるわけないな、こりゃ。

ちょっとがっかりして再び三鷹駅に向かう。豆腐屋のおばちゃんが店の中で体操している。ぶよぶよのカラダを後ろに反らすと膝までのストッキングが思いっきりブットイ脚に食い込んでいて気色悪くなる。うーんうーんうーん。

三鷹通りもすごい渋滞。どんどんバスを追い抜いて歩く。三鷹通りから中央通りが分岐する辺りで正面から黒いものが真っ直ぐ飛んできて上唇に思いきりあたった。熊蜂かセミかナニか分からないが結構大きな昆虫が思いきり直撃。あまりに驚いたので思いきりのけ反ってしまい、周囲の人達にビビられてしまった。僕が悪いんじゃないのに。それにしてもどうして3月なのにあんなデカイ虫が飛んでるんだ、いったい。しかも真っ正面からマッスグに人の顔めがけて。

もしあれが弾丸だったらアタマが吹き飛んでいたななどと妄想しながらあっと言う間に駅に到着。所要時間は45分。思ったよりも早く着いた。駅前にはバス待ちの長い列。一番後ろの方は駅の構内に突入していた。なんじゃこれ。

駅の構内に入る。エスカレータの前で宗教の勧誘をするなっつーの。みんな避けて通ろうとするから階段付近が大混乱じゃないか。まったく。キップ売り場の料金地図が全部白い紙で覆われている。「4月1日からのものです」ってサインペンで書いてある。でもあれじゃあみんなキップ買えないよな。何もこんなに早く張り替えなくてもいいのに。

中央線に乗って吉祥寺に出るつもりだったんだが、なんだか駅の反対側に行ってみたくなってきたのでそのまま反対側へ。