凍える夜に 思うこと  抱擁編



1999年2月15日(月) はれ 

村上龍の、「コックサッカーブルース」という小説を読んでいる。多分3回目とか4回目とかの再読だろう。

タイトルからも分かるかと思うが、きれいに言えば刺激的、悪く言えばエログロな小説で、村上龍の作品群の中では決して決して名作ではないはずなのだが、これが何故か不思議と僕のバイオリズムとピッタリくる。

SMだのバイブレーターだのおまんこだのアナルだの鞭だのが続々と登場してくる小説を、真面目顔してせっせと読んでいるのだが、これがなかなかファイトが湧いてくる。なんなんだろう。

そこらへんのエロ小説を読んでも、こんな感じにはならないだろう。こう思わせてしまうところが、村上龍の狙いだとしたら、それってすごいことかも知れない。

前回読んだときも不思議とアップな感じになったのを、今日読んでいて思い出した。

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昨日、ちょっとした思い付きでタバコをいつものラッキーストライクからキャメルに変えてみた。

僕は学生の頃タバコを吸い始めてから、フィリップモーリス(約1カ月)→ラークマイルド(約2カ月)→セブンスター(10年くらい)→ラッキーストライク(2年ぐらいかな)と変化してきた。時々思い付きでメンソールも吸う。メンソールで一番好きなのはクールかマルボロ(どちらもライトは×)。

僕はそれほどのヘビースモーカーではないが、一応こだわりはある。タバコを吸わない人には決して分からないと思うけど、一番のポイントは喉越し。煙を吸い込んだ時に引っ掛かるような違和感があってはダメ。セブンスターをやめたのは、だんだん喉にひっかかるような臭みを感じるようになったからで、あれこれ試した中でラッキーを選んだのは、一番スーッと入っていったから。

昨日から今日にかけて一日キャメルを吸ってみたが、やっぱりラッキーがよくて、結局元に戻した。キャメルって、いかにもちょっと曲者っぽい雰囲気があってカッコイイナと思ったんだけど、味がきつくてダメだった。

やっぱりラッキーがいい。

で、ふと思った。タバコが一番美味しいのはどんな瞬間か。

朝起きてすぐの一服とか、酒を飲みながらとか、いろいろ考えてみた(トイレで排泄しながら吸う人も多いみたいだけれど僕はあれはしない)。

朝起きてすぐは、確かに染み渡るような気持ちにはなるけれど、オナカも減っているし体も起きていないから、格別にうまいという感じにはならない。酒を飲みながらだと、最初はいいんだけど、途中からは惰性でやたらと吸っている感じがして、これもイマイチ。

意外といいのは、ジョギングの後とか水泳の後の一服。せっかく体に良いことをした後で何故、と、当然吸わない人は思うのだろうが、これは結構いい。スキーでリフトに乗りながらというのもかなりのポイントだし、車を車庫から出して、高速に乗ってすぐの一本というのもなかなか。僕の個人的な嗜好なんだろうけれども、寒いときの方が美味しいと感じるかも。

でも、やっぱり一番は、濃密なセックスの後、ということかな。濃密に、というのがポイントで、二人とも気合が入って脳みそがトロトロになるぐらい(ちょっと石田さんぽいかな)張り切って、めいっぱい一体化した後、ゆっくりとほぐれていくような時に吸うタバコは、本当に美味しい。

仕事でイライラしながら、喉をイガイガさせて吸うタバコは最低だけどね。








 

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