怒りの鉄拳 思うこと 激情編
1997年10月29日(水)
Drunken Butterfly / Sonic Youth
あー、もうダメだ、切れた切れた。完全に切れた。もうやってられない、いい加減にしてくれ。ふざけるんじゃねえよ。
こっちが半年以上かかって必死に営業して、どうにかこうにか受注に結び付けた超大口顧客。
一回目の小さな仕事でさえパーフェクトにこなすことができずに、クレームが来て社長と僕で謝って仕事が終わった後に部門長さんにも挨拶して必死に売り込んで、
ようやく出てきた本格的な仕事だぜ。あんなに反省会やって、ミーティングして今後の方針決めてやって、受注が決まってすぐにこっちがスケジューリングして手配のやり方まで教えてやって、用語集の作り方だのFrameMakerでの編集の注意点だの、全部事細かに教えてやって、翻訳者が全部できるかどうか何度も確認しろって念押しして、大丈夫だってお前が言うから信用したのによ、
どうして受注から一週間経って一枚も翻訳ができてないんだよ、信じられないよ。先週の金曜日に翻訳者から報告があっただぁああ?こっちはそんなこと一言も報告なんか受けてねえんだよ。納期は11月の末って決まってんだよ、今更どうやって立て直すんだよ。
口ばっかり達者で、「全て順調です」っつー報告を社長に一昨日してたのはどこの誰だよ。
あんたは少なくとも制作部門の責任者だろうが。40歳過ぎてなにやってんだよ。恐妻家だか何だか知らんけど、夕方に奥さんから電話が掛かって来るたびに真っ赤な顔して、「今日は用事がありますから」とかほざいて定時に帰って、それでこの有様かよ。
今回の仕事がきっちり収まったらうちの会社はこの不況の中、確実に特別ボーナスが出るぐらいの業績が上げられるんだよ、お客さんもうちを信頼してくれて、裏情報まで流してくれて「頑張って下さい」って言ってくれてるのに、どうしてそこまで無責任なことができるんだよ。
俺や社長の前でいい顔して嘘ばっかりの報告あげて、結局地獄を見るのは自分だってことがどうして理解できないんだよ。納期までもうあと一カ月しかないんだぜ。わかってんのかよ。明日には一回目の納品をするんだぜ、知ってんだろ。俺が残業して調整して書き上げた日程表、先週の木曜日に渡したよな。どうして今日になって、できてない、なんてことが言えるんだよ。俺には本当に信じられないよ。
営業も制作の女の子達も、バイトの玉ちゃんも必死になって残業して頑張ってるのに、どうしてお前だけがでたらめな仕事して高い給料とって、嘘の報告書いて、さっさと怖い奥さんのところに帰っていけるんだよ。
繰り返すぞ、俺もあんたも責任者なんだ。今回は絶対お前のことを許さない、必ず仁義だけはきってもらうからな。
仕事は趣味でも遊びでもないんだよ。プライベートが必要なのはあんただけじゃない、みんな私生活を持ってるんだよ。
恐い恐い奥さんに飼われて一生ぬくぬくと暮らすんだな、あんたにはそれが一番お似合いだよ。
背中丸めてブツブツ独り言でもほざきながら、永遠に俺の前から姿を消してくれ。
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