あなたの温もり 思うこと 不明編
1997年10月17日(金)
Close to You / The Carpenters
のぞみであっという間に京都へ。
新装オープンしたばかりの新京都駅ビル、ものすごく前衛的で高圧的で、僕にはどうしても京都という街の雰囲気と一致させることができない。
駅から乗り込んだタクシーの運転手さんにそのことを尋ねてみた。
「若い人達はお店がたくさんできたってよろこんでるみたいですよ」とのこと。
むー。そうかなぁ、すごくやな感じなんだけどなあ、あの駅ビル。
京都駅からカイシャに電話して、ブチョウと大口論になる。隣の公衆電話から掛けていた女の子がビビっていた(笑)。
で、結局口論に勝ってしまうのはいつも僕。それってきっとすごくいけないことだと思うんだけど、ブチョウだろうがカチョウだろうが、結局のところは素人に変わりない。
客先から帰るときに乗ったタクシーの運転手さんは台湾人。東京で食品関係のカイシャを経営していたが、昨年秋に倒産して、家族を連れて夜逃げして京都まできたとのこと。
片言の日本語と、彼の寂しそうで自嘲的な笑い声が脳細胞に響いた。
その後は長岡京方面。
帰りの京都駅で、携帯の電池が切れてしまう。今夜は黒田や石井と呑むことになっていたのだが、これで完全にアウト。彼らは僕の居所がわからないし、僕は彼らに連絡がつけられない(僕は慎太郎の携帯の番号をメモリ保存しただけで手帳に記載してなかった)。
ニナと吉祥寺で飲み。
ほろ酔いで帰宅すると留守電が。シゴトの電話だ。うちのカイシャから依頼している翻訳者さんから。身内に不幸があって納期までに仕上げられないとのこと。あわてて電話。その人の奥さんは今年の8月に35歳の若さで癌で亡くなった。今週の月曜日にその人の実のお母さんが亡くなった。心臓発作だった。そして今日、その人の(亡くなった)奥さんのお母さんが危篤状態になったとのこと。
うまく言葉を選ぶことができず、モゴモゴと言って電話を切った。
ラッシュアワーのように押し寄せる「死」。
「死」
考え始めたら、眠れなくなった。
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昨日の夜に突然決まった京都日帰り出張。