凍える夜に 思うこと  抱擁編



1999年2月14日(日) はれ 

この一週間、まったく日記を書く気にならなかった。

書きたいのだけれども仕事が忙しくて書けないとか、酒飲んで酔っ払って寝てしまって書けないということはちょくちょくあるのだが、今回は全然そういうノリではなかった。

全然書く気にならなかった。

家にいても他の人の日記もろくに読まなかったし、メイルチェックさえあまりしていなかった。もう全然やる気なしという状態。

いや、別に何か格別嫌なことがあったという訳ではないし、もう日記は止めようと決心したわけでもない。ただ何となく面倒臭くなってしまっただけ。

何か特別なことをしていたか、と言われても何もしていない。いつも日記を書いている時よりもよっぽど何もせずに過ごしていた。何となくバランスがおかしくなっているのだろう。言葉を書くことでバランスをとっている人間が書きたくないなんて、最初からバランスが悪いと気づくべきなのかも知れないが、気づくのに一週間かかった。

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日記を全然書かないと、空メイルが来なくなるので、メイルチェックをしていても全然メイルがこない。

あたりまえののことなんだけど、何日かそういう状態が続くと、いかにも自分はwebの世界から逸脱してしまって、すでに忘れられた存在になってしまったのだという妄想を抱いたりして、今回はそれをなかなか楽しんでいた。

丸二日間一通もメイルが来なかったりすると、ちょっと疎開しているような気分になったりして。

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でもさすがに一週間ぐらいwebから離れていると、そろそろ「あの人は元気だろうか」なんて気になりだす。

で、のそのそとネットに繋いでweb watcherをチェックしてポツリポツリと見て歩くと、野原さんの日記が4年目に突入していたり、せんべいさんが久々に感傷的に語っていたりして、なかなか目が離せない。まだまだwebというメディアは生きている、と実感してみたり。

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そうこうしているうちに、むずむずと「書きたい」という欲求が復活してきたので、久し振りに書いてみようか、ということでMacの前に座っている。ほんのちょっとだけ違和感があるのが何とも気持ちいい。

書いている後ろから、ニナが覗き込むのでとても書きにくい。昔は毎晩覗かれながら書いていても全然平気だったのだが、今の家に移ってからはお互いのコンピュータを覗き込むことがなくなっていたことに今日気づいた。

まあ、そんなわけでまたポチポチ書きましょう。一週間のブランク分は埋めないことにして、空白の一週間にしてしまう。一昨年の12月31日からずっと毎日分書き続けていたのだが、今回はちょっとブランクを埋めることに意義を感じることができない。

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この一週間に本を3冊読んだ。

野坂昭如、「アメリカひじき・火垂るの墓」
室井佑月、「熱帯植物園」
村上龍、「ワイン一杯だけの真実」

個人的には、「熱帯植物園」がとても好き。うん。

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この一週間にビデオを2本観た。

John LennonのTribute映画、「Imagine」と、Freddie MercuryのTribute映画、「Champions of the World」。

Freddieの映画は、本当に良かった。惜しい人を亡くしたものだ。いやホントに。ニナと二人でうるうるしながら観た。

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この一週間に3回セックスして、1回マスターベーションした。多いのか少ないのかは不明。

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さて、今日の日記。

8時頃から断続的に目覚めつつ、時計を確認しては再度眠るという繰り返し。結局起き出したのは12時。何やら悩ましい夢を見ていたような気がするが、はっきりとは覚えていない。いずれにしても寝過ぎ。ちょっと頭が痛い。

僕が起きるとすぐにニナも起きてきた。ニナがおにぎりと玉子焼を作ってくれている間、呆然とテレビでマラソンを見る。

食事の後、洗い物と洗濯を手分けして片付けてから、吉祥寺へ。

バレンタインということで、ニナがGODIVAのチョコを買ってくれた。ありがたや。ニナ的には、黒のハイネックのセーターも買ってくれようとしていたのだが、店に行ってもすでに春物ばかりで断念。

夕飯に何を食おうかなどと相談しつつハモニカ横丁で野菜を、LONLONの中で肉だのを購入、買い残したものを三浦屋で購入。ワインも買ってバスに乗って帰宅。最近吉祥寺は買い物でばかり行っていてのんびり散策していない。のんびりぶらぶら歩きたい。

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帰宅後ビールを飲んでちょっとのんびりしてから、夕食の支度を。僕は大根と鳥肉の煮込みの仕込み(これは明日以降食べる)、ニナは豚肉の生姜焼の仕込み(これは今夜食べる)。

今夜のメニューは豚肉の生姜焼とキャベツの千切り+おくらのバター焼、それになめこ汁。ごちそうさまでした。

食後にもらったチョコを食べ、僕はコーヒーを、ニナはワインを飲みながら、今まで一緒に過ごしてきた記念日についてあれこれと話す。なかなか楽しい時間。

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日記を書く僕の後ろではニナがQueenのビデオをもう一度見直しているようだ。僕はこれを書き終えたら、お風呂本を手にゆっくりお風呂に入って、それから久し振りに日記巡りなどしようかと思っている。

一週間離れていただけなんだけど、ずいぶんみんなと会っていないような気がするし。








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